事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言2023年1月号 追悼北上次郎

2023-01-31 | ニュース

【HD】 レモンティー - シーナ&ザ・ロケッツ

2022年12月号PART4「アクリル板」はこちら

「才能はあるけど、努力しない」

目黒孝二(北上次郎)が椎名誠を評して。椎名は

「早く才能見つけてほしかったなあ。もうなくなっちゃったよ」

と苦笑い。

こんなことをメモっているうちに、なんとその北上次郎が亡くなっている。四十年にもわたって「本の雑誌」を読み続けているわたしは、ちょっと呆然としています。

初めて知ったのは給食のときに読んでいる山形新聞のコラムで。

彼と椎名誠と沢野ひとし、そして木村晋介が始めた同人誌に過ぎなかったあの雑誌は、いろんな経緯がありつつ(倒産寸前だったこともある)、面白い本こそがえらいのだ、という主張の達成に成功した。その象徴が本屋大賞だ。

家庭人としてほぼ破綻していた北上次郎と椎名誠のことを、しかしわたしはナイス先輩と思っていた。そういうこともあるだろさと。

一世代違うわたしはさすがにそこまでのことはできない。毎日会社に泊まるとか。椎名誠にしたってもっと言いたいことはある。

でも、彼らはとにかく「本の雑誌」を立ち上げた。

そしてわたしはずーっとこの雑誌を読んできたことを誇りに思う。毎月、なじみの書店がこの雑誌を職場に届けてくれる商売であることを幸福だと思う。

そして、北上の訃報を深く悲しむ。

え、鮎川誠も!(T_T)

2023年2月号「ピンク・フロイド」につづく

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「スパイ・バウンド」AGENTS SECRETS(2004 コムストック)

2023-01-31 | 洋画

空港を出た男を、三人の男たちが追う。追跡されていることを察知した男は、ガムを取り出し、なかに何かを仕込んで口の中に放り込む。直後に彼は射殺される。追跡者たちは彼の荷物や身体を探るが、何も見つけることができない。

開巻からおよそ15分。まったくセリフなし。気合いが入ります。ガムの中に入っていたマイクロチップから、ある船の映像が導き出される。はたして何を意味するのか。

1985年に、環境保護団体グリーンピースの船「虹の戦士号」をフランスの工作員が爆破した実際の事件がもとになっている。この映画ではそのままでは描けないので、武器の密輸船ということに。

爆破を行う男女のスパイはヴァンサン・カッセルモニカ・ベルッチ。撮影当時は本当の夫婦でした。その、実際の夫婦に夫婦を演じるスパイという設定を与えるあたりはうまい。

「(キスをするときに)舌を入れるのはやめてって言ってるでしょ」

なんてセリフもあって笑えます。2人が並んで夜の海を泳ぐシーンはとても美しい。その目的が爆破という暗いものであるからこそ。

作戦は成功するが、帰国するときにモニカ・ベルッチは誰かの策略によって逮捕されてしまう。ここから女子刑務所ものに変貌するんだけど、モニカは例によって巨乳をさらしてくれます。ありがたいありがたい。

事実に基づいているだけに、造りとしては地味かもしれない。しかしスパイがみんなジェームズ・ボンドのような派手な動きをするわけもなし。スパイ映画好きとして、十分に楽しめました。

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どうする家康 第4回 清須でどうする!

2023-01-30 | 大河ドラマ

第3回「三河平定戦」はこちら

今川から離反して織田につくことになった家康(このころはまだ松平元康だけど)。清須城の威容に圧倒される。

圧倒されたのはわたしもいっしょで

「ラストエンペラーですか!紫禁城ですか!

とつっこみたくなった。織田信長という存在の大きさを強調したかったのだろうが、さすがにやりすぎなCG。

CGといえば、騎馬シーンがお粗末だと批判されているようだ。そこを予想したのか、今回はちゃんと生の馬(っていう言い方も変だが)に松本潤は乗ってました(笑)。

去年の「鎌倉殿の13人」は、登場人物になじみがなくて最初のうちはテンションをあげるのに苦労した。ところが戦国ものは、役者よりも役の方がメジャーという例が多く、これはこれで面白い。

ということで木下藤吉郎、柴田勝家、お市の方が登場。ひょうきんでいじられキャラな藤吉郎は、柴田勝家に徹底的にいじめられている。そこにお市の方がからむとなれば、この三人がのちにどんなことになるのかを知っていると味わい深い。

演じているのはムロツヨシ、吉原光夫(劇団四季の人だった)、北川景子

ムロツヨシの、ひょうけた藤吉郎の目だけが笑っていない感じがいい。

そして北川景子ですよね。圧倒的な美しさ。

お市の方といえば、岸恵子、松原智恵子、夏目雅子などが大河で演じてきた。とにかく圧倒的な美貌がないと成立しない役なわけで、その意味で現在は彼女がベストなのかもしれない。

