事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言2011年2月号~ガチンコ

2011-02-28 | うんちく・小ネタ

192299d7d0216aec7c4c72acde5fe7c7cd2 2011年1月号「小指の思い出」はこちら

「相手にはたきはなしで、突っ張るだけ突っ張らして胸で受け止めて最終的には右を差して寄り切りか、すくい投げあたりがベストだと思いますよ~。」

大相撲の八百長問題は、この“国技”にとって朝青龍の殴打事件や野球賭博など比較にならないほどしんどい話ではある。なにしろメールという物証が出ちゃったからなあ。もちろん大相撲が常にガチンコ勝負をやっていると考えている人はいないと思うが(ガチンコ、という言葉があること自体がすごいではないか)、しかし八百長のやり口が、顔文字でも入っていそうなメールで打ち合わせられていたとは無粋な話。このあたりにもっとひねりがあれば八百長擁護論に走ってもよかったのに。

「朝から、某ボクシング映画もあるのに、こちらに来ていただいてありがとうございます」

「太平洋の奇跡」の初日舞台あいさつにおける山田孝之の発言。この週は「太平洋の奇跡」と「あしたのジョー」の封切りがぶつかり、「GANTZ」もからんで東宝がワンツースリーフィニッシュ。にしても、いかに竹野内豊人気があるといっても、「太平洋~」がトップをとるとは思わなかった。ひょっとしてどっかの宗教団体あたりが動員に協力してるのかとすら(現実には日テレが全面バックアップしたようだけどさ)。

「子供に関しては、引っ越したことでポケットモンスターというアニメが見られなくなって、三日三晩泣かれたことだけが、父親としてふがいなかったと思っています」

 例の“保安官”の発言。ポケモンぐらいお得意のYouTubeで見せてやれよ。

2011年3月号~「震災のあとに」につづく

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「北帰行」 佐々木譲著 角川書店

2011-02-27 | ミステリ

Kitakikohimg01 “日本の警察”シリーズで何度もお世話になっている佐々木譲の直木賞受賞後第一作。普通、北帰行と言えば東北か北海道だけど、いきなりロシアなのは北海道在住者らしいシャレがきいている。

復讐のために来日したロシア人ヒットウーマンと、堅気である旅行業者の道行き。

「ベッドで食事なんて、ハリウッド・スターみたいだわ」

「ロシアではしなかった?」

「ママは許してくれなかった」

「大人になってからは?」

「ベッドはそういうことをする場所じゃなくなった」

こんな小粋な会話があるかと思えば、敵役であるやくざの残虐性を強調するためか、わたしでもこれは余計じゃないかと思うようなシーンもあり、その調合の具合がどうも……

「ぴったりしよう」

というプロポーズは確かに素敵。でもそのためにある事情(バレバレです)をヒットウーマンに仕込むのはいかがなものか。さる筋から、抗議はこなかったっすか?
道警シリーズが少し“やわ”になってきたから、ノワール系に軸をうつした事情はわかるんだけど……

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ワインLOVERS

2011-02-24 | 食・レシピ

201102232024000_2 昨日のパーティは、「ワインLOVERS」という、ワイン好きの人たちが集まったもの。会場はホテルリッチ&ガーデン酒田。

1万円も払ってワインを飲みにくる客が酒田ではたしているものだか。と思っていたら200名来てた。おかげでホテルの駐車場は満杯なので近くの全農ビルに駐めるはめに。

わたしが何に驚いたかというと、小さな街で200名も集まっているのに、知り合いが(ホテルの職員をのぞけば)2名しかいなかったことだ。うわー、オレの知らない世界がここにあったんだなあ。いっしょに行った某校教員も

「知り合い、いないなー」

いかに学校とワインが縁遠いか(T_T)

でももうひとり、ウチの学校から連れて行った人妻ワイン通は最初からテンションが違った。退職したらワインでひと儲けする!とまで言い切る彼女はナンバリングしてある各国のワインを味わいつづける。

その結果、ワイン音痴なわれわれ男ふたりは、

「フランスの10番を飲みなさい!」

「イタリアの○○を飲みなさい!」

という彼女の指定に

「はーい」

としたがうのみ。

でも計算違いも。彼女はワインは赤しか飲まない人だったのである。オレは肉料理でも白を選択する人間なんだけどな。幸いにも同じテーブルに三川町でレストランをやっているシェフがいてくれたので、白の方もいろいろ教えてもらいました。

