2011年1月号「草葉の陰で……」はこちら。
2月号は忙しいのでほとんど事務職員部報の使い回し。すいません。
広辞苑の説明を使うのは卑怯者のやり口だと批判されるかもしれませんが……
【内示】ない‐じ
(ナイシとも) 正式の通知・決定の前に、内々で示すこと。
わたくしどもの業界では、内示とはもちろん人事異動内示のこと。この内示が、山形県は非常にかわった形態をとっていることをごぞんじでしょうか。
この県では、人事異動内示は3月17日~24日のいずれかの時点で行われてきました(県議会の都合によると考えられています)。興味があったので北海道東北の事務職員に、人事異動内示はどうなっているか直接質問したことがあります。その結果……
北海道……3月15日
青森………3月23日ごろ
岩手………前は3月10日ごろだったが、今は遅れ気味で3月15日
秋田………3月19、20日の終業式ごろ
宮城………行政は3月10日、教員はちょっと遅れて3月13日前後
福島………3月8日
そこそこで違うものです。どうやら北東北三県はいろいろな部分が統一されつつあるのですが、それでもこれだけの違いがあります。全国を見わたせば、異動日の一ヶ月前の内示というところもあるぐらいです。
でも、もっと大きな問題があります。それは
【人事異動がどの段階で新聞に載るか】
青森………内示の二日後
岩手………ほぼ一週間後の3月21~22日
秋田………3、4日後の3月23、24日ごろ
宮城………ほぼ10日後の3月24日ごろ
福島………終業式の翌日。
当たり前の話ですが、山形のように内示の翌日か、ヘタをすると当日の夕刊で新聞発表されてしまうところなんてどこにもありません。
こんな野蛮な風習が生まれた背景を考えてみましょう。
たとえば山○新聞は3月中旬に入ると一面で
【○形新聞は、××日に行われる教職員異動内示の内容を詳しくお届けする予定です】
と宣伝するのが常になっています。異動内示の日程が正式に現場におりてくる前に。
おまけに
【○○高の校長は××か△△に落ち着く模様】
なんて憶測記事が、誰が誰に向かってコメントしているのか知らないけれど毎年恒例のように載っていて、しかもこれがよく当たる(笑)。
この、マスコミと“山形県”の蜜月はいったい何でしょう。もう県民や県職員自身もそんなもんかなと慣らされてしまっていますが、異動内容は異動日に報ぜられるのが当然のはず。その後いろいろと変更もありうる異動内示を、ここまでデカデカと報ぜられたのでは「もう何を言っても虚しいだけ」という気分になってしまいます。いくらミスがあっても訂正記事が出たという話も聞きませんしね。広辞苑を読んでみろ、と言いたくもなります。
第一、都会ではこんな報道は(例外もありますが)されません。要するに、野蛮である以上に田舎臭い風習なのです。
ところで、異動内示にどうして県議会がからむかですが、(あくまで噂ですよ噂)県議会の閉会前に発表すると、県議たちが「オレらにだまって職員を異動させるつもりか」と県が怒られてしまうらしいのです。くどいようですが噂ですよ。
さて、それでは平成23年2月議会の日程はどうなっているかというと、あくまで見込みで、本日2月21日(月)から3月16日(水)まで。そして、まず幹部級と行政職が先に発表されます。ということは今年の内示は……。
2011年3月号「危険な話」につづく。