2014年5月号「横着な人たち」はこちら。
「自分が早く結婚したらいいじゃないか」
「産めないのか」
みんなの党Tokyoの都議、塩村文夏に向けて本会議の最中に投げつけられた野次。発言の一部は鈴木章浩都議(自民党)であることが発表されたが、他の部分はいまだにはっきりしていない。
この問題については、多くの人が発言しているようだし、むしろ語られることで“消費”されてスカッとしてしまう方が怖い。でも、いくつかわたしも語りたいことがあるので参戦。
この野次のレベルの低さ、放った人間の品性がいやしいことに疑問の余地はない。それよりも重いのは、おそらく「なぜ悪いのか」を性根のところでまだ理解できていないであろうことだ。
考えてもみてほしい。本会議場で、質問する議員に聞こえるように大声で放っているのである。本音のなかの本音が出てきたとしか考えられない。
ほとんど不随意運動のように、脊髄から出た発言に違いないのだ。筋金入りの性差別。自民党(だけにかぎらず)議員の多くにその性差別の根があることは、石破幹事長のこの発言でわかる。
「結婚したくても、できない人たちのためにも、党全体として、さらに強力に政策の実現に取り組む」
問題がそんなところにないことは明白で、しかもかえって女性に害をなすこと必至。
鈴木都議の釈明がまたひどかった。
「少子化、晩婚化のなかで、早く結婚をしていただきたいという思いがあった」
明白な嘘。よくもまあ。心根のどこかに、グラビアアイドル出身の女性を軽侮する思いがあったに違いなく、同じ議員であることにいらつきもあったのだろう。
さて、マスコミはこれから、きっと塩村都議の方を落としにかかるに違いない。そこのところで、本当の意味での“レベル”が測られる。しっかり、見ていきましょう。
2014年7月号「遅かれ早かれ」につづく。