2012年2月号~Don't Leave Me Alone はこちら。
「疑惑があれば議会で質疑するのが私の仕事。間違ったことはしていない」
大阪市交通局の非常勤職員が、大阪市長選における平松前市長を支援する労組名義のリストを捏造し、それをもとに市議会で質問をした杉村市議の発言。
誰でもが民主党の永田議員(のちに自殺)が関与した偽メール事件を思い起こしたはず。当時の民主党代表は前原(のちに辞任)。なんか毎月この人が登場してもうしわけない。
あの事件であらわになったのは、なんらかの動機をもって政治家にリークする人物が非常に多いということと、意外に簡単に政治家もその罠にはまってしまうということだった。
今回の事例も似たような経緯をたどるだろうか。開き直ったような市議の発言に、誰だか知らないけれど、維新の会を背後からプッシュしているサイドは苦い思いでいるだろう。
にしても、山形に住むわたしにとって、橋下大阪市長、松井大阪府知事以外の維新の会のメンバーが前面に出てきたことはめでたい。これまでがあまりに不自然でしたからね。
さて、まわりを攻撃することで支持を集めてきた維新の会が、自らへの批判にどう対処するか。彼らの性根がためされる。
「新聞やテレビで報道され、みんなが信じるようになったことについて疑問を呈し、再検証する。これも新聞の大事な仕事です」
朝日新聞に載った池上彰氏の「新聞ななめ読み」は秀逸な記事だった。民間事故調が2月末に出した報告書について、三大紙はいっせいに菅首相の細かい指示を批判。
わたしもちょっと不思議な思いでその記事を読んでいた。だって下の方には前首相がきわめて冷静なコメントを寄せていて、報告書に怒っているふうでもない。
つまり報告書をよく読めば、首相が細かい指示を出さなければならないほど技術者は自失していたわけで、ひとり東京新聞だけがそのことを再検証し、指摘したのである。
書いていないけれど、読者の側も“いっせいに報じられ”たことの真偽を、冷静に見極められるようになってくれと池上さんは主張しているようだ。読者として、そう受け取りました。
2012年4月号~チョー雑。につづく。