「ワインはね……量を飲めばいいって言う人もいるけど、やっぱりある程度のレベルのやつを飲んでほしいなあ。最初に口に含んだときと、喉を通りすぎていくときとの違いが、やっぱりいいワインにはあるんですよ」

ウチの人妻職員と彼のワイン評価がほぼいっしょ。なるほど目利きというのは違うものだ。いつも芋焼酎ばっかり飲んでいるけれど、ワインもたまにはいただいてみましょうかと(ちょっとだけ)思った夜。

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「怪獣人生  元祖ゴジラ俳優・中島春雄」 洋泉社

2011-02-22 | 邦画

51x3qauaml_sl500_aa300_ ゴジラ の初代スーツアクターが酒田市出身であることは、市民としてまことに誇らしい。中島の生まれたお肉屋さんのすき焼きは本当においしいのでぜひ。戦中に青年期を過ごしたわりに強靱な体力はきっとあのお肉と、日本海の豊かな海産物に支えられてたんでしょうし。でまた酒田出身の奥さんがキュートなんだ。

東宝怪獣映画を酒田港座で観て育ったファンとして誇らしいのは、中島がオヤジと呼んだ円谷英二への圧倒的な信頼(なぜか田中友幸プロデューサーへの言及はほとんどない)と、それゆえに過酷な撮影もなんなくこなしたあたり。マタンゴにまで入っていたとは知りませんでした。

彼の人生はまさしく東宝の、日本映画の盛衰とともにあったのであり、彼がその人生に充足していることは、はるかに年少ではあるにしろ、同じ酒田の映画ファンとしてうれしい。

それにしてもすごい本だ。写真だけでも圧倒的な資料価値。ここで語られているのは、「ゴジラ」という作品単体だけでなく、怪獣映画という愛すべきジャンルだけでもない。そしてもちろん東宝という、奇妙なジャンルの作品を生み出し続けてくれた会社のことだけでもないのだ。戦争をはさんで、ひとりの青年が職業人としてどれだけ誇り高くあったかという記録。ちょっと感動してしまいました。

にしても、中島(酒田)+本多猪四郎(鶴岡)+円谷(須賀川)という東北連合軍がゴジラをつくっていたとは……ん?旧幕府軍がなぜか江戸を攻めたってこと?(笑)

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「極私的メディア論」 森達也著 創出版

2011-02-21 | 本と雑誌

4904795075 視点が変われば世界は違う。メディアが単一の視点しか提示しなければ多様な世界は矮小化される。森達也「メディア論」の集大成。

講演会場で買いました(笑)。面白かった、と総括するのがはばかられるほど状況は劣悪。でも、それでもいたるところで森の話を聞こうという機会が用意され続けているあたりにホッとする。

あの講演会で得心した人たちが、どうか彼の本を買い続けてくれますように。彼の作品「A」は、酒田のTSUTAYAにも(少なくとも4年ぐらい前は)あったので観てね。

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続・意外なふたり~タイタニックとファンダンゴ

2011-02-20 | うんちく・小ネタ

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YouTube: It's for you - Pat Metheny & Lyle Mays from Fandango ('85)

「運の悪い男」はこちら

♯117 ジェームズ・キャメロン & スージー・エイミス

この二人は夫婦。キャメロンはともかく、誰だスージーは?って普通は思いますよね。彼女はわたしが“責任をとる”映画「ファンダンゴ」の主演女優。

彼女はこの映画で共演した、というかドラマの中でも結婚した設定になっているサム・ロバーズと離婚し、キャメロンと再婚している。このサム・ロバーズというのも係累のすごい人で、お父さんはジェイソン・ロバーズでお母さんはローレン・バコール。顔はどちらかというとお母さん似ですかね。

で、「ファンダンゴ」のことをネットでいじくりまわしているときに、なぜかスージーにはキャメロンの話がくっついてくる。調べてみたら「タイタニック」に彼女が出演したことが縁でふたりは結婚することになったのだとか。

彼女が「タイタニック」に出てたなんて不覚にも気づかなかった。どうやらケイト・ウィンスレットが演じた“あの女性”の孫娘……あ、気づかないか普通あれは。

キャメロンはゲイル・アン・ハード、キャスリン・ビグロー、リンダ・ハミルトンなど、計5回も結婚する多感な人(笑)なので、スージーのことを意識しないでいたのも無理ないっしょ。