信長の妹であるお市はこうも予言する。最後までついてくるのは家康だけかもしれませんよと。もちろん信長もそれを予感していて、久しぶりに相撲をとる気になった展開はうまい。

そして溝端淳平と有村架純が地獄へ堕ちていく。こんなにはっきりと“強姦”が描かれた大河は久しぶり。

第5回「瀬名奪回作戦」につづく

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売れるクルマ ほしいクルマPART2

2023-01-30 | うんちく・小ネタ

PART1はこちら

TOYOTAの社長退任に驚きつつ、トップテンに入っているクルマのほとんどがハイブリッドも用意されている。しかしハイブリッドの象徴のようなプリウスの不振は、単にえぐいデザインのせいだけとは思えない。まあ、新型の登場が近いので買い控えたという事情もあるだろうけれども。

にしても、今度のプリウスのデザインはクラウンそっくりじゃないですか。どうやら受注も絶好調らしいしね。

まあそれはともかく、実はハイブリッドというシステムをわたしは最強だと思っていた。エンジンと電気が補完し合うアイデアは、EVが浸透するまでかなりアドバンテージがある。燃費もおそろしく向上。プリウスのおかげというわけではないが、全国でガソリンスタンドがバタバタと廃業する一因ともなった。

ところが、よく考えるとハイブリッドは、エンジンも電池も積まなければならないわけで、どうも伸びしろがなさそうな気がする。しかも、日本にとって、というかトヨタにとって計算違いだったのが、世界的なEVの伸張だ。自前の技術であるハイブリッドに拘泥したおかげで、すっかりEV化に乗り遅れてしまったのである。だいじょうぶかニッポン、だいじょうぶかトヨタ。

さて、それではこれからの顧客である二十歳の若者たちはどんな車を買いたいと思っているか。このランキングも面白いのだ。

1位「アクア(トヨタ)」

2位「レクサス(RX/NXなど)」

3位「BMW(1シリーズ/3シリーズなど)」

4位「フォルクスワーゲン(ゴルフ/ポロなど)」

5位「プリウス(トヨタ)」

……どうなんでしょう。しっかりしているんだかいないんだかさっぱり。だいたい、どうして若いくせにフォルクスワーゲンを買いたいと思うのだろう。

自分も乗っているのでうれしくはあるけれど、教科書のようなクルマだから安心したいのだろうか。それとも、わたしの世代が読んでいた雑誌「ポパイ」において、車とはまずワーゲンのビートルだった伝統は生きている?

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うまい店ピンポイント 緊急事態発生 哲2023

2023-01-28 | 食・レシピ

米沢屋篇はこちら

「伍長いいかげんにしてください。給食がチキンだから哲に逃げたんですね」

「違うんじゃあ。寒波の影響で業者の水道が凍結。んで給食中止。んで生徒午前中に下校。だから仕方ないの」

「うっすら笑みが浮かんでいるのはなんで?」

パスタ食べるどころの話じゃなかった。いきなり給食が提供できなくて生徒を帰す。ひどいところはトイレも使えないので休校したところも。

わたしも勤務した学校だったので、ああ、あそこが凍ったんだなと。

山形県の庄内地方はここまで冷えることがないので、対処しきれない部分は確かにあった。翌日、保護者から電話、

「今日は給食あります?」

「あります。どうもすみませんでした」

謝罪する側にわたしもいるわけだ。

「女将の危機」につづく。いや続けないっす。早くよくなって。ということで誕生日篇につづく

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売れるクルマ ほしいクルマPART1

2023-01-27 | うんちく・小ネタ

数字として、これだけは残しておこうかな。去年売れたクルマは

  ・1位:トヨタ「ヤリス」(16万8557台)

 ・2位:トヨタ「カローラ」(13万1548台)

 ・3位:日産「ノート」(11万113台)

 ・4位:トヨタ「ルーミー」(10万9236台)

 ・5位:トヨタ「ライズ」(8万3620台)

 ・6位:ホンダ「フリード」(7万9525台)

 ・7位:トヨタ「アクア」(7万2084台)

 ・8位:トヨタ「シエンタ」(6万8922台)

 ・9位:ホンダ「フィット」(6万271台)

 ・10位:トヨタ「アルファード」(6万225台)

いきなり異論が聞こえてくる。ほんとに一番売れてたのはHONDAのN-BOXでしょと。そのとおりなんだけど、軽のハイトワゴンの傍若無人ぶりが目に余るので(笑)、この集計は乗用車に限りました。頼むよ交通法規守ろうよ。近ごろ(わたしのまわりの)軽ハイトワゴンの運転はひどい。

