事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の訃報2024年2月号 ケルビン・キプタム 24歳没

2024-02-29 | スポーツ

[MV] サンプラザ中野くん「Runner (平成30年 Ver.)」〔フルver.〕

小澤征爾篇はこちら

ケニアのマラソンランナー。というか現在の世界記録保持者が交通事故で。え、2時間0分35秒?いまのマラソンはとんでもないことになっているんだなあ。4月のロッテルダムでは2時間を切るのではないかと期待されていたのに。

にしても、マラソンランナーってやけに交通事故に遭ってないですか。ローマと東京でオリンピック二連覇を達成したアベベもそうだし、大会中の接触とかもよく聞く。競技の特性上しかたのないことかもしれないが、因果な話ではある。

わたしがいちばん印象深かったマラソンは極寒のなかで行われた東京国際マラソン。最初から突っ走った中山竹通が優勝した後に

「これってマラソンじゃないですから」

とかましたのがうれしかった。

本日の1曲は爆風スランプの「ランナー」

ひどく暑かった日の夕立

ってフレーズが素晴らしかった。

山本陽子篇につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月の訃報2024年2月号PART1 小澤征爾 88歳没

2024-02-27 | 音楽

ベートーヴェン 交響曲第七番 小澤征爾 1975ライブ

2024年1月号中村メイコ篇はこちら

世界の小澤の死去は、もちろんビッグニュース。クラシックに暗いわたしですら驚いた。でもさすがにわたしのiPodにはサイトウ・キネンは入っているし、代表曲のベートーヴェンの7番もちゃんとあります。

しかしそれ以上に彼のファミリーがとんでもないのは有名だ。長男の小澤征悦は、それまでいろいろあったけれども(笑)NHKの桑子真帆アナウンサーと結婚。元フリッパーズ・ギターという説明もいらない小沢健二は甥っ子。どんなお葬式になるんだろう。

にしても、それが全てではないにしても。血ってなんだろう。

ケルビン・キプタム篇につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

光る君へ 第8回「招かれざる者」

2024-02-26 | 大河ドラマ

第7回「おかしきことこそ」はこちら

この三連休も娯楽をむさぼった。

このミステリーがすごい!!の海外篇第1位のS.A.コスビー「頬に哀しみを刻め」の暴力描写にたまげ、垣根涼介の「極楽征夷大将軍」に苦労し(とにかく長い作品なんですよ)、DVDでスコセッシの「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(これも長いんだ)、ごひいき金子茂樹脚本の「もみけして冬」、そしていちばん素晴らしかったのはNHKドラマ「64 ロクヨン」だった。一気に観た。

もちろん映画版はすでに見ているし、横山秀夫の原作も読了済み。でもドラマ版がいちばんよかったかも。もっとも、ドラマ開始とほぼ同時にピエール瀧、永山絢斗、新井浩文の3人がそろった画には爆笑してしまいましたが。みんな早く帰ってきてね。

さてそのドラマで、非常に重要な役を演じたのが段田安則。7日間しかない昭和64年に娘を誘拐され、期待もむなしく死体で見つかってしまう。そして彼は……な展開。

しかし「光る君へ」において段田安則は、悲壮感なく勢力争いにまい進する藤原兼家役。右大臣家と左大臣家が天皇をめぐって、なスタイルはわかりやすい。

兼家と三人の息子が登場すると妻は

「死ぬのよ、この人」

と、ある人物を指さす。まだ死亡フラッグも立っていないのに断言。まあ、そうしないと道長の将来が……

「招かれざる者」というタイトルにこめた意味は、貴族の傲慢さを象徴したものだろう。

貴族と平民の間にある深い谷はもちろん、貴族のなかでもその立ち位置で待遇が変わるあたりの露骨さ。紫式部はそこに意識的にならざるをえない。なるほど。

ちなみに、この回もBSでは受信できませんでした。どうしてだろう。受信相談しなきゃ。この時代に?

第9回「遠くの国」につづく

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

月ふたたび

2024-02-22 | 邦画

PART1はこちら

お察しのように、障がい者を殺しまくるのはさとくんだ。こころ優しい彼は、入所者のために紙芝居を演じてみせる。そんなことをしているのでむしろ同僚からハブられる。でも彼の紙芝居は「花咲か爺さん」だ。彼はこう問いかける。

「いじわる爺さんが見つけた“汚いもの”ってなんだろう?」

誰もが障がい者を汚いもので、見ないようにしているではないかと。この施設が森の中にあるのは、世間が障がい者を見ないようにしているためだと指摘する。

そして、彼らが“有益ではない”から抹殺するべきだと心のなかでジャンプし、鉈などの殺傷道具を心穏やかに準備する。目標は260人。そのために彼は身体を鍛える。

洋子(宮沢りえ)は、自分にもそんな障がい者を忌避する側面があったのではないかとおびえながら、しかし彼に反論する。生きることの意味を、障がいを持った子を失ったオダギリジョーと自分だから理解できると。

