第24回「種をまく人」はこちら。
第二部開始。んもう宮藤官九郎ファンはいきなりこう叫んだはずだ。
「ブッフォ!」
落語を現代のお話に引用し、だからこそてらいなくベタな話を語るこの手法って、そうですよあの「タイガー&ドラゴン」(TBS)じゃないですかっ!
もちろん志ん生を話の、いや噺の柱に持ってきたわけだから、あのドラマの変奏曲である可能性はもとから高かった。でも今回はすごかったですね。「三枚起請」や「子別れ」が長瀬智也や岡田准一のドラマにきちんとシンクロしていたように、「火焔太鼓」がまさかまさか体協の面々の前で札束を積み上げる展開に持っていくとは。
いや噺が、じゃなくて話が先走りすぎました。第二部の主人公は田畑政治。まず、大河ドラマの主人公が阿部サダヲであることの奇跡を喜ぼう。
「新選組!」で、八嶋智人と大倉孝二のツーショットが実現し、
「考えられるか。NHKの大河ドラマで、俺たちのツーショットだぞ……」
とふたりがしみじみした以上の衝撃。
そしてまたギャグを仕込む仕込む。そうなのか、わたしたちが見ていた第一部は、まだしも大河という枠に宮藤が遠慮していたんだと実感。いや逆かな、マイナーな人物を取り扱うからこそ大河的手法に拘泥していたのかと納得。
第二部は違う。河野一郎、緒方竹虎、高橋是清、前畑秀子といった超メジャーな登場人物がどっかんどっかん出てくるからこそ、むしろ自由にドラマを構築できるのだろう。そんなはずないって?いやいや枷があるときほど宮藤官九郎はその実力を発揮しますよ。光文誤報事件を令和元年にやるあたり、さすがだ(笑)
妻はきのうの朝にやっていた番宣を見ていたらしく、
「第二部はすごく『あまちゃん』らしいわよ」
と期待し、そして大笑いしていた。まあ、皆川猿時がプールにたたき落とされた時点でもう「あまちゃん」ですよね。そうです、今日から毎週日曜日は「タイガー&ドラゴン」と「あまちゃん」のハイブリッドが見れる。仙台から急いで帰ってきてよかった(笑)。
第26回「明日なき暴走」につづく。