まあそれはともかく、驚くべきことに、ヤリスもカローラも「クロス」名のSUVが売れ筋らしい。いや驚かなくてもいいか。うちの職員にもカローラクロスを買ったのがいて(すばらしいデザインだよね)、「初売りで買ったんだよ。でも納車が10月」どんだけ売れてんだ。あの値段であの装備、さすが国民車カローラか。

まあ、半導体云々で生産が追いつかないのは抜きにしても、ここに出てこないクルマがあるのにびっくり。もちろん、あのプリウスのことを言っている。

カローラにつづく国民車のはずのプリウスが、趣味性の高いデザインによって売れ行きが落ちたのはご承知のとおり。しかしそんなにひどい出来だったはずはない。ではなぜ現行のプリウスは売れなかったか。暴論を吐きます。え、ここに来てTOYOTAの社長退任?

以下次号

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「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」(2021 松竹)

2023-01-25 | 邦画

おお、前作よりもすべてにおいてパワーアップ。特に岡田准一のアクションには凄みすら。

彼と堤真一の対決となれば、「SP」「フライ・ダディ・フライ」以来ということだろうか。

松竹としてはきっちり10億以上稼いでくれるのだから、シリーズ化は必至だ。一作目とのいちばん大きな違いは、木村文乃の出番が減ったことだろうか(笑)

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「帝国の弔砲」 佐々木譲著 文藝春秋

2023-01-24 | ミステリ

抵抗都市」「偽装同盟」と同様に、日露戦争においてロシアが勝っていた世界を描く歴史改変もの。

ある秘密をかかえた男が、内縁の妻と静かに暮らしている。男へ、ある“指令”が届き、男は行動を開始する。彼は潜在的工作員、いわゆるスリーパーだったのだ。

男=小條(こじょう)に届いたのは、ある政治家を暗殺しろというものだった。なにごとかを察した妻は「いつかこんな日が来るんじゃないかと思っていた」と嘆く。

暗殺までのクールな展開と、小條の来し方を描くそれ以降ではまるで違う小説のようだ。この転調は計算されたものなんだろうか。

父親とともにシベリアに入植、鉄道技士となり、しかし徴兵されて最前線に送られ、そして革命が勃発する。

ありとあらゆる苦難が彼に襲いかかり、そして赤軍は……

苦難の連続だからこそ、ラストのツイストが効く。さすが佐々木譲。うまい。

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「水 本の小説」北村薫著 新潮社

2023-01-23 | 本と雑誌

小林信彦はなぜ難解か、を解説する橋本治のことを稀代の読書家である北村薫が語る……こんな贅沢な本はめずらしい。

博覧強記にもほどがある北村のブックガイドがこんなに面白かったのか。一気読みしました。すばらしい。

また、落語に造詣の深い北村が、初めて上方落語を、しかも桂米朝で聴いた衝撃を語っていてうれしい。そりゃ、驚くよな。

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どうする家康 第3回「三河平定戦」

2023-01-22 | 大河ドラマ

紀州 〔収録〕昭和56年12月22日 東邦生命ホール

第2回「兎と狼」はこちら

家康が今川と織田のどちらをとるか(とられるか)というお話。桶狭間で今川義元(さすがにまた出てきてくれましたね野村萬斎)が討たれたとしても、その子である今川氏真(溝端淳平)がいる。家康は彼に希望を託すが……

そりゃ、わかりますよね。子どもの頃にうさぎあつかいされた鬼神よりも、ちょっと手加減するぐらいのお兄ちゃんの方が家康としてはついて行こうという気になるはずだ。

ちょうど今村翔吾の「蹴れ、彦五郎」という、今川氏真をめぐるお話を読んだところなので、いろいろと考える。

自分が愚物だとまわりも自身も認める人物。だけれどもサッカーの才能だけは誰にも負けない。誰もが自分をあざけっていることを知っているから、信長の前で見せる蹴鞠のスーパープレイ。

静岡県の人たちが彼をどう評価しているかはよくわからないけれども、今川家はだから存続することになった。静岡はサッカー王国となった。関係ないのかな。

海道一の弓取り(意味がよくわからないんだけど)という圧倒的な存在がいても、一敗しただけで勢力図は変わってしまう。織田家も豊臣家もそうだった。徳川家康がその姿を見て何も考えなかったはずはない。

「ええと、徳川家康という人は考えましたね。だから次に誰が継ぐのかをちゃーんと考えてた。」

落語の「紀州」は金原亭馬生の名調子。御三家を用意していた以上に、秀忠を信用していなかったんでしょうね。

第4回「清洲でどうする!」につづく

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