スーパーで、割引のシールが貼られている商品を買うシーンに代表されるように、この夫婦は経済的に苦しい。彼ら夫婦は、再生の過程を回転寿司で、しかも一番安いネタのタマゴで実感する。そしてそこではテレビで残虐な事件が起こっていることが報じられている。天国と地獄の共存。その境目はあやふやだ。

「政治家の人たちはちゃんとやってくれています」とさとくんに言わせるように、殺人者は一種の陰謀論にからめとられているようにも描いている。同性愛者には生産性がないとかました政治家がいたように。

しかしそこを突き抜けてこの映画はすばらしい。

施設の職員であることから、宮沢りえはノーメイクに近い形で演じている。妻と離れたのでいつものように一番前で観たわたしは、彼女の小じわまで観ることができる。そしてその上でなお、彼女の凄艶さを感じ取ることができた。

ああ、大女優になっていくんだな宮沢りえは。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「月」(2023 スターサンズ)

2024-02-21 | 邦画

「映画見に行こう、月」

「それ、どんな映画なの?」

「障害者施設の職員が、入所者を殺しまくるという」

妻は気が進まないみたい。鶴岡まちなかキネマの駐車場で、たまたまいっしょになった知り合い姉弟がやってきて

「じゃ、こっち観ましょう?」と「おーい、どんちゃん」をすすめる。

「あたしこっち」

妻を拉致されてしまいました(笑)。

「伍長、んで月は」

……見終わって駐車場で待ち合わせた妻は「どんちゃんってすばらしい映画だったわー。心が洗われたもの。そっちは?」

深い森の中にある障害者施設。デビュー作が評判になった過去をもつ作家の洋子(宮沢りえ)は、ある理由で書けなくなっていて、その施設に就職する。彼女の通勤する道には蛇などの不吉な生物が蠢いている。

職場は壮絶なものだった。障害者の行動は想像を超えており、職員はそれに虐待で応える。

同僚である陽子(二階堂ふみ)は小説家をめざしているが、自分の才能に絶望している。同じヨーコという名の作家に、「きれいごとを書いてたわけじゃないですか!」と指摘するが、確かに洋子が書けなくなったのはそのせいだったのだ。

この職場がおかしいと指摘した職員がもうひとりいる。絵の上手な、さとくん(磯村勇斗)だ。しかし彼は同僚たちから余計なサービスをするなと批判され……以下次号

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明細書を見ろ!2024年2月号「寒冷地手当」

2024-02-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

S47 喝采 (ちあきなおみ)

2024年1月号「眼を開く」はこちら

世の中には知らないほうが幸せなこともあります。いっぱいあります。若い職員はそんなものの存在は知らないほうがいいのはわかっていますが、十年に一度の見直しの時期が近づいているので、お伝えしないわけにはいきません。それは、寒冷地手当というものです。

これは、別名「薪炭(しんたん)手当」と呼ばれたことからもおわかりのように(わかんないわな)、寒い地域に居住する職員への寒冷対策で設定されたものです。夏のお安いうちに薪や炭を買いなさいということで、昔は8月10日が支給日でした。

「いったいどうして夏休みの真っ最中にわざわざ登校日なんてものがあって、『宿題ちゃんとやってるか』って説教されるんだろう」と思った人もいたでしょうが、何のことはない、センセイたちはその日しっかりとお金をもらっていたのです。

そんなもの見たことも聞いたこともない、という職員も多いでしょう。だって2004年度から庄内地方のほとんどが支給地域から外されてしまったからです。

今はどの程度の額かというと、11月から3月まで

・扶養親族がいる世帯主……月額17800円

・扶養親族がいない世帯主…月額10200円

・その他………………………月額 7360円

つまり、内陸地方の職員は給料に5ヶ月間これだけ上乗せされているのです。ほら、知らないほうがよかったでしょう?

この手当については、先ほども言ったように十年に一度見直されます。それはなぜかというと、気象庁がメッシュ平年値なるものを発表するからです。その地域が本当に寒冷地なのかをその数字をもとに判断する建前。

アメダスの気象データによる過去30年間の気温・降雪量の調査にくわえて、家計調査なども行われた過去があります。そして、結果として庄内地方は寒冷地ではないと判断されたわけ。

ということで、内陸の職員にわたしは

「いいか、庄内の職員に寒冷地手当の話をするんじゃないぞ」

と脅しています。心の中では「日本のウエストコーストだからしょうがないか」と自分を慰めているのですが。

実は労働組合は、庄内地域への寒冷地手当の支給を求めているのですが、当局は「なかなかいい材料が見つからない」と回答しています。

でも、どうしても寒冷地手当を受け取りたい!とすれば、小中学校職員にはまだ抜け道が。

「鼠ヶ関小」

「櫛引南小」

「あさひ小」

「朝日中」

「温海中」

「田沢小」

のいずれかに勤務し、かつおおむねこの学校から1キロ以内に住めばいいのです(公署指定という制度)。しかしこの条件はいかにもハードルが高い。この条件を緩和してもらうのが、何よりも先決のような気がします。

