STEPHEN BISHOP - Madge
2016年1月号「正義の味方」はこちら。
この一ヶ月、政治家の失言暴言の連続に呆然。タガがゆるんでいる以前に、こんなことがつづいても自民党の地盤がほとんどゆるがないんだなと。それはもちろん例によって「野党がだらしない」という理屈もあるだろうが(そしてそれは多分当たっているが)、世間の気分が彼らと同調しているのだということだけは確かだと思った。検証してみましょう。
「えー、何だっけ」
島尻安伊子沖縄・北方担当相が記者会見の席で「歯舞」を読めなくて発したことば。こういうことはきっとあります。仕方ないんですよ。この人は沖縄対策のためだけにカウンターで起用されたのであり、北方領土のことなどなにも意識していない。そうでなくても頭から言葉が飛ぶことってありますもの。むしろわたしがうなったのは“政府関係者”の
「資料は『歯』と『舞』の間で行が変わっていて、読みにくかった」
というフォローだ。すごい(笑)。官僚の鑑だなあ。ここまでお仕えするんですね。民主党政権のときは露骨にサボタージュした人たちが、いまはみごとに大臣をベビーシッティングしている。恥ずかしかったろうになあ、いや大臣ではなくて官僚の方が。
「そういった例が一つや二つ、百や千あったとか、いろいろ出てくると思う」
軽減税率導入の事務負担によって廃業する中小企業が出ることについて、麻生財務相が予算委員会でコメント。今さらこれは何も。正直、こう思っているでしょう彼は。
で、受け止めるマスコミも当然だと思っている。でも、特に読売はこの軽減税率についてとても早くからキャンペーン(としか思えないほどの)記事を連発しており、つまりは新聞は8%に据え置けという露骨な主張。ひと頃なら大騒ぎだろうが、このマスコミの姿勢もあってほとんど問題にもなっていない。
っていうか、ここまでは罪のない(わけはないが)部分だ。だいたい、失言は彼の得意技だし。しかし次からのは違う。以下次号。
本日の一曲はスティーブン・ビショップの「マッジ」。ティーカップのなかの嵐のように、天国から舞い降りた微笑みのように、僕は君を愛した……ラブソングの決定版。すっかり落ちぶれた男の回想という設定なのも泣かせる。だから「ロンドン橋落ちた」が挿入されてるのかな。