今年最後の更新がこんな記事になるなんて。
山下達郎との新春放談の復活も見果てぬ夢になったのか……
わたしの世代(60年生まれ)にとって、はっぴいえんどをリアルタイムで聴いているマニアは少なかったし、サイダーと音頭の人だった大瀧がグイッと前面に出てきたのはなんといっても「A Long Vacation」
オールナイトニッポンを聴いていたら、どうやらソニーは彼を大プッシュすることを決めたらしく、CMのつるべうち。使われていたのはもちろんA面の1曲目「君は天然色」。速攻でレコード屋に走りましたよ。
衝撃的なアルバム。曲の完成度が高いのはもちろん、トリッキーなアレンジに目がくらむ。
日本海(日本のウエストコーストです)で青春するのが常だった悪ガキたちは
「あれやっぜ、『スピーチバルーン』」
「?」
「ほら、♪暗い海に向かって」
「ヘッドライトのパッシング♪がっ」
「待て待て。そんなことすると北鮮のスパイど思わいっぞ」
こんなコントをくり広げていた。つまり、みんなあのアルバムを聴いていたのだ。
真の意味で、日本のミュージシャンは大瀧詠一がいることに安心しきっている部分はあったろう。特に達郎、佐野元春、伊藤銀次たちはそう思っていたはず。
重鎮の死によって、彼らは、そしてわたしたちは『大瀧詠一がいない世界』を生きていかなければならなくなった。しんどいなあ。
天国では、植木等とさっそくセッションしているだろうか。きっと叱られてるんだろうな「休むには早いよあんた」って。早すぎる、ほんとに。
A LONG VACATION 30th Edition 価格:¥ 2,625(税込) 発売日:2011-03-20 |