さて、「ファンダンゴ」。映画に色気を見せ始めて、なーんだテレビ局がかめば全部ヒットするんじゃん!と映画をなめてたフジテレビに初めて辛酸をなめさせた大コケ映画。「タイタニック」とは興行上えらい差がついてしまった。主演がケビン・コスナーなのでメジャーな作品だと今なら誤解されそうだけど、当時はチンピラにしかすぎませんでした。

むかしつきあっていた彼女を友人にゆずり、みずからは徴兵忌避者として消えていく男がケビン・コスナー。

そして、彼らがみずからの青春の証明としてファンダンゴ(バカ騒ぎ)の果てに結婚式をやりとげるだけのお話。はっきり言って思いっきりいい気な映画です。

ん。いま観ても泣ける。就職したての頃、酒田の港座中劇場でたったひとりの観客として観たときはそれどころではなくて、流れた涙が首でたまってました(笑)いい気なもんだオレも。

宗教者として生きていくことを決めているデブがまたいい味を出していて、彼の言葉がこの作品のテーマでもあります。

「いい人生を」

まさかYouTubeでパット・メセニーのテーマソング「It's For You」がらみであの感涙ラストがまるごとアップされてるとはっ!んで何がくやしいといってキャメロンも「ファンダンゴ」で涙したに決まっているのだ。あのやろー。

「帝大の首席」につづく

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「ニック・オブ・タイム」 Nick of Time (1995 パラマウント)

2011-02-19 | 洋画

Nickoftimeimg01 みんなー、ちゃんとおぼえろよー。このnick of time ってイディオムはなー、ギリギリセーフって意味だ。英語圏の連中はめちゃめちゃ使うぞ。テストにも出るぞ……出る、と思う。自信ない。

なんで“時間の刻み目”がこんな意味になるのかなー。まあいいや、あいつらの考えることはよくわかんない。え?いいじゃねーかオレも日本人だからよ。

で、十年以上も前のジョニー・デップ主演映画のタイトルでもあるわけだ。いやはやこれがよ、「真昼の決闘」なんかといっしょで、劇中の時間と作品の時間がシンクロしてるって仕掛けよ。センセイの世代だとマーシャ・メイソンが出てきただけで泣けるんだけどまあそれはともかく。

でもさ、これってまず無理なのよ。いいか、映画ってのは観てる客の感情をゆさぶるために、いろんなテクを使う。
あ、いちばんわかりやすい例が「巨人の星」かな。映画じゃねーけど。

あの30分番組で星雄飛馬は三球ぐらいしか投げないだろ平均。そんな感じでもドラマの流れが観客を納得させる。でも、そんな自由な時間フローを使わないってことは、よほどの自信がないとなー。ってことでそんな実験が娯楽映画で許されるのはジンネマンとヒッチコックぐらい。ジョン・バダムではちょっとしんどいわな。

なにぃ?「24」はどうなんですかってぇ?ったく近ごろのガキは扱いづらいなー。

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「のぼうの城」 和田竜著 小学館

2011-02-18 | 本と雑誌

E0033570_9505179 なぜ、ブームになったのか、わからないではない。大愚と大賢が同じに見えるというシチュエーションは、わたしだって大好きだし。特車二課のカミソリ後藤の例をひくまでもなく、上司としての一種の理想像だから。

ただ、この大愚がなにゆえに領民に愛されたのかをもうちょっとうまく語ってくれると……映画化では彼を誰が演じるのかな。え、野村萬斎?そりゃーちょっと期待しちゃうな。

利英が佐藤浩市でお姫様が榮倉奈々か。いちばんいい役を鈴木保奈美に提供するあたり、興行的にいい感じかも。

監督を犬童一心と樋口真嗣が共同であたるってのは、いったい誰のアイデアなんだろう。和田竜としては映画にするために書いたストーリーなんだから万々歳ではある。

にしてもあの水攻めはどうやんのかなあ。お金だいじょうぶか……そんな心配をさせるあたりが大愚のとりえでしょうか。

「の、のぼう……とか何とかいう映画をいま撮ってるんでしょ?ウチの生徒が原作の大ファンなのよ」

図書専門員のご注進。

「ってことは野村萬斎も鶴岡にいるってこと?」

時代劇だとみんな庄内映画村で撮るわけじゃないですー。

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明細書を見ろ!2011年2月号「内示」

2011-02-17 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2011年1月号「草葉の陰で……」はこちら
2月号は忙しいのでほとんど事務職員部報の使い回し。すいません。

