彼と彼女のソネット - 原田知世 (1987年) / T'en Va Pas - Tomoyo Harada (Japanese ver.)
Vol.25「専業主婦が許せない」は事務だよりバージョンです。
60代女性。娘はすでに独立しており、70代の夫と二人暮らしです。夫とのことを相談します。
大恋愛で結婚して45年。もうすっかり落ち着いた良い夫婦になったように思います。若い頃のような性生活はもうできませんが、最近はよく夫と話をしたり、孫のところに出かけたりして、とてもいい夫婦関係です。
それはそれで楽しいのですが、若い日の性生活を思い出して、とても寂しくなることがあります。愛する人とのそれはとても幸せで、女の幸せに何度涙したことでしょう。今はもう良い思い出だけです。
懐かしく、もうかなわないことなので、何だか切なくなります。今の幸せに満足しているのに、だだっ子みたいにないものを切なく思うのは変でしょうか。
心の持ちようを教えていただければと思います。(兵庫・R子)
……スヌーピーの便箋にこの相談は書かれていたそうだ。いいですなあ。つい「お幸せでけっこうですこと」なんて茶々をいれたくなりますが、こういうのだってけっこう深い悩みなんだと思う。
だってこの欄では、さっさと他の男と関係を結んだり、修羅場になってるパターンが多すぎる(笑)。あくまで、夫とのセックスを望んでいるあたり、えらいと思いますよR子さん。
60代とは微妙な年代なんだな。欲望をかかえながらも、夫にそれを伝えることに逡巡してしまうんだから。
わたしのことを棚上げして申し上げますよ。確かに日本はセックスレスな夫婦が多いことで有名なようです。しかし同時に、世界に冠たる長寿国でもあるので、老人ホームではその方面のトラブルが絶えないという噂も。お盛んな方々はお盛んなようです。
どうでしょう。45年前を思い出し、まずはキスから再開するというのは。つぎはB、そしてCと……うわああキーを叩きながら恥ずかしい。でも、ちょっと楽しそうだと思いませんか。そんなご夫婦を想像すると…………ああうらやましい。
あ、言ったろ。おれのことは訊くな。
Vol.27「いつもふたりで」につづく。
本日の1曲は原田知世。うん、夢見ている。大貫妙子バージョンもよろしく。