読売の読書欄でこの本の書評を尾崎世界観が書いていて驚いた。ちょうどこの本を面白そうだからと図書館から借りていたのだ。そして尾崎が言うように、そしてわたしが想像したように、とても面白い本なのでした。
わたしたちは映像で志ん生や文楽の芸を楽しむことができる。しかし、牡丹灯籠などの名作を明治期に連発した三遊亭圓朝の至芸を観ることはできない。
同じことが同時代の人たちにも言えて、寄席に行くことのできない地方の人たちに、当時売れまくったのが落語を速記して出版したシリーズだったという。
落語家の口調そのままに書いてあるのだから、もちろん口語体で記述されている。そして、それが言文一致運動につながるわけだ。
国語の授業では二葉亭四迷がその嚆矢だと教わったが、二葉亭もかなり悩んだのだとか。自分の知らないことがてんこ盛りになっていて、しかも櫻庭さんの文章も洒脱でけっこうでした。
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