広辞苑の説明を使うのは卑怯者のやり口だと批判されるかもしれませんが……

【内示】ない‐じ
(ナイシとも) 正式の通知・決定の前に、内々で示すこと。

 わたくしどもの業界では、内示とはもちろん人事異動内示のこと。この内示が、山形県は非常にかわった形態をとっていることをごぞんじでしょうか。

この県では、人事異動内示は3月17日~24日のいずれかの時点で行われてきました(県議会の都合によると考えられています)。興味があったので北海道東北の事務職員に、人事異動内示はどうなっているか直接質問したことがあります。その結果……

北海道……3月15日

青森………3月23日ごろ

岩手………前は3月10日ごろだったが、今は遅れ気味で3月15日

秋田………3月19、20日の終業式ごろ

宮城………行政は3月10日、教員はちょっと遅れて3月13日前後

福島………3月8日

 そこそこで違うものです。どうやら北東北三県はいろいろな部分が統一されつつあるのですが、それでもこれだけの違いがあります。全国を見わたせば、異動日の一ヶ月前の内示というところもあるぐらいです。
でも、もっと大きな問題があります。それは

【人事異動がどの段階で新聞に載るか】

青森………内示の二日後

岩手………ほぼ一週間後の3月21~22日

秋田………3、4日後の3月23、24日ごろ

宮城………ほぼ10日後の3月24日ごろ

福島………終業式の翌日。

 当たり前の話ですが、山形のように内示の翌日か、ヘタをすると当日の夕刊で新聞発表されてしまうところなんてどこにもありません。

こんな野蛮な風習が生まれた背景を考えてみましょう。
たとえば山○新聞は3月中旬に入ると一面で

【○形新聞は、××日に行われる教職員異動内示の内容を詳しくお届けする予定です】

と宣伝するのが常になっています。異動内示の日程が正式に現場におりてくる前に。

おまけに

【○○高の校長は××か△△に落ち着く模様】

なんて憶測記事が、誰が誰に向かってコメントしているのか知らないけれど毎年恒例のように載っていて、しかもこれがよく当たる(笑)。

この、マスコミと“山形県”の蜜月はいったい何でしょう。もう県民や県職員自身もそんなもんかなと慣らされてしまっていますが、異動内容は異動日に報ぜられるのが当然のはず。その後いろいろと変更もありうる異動内示を、ここまでデカデカと報ぜられたのでは「もう何を言っても虚しいだけ」という気分になってしまいます。いくらミスがあっても訂正記事が出たという話も聞きませんしね。広辞苑を読んでみろ、と言いたくもなります。  

第一、都会ではこんな報道は(例外もありますが)されません。要するに、野蛮である以上に田舎臭い風習なのです。

ところで、異動内示にどうして県議会がからむかですが、(あくまで噂ですよ噂)県議会の閉会前に発表すると、県議たちが「オレらにだまって職員を異動させるつもりか」と県が怒られてしまうらしいのです。くどいようですが噂ですよ。

さて、それでは平成23年2月議会の日程はどうなっているかというと、あくまで見込みで、本日2月21日(月)から3月16日(水)まで。そして、まず幹部級と行政職が先に発表されます。ということは今年の内示は……。

2011年3月号「危険な話」につづく

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「写楽 仮名の悲劇」 梅原猛著 新潮社

2011-02-16 | 本と雑誌

8eca8ay わたしのまわりにも梅原史観のファンはいる。さぞや立派な学者なのであろう。でも、学者というのは自説を主張するために、ここまで自己喧伝につとめ、他説を罵倒しなければならないのだろうか。

わたしは島田荘司の「閉じた国の幻」のすばらしさのために写楽に興味をもってこの書を手にとったのだけれど、いやはやすごいのだ。たとえば、島田が一定の評価を与えている池田満寿夫の写楽=道化役者中村此蔵説には

「私は池田氏を版画家として尊敬しているが、この論証はとても認めがたい。もとよりこれは、池田氏の一時の遊びである。遊びとしては十分面白い。余りに遊びにこだわらない方が池田氏のためによいのではないかと私は思う」

ここまで言うかー。まあ、在野の研究者たちはもっと激烈なのだろうが。

にしても、梅原説の『あの人物』が写楽であるよりも、島田説の方が(なにしろあまりに突拍子もない)はるかに魅力的だし、浮世絵には『刷り』という段階があるのだから、某人物との類似の可能性はさけがたいあたり、梅原説はやはり無理筋だろうなと愚考します(低姿勢)。

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