第8話「弥太郎の涙」特集はこちら。
前回の視聴率は22.3%。持ち直してきた。でも「世界の果てまでイッテQ!」はなんと22.6%もとっている。日曜の夜はすっかり日テレが独占かぁ。今週はオリンピックがどうからむものだか。前から思ってたんだけど、フィギュアっていきなりエキシビジョンにつながるあたり、やっぱり不思議なスポーツかな。
今回の「命の値段」は、福田靖らしくバランスをとった回。新たな登場人物もなく、地味なキャスティングだけに脚本で勝負。
前半は貫地谷しほり(斜め上からのカメラが女優を美しく撮っている)とのラブコメ大爆発。むかしの日テレ青春ドラマを彷彿とさせる。福山雅治がまるで石立鉄男みたい。しかしこれは後半の陰惨さをカバーするものだろう。
武市半平太(大森南朋)は、他の藩の攘夷派とのレベルの差に切歯扼腕し、人間らしい罪を犯した同胞に苛烈な罰を与えようとする。反発する龍馬。
むずかしい問題ではある。原理主義と現実主義の相克は永遠の課題だしね。人間の命の値段が舶来の時計よりも安くていいのかというのも正論なら、武市の「大きなことを成すには、鬼にならなければならない」のも一方の現実。薩摩と長州は、引き続き血を流しながら結果としてわが世の春を謳歌したのだから。
切腹から救った龍馬に、しかしあの下士にこれから待っているのは茨の道だぞ、とみんながつっこんだ途端、ラストで現実の彼と御茶ノ水のニコライ堂との関連が語られるあたり、ちょっとうますぎる展開かも。観光案内まで計算に入れてたか。
今回は地味なお話なので……視聴率は20%ジャストと読みました。浅田真央人気でエキシビジョンは高視聴率だろうし。
第10話「引きさかれた愛」につづく。いやはや露骨なタイトルですなぁ。