第5回はこちら。
渋い一週間でした。ぎっくり腰はなかなか回復せず、身内の不幸もあり(腰の痛みに気づかれないように玄関口から棺を出す苦労はなかなか)、ああそれで思い出したのは森田芳光の「家族ゲーム」で、あの戸川純が
「このマンションに棺をどう入れればいいんでしょう」
と困惑していたシーン。日常への畏れをこれほどソリッドに描いて見せたシーンはなかったと思う。
っていうかわたしは物理的に腰が痛かったです。
そして、妻の母の死に落ち込んでいた。わたしと妻が初めて夫婦げんかをしたときに
「あ、それはいいことだね」
わたしの息子が不登校になったときも
「いいじゃないか学校行かなくても」
他にも度量の大きさを常に示した人だった。ううう。
あ、大河でしたね。今回は「偽板」という、つまりは海賊版をめぐるお話。大河の主人公が、一種の卑怯なふるまいをして悩む。そしてそれをあの鬼平が慰めるという、この時代ならではの展開。
版元たちのギルドにどう蔦重が入り込むか。わたしはよくわからないんだけど、現代ではそういうことはもうないんですか。新潮社の佐藤家や講談社の野間家が角川春樹をいじめたってことはないんですか(笑)。
わたしの知己に、野間家に書生に入っていた人がいて(どんな時代?)、五木寛之が大量の薔薇を野間家に届けてきたことがあったそうだ。「青春の門」の五木寛之って、そういうこともできる人だったんだ。