本日の1曲は、今日のマツコ・デラックスの番組でJUJUが紹介してくれた昭和歌謡の名曲「喝采」

何に驚いたといって、中条きよしとか奥村チヨとか藤圭子(すんげー美人)、昭和歌謡の歌い手がほとんど20代だったこと。そういう時代だったんだ昭和って。

2024年4月号「今年の給料袋は……」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

光る君へ 第7回 おかしきことこそ

2024-02-19 | 大河ドラマ

受信相談 OP

第6回「二人の才女」はこちら

この8年で15㎏も減量できたのはめでたいのだけれど、持久力が絶望的なまでに落ちている。昨日はお寺さんの柿の木を剪定してへとへと。

昨日は宮沢りえの「月」を観てへとへと。精神的にも根性がなくなっている。まあ、あの壮絶な殺人劇を見て気分爽快になれる人はそうはいないはず。

さて、そんなダブルへとへと状態のわたしでも、「光る君へ」はちゃんと見ています。

っていうか、昨日はBS1がなぜか映らなかったんですよ。民放はだいじょうぶだったのに。わたし、誰も知らないでしょうけど、その昔に4時5分からNHKで放送されていた「受診相談」のテーマをずっと歌っていました。

「♪4時5分 4時5分 楽しくテレビを観るために♪」戦後だったんだなあ。

今回は紫式部の脚本家デビューのお話。物語ることが彼女の業のようなものであることがわかる。
しかも、題材は右大臣家をモデルにしたもの。おかげで検非違使に追われるはめになる。

庶民に評判になるくらいの筆力があり、しかも高貴な人々の暮らしネタがうけるであろうことも理解しているプロヂューサー体質……源氏物語へ至る道はすでに予定されているようだ。

道長とまひろの関係が恋愛ドラマの王道(あとは壁ドンぐらいしか手はない)、若者たちが打毬なるポロそのまんま(貴族たちがえり付きのシャツを着ていないのが不思議なくらいだ)のスポーツに熱中し、女性ファンがキャーキャーいう展開まで(そしてそのスポーツマンたち=現代の貴族に相当する、の本音はひどい)

恋愛ものはまかせとけ、とばかりに大石静脚本ははずんでおります。しかしこのあと、へとへとなわたしは気を失ってしまい、「さよならマエストロ」を完全に見逃してしまったのでした。持久力の問題である以上に、加齢で早寝になっているだけかな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「地上最大の脱出作戦」What Did You Do in the War, Daddy?(1966 ユナイト)

2024-02-18 | 洋画

YouTubeで三谷幸喜が絶賛していたのでディスカス。監督ブレイク・エドワーズ、主演ジェームズ・コバーン。音楽ヘンリー・マンシーニという豪華布陣。しかも脚本は「エクソシスト」のウイリアム・ピーター・ブラッティである。

大戦末期のシシリー島の小さな村。米軍もいっぱいいっぱいでその村に向かうのは疲れ果てたC中隊しかない。歴戦の強者であるクリスチャン少尉はイタリア兵たちに投降をすすめるが、この村の祭りが終わってからという条件を飲む。

でも一応戦闘は行っているふりをしなければならず……なりすましパターンは確かに三谷幸喜が大好きなところだけど、あんまり笑えないんだよね。そういえば、ブレイク・エドワーズの映画で大笑いしたことってないなあ(ピンクパンサーも含めて)。

「パパは戦争で何をやってたの?」という原題は最高ですが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「美と破壊の女優 京マチ子」北村匡平著 筑摩選書

2024-02-16 | 芸能ネタ

「羅生門」「偽れる盛装」「雨月物語」「地獄門」……京マチ子主演作品の数々。世界的にも評価が高く、彼女が大女優であることは疑いない。でもこの評伝を読んで、自分が彼女のことをあまりにも知らなかったことに驚く。

彼女は結婚したことがあるんだろうか。

彼女はどんな男性と(あるいは女性と)つきあっていたのか。

ほら、あなたも知らないでしょう?原節子であれば、謎に包まれていることで神格化されたが、京マチ子の場合はそんなふうでもない。

若いころは、当時としては大柄で、肉感的な肢体と美貌でヴァンプ(毒婦)女優と呼ばれていたのが、前述の名作群によって評価は一変。演技派としても知られるようになった。

わたしがリアルタイムで彼女の作品を観たのは「金環蝕」以降でしかない。「華麗なる一族」も後追い。あの、万俵家の執事、というか家庭教師、はっきり言えば愛人役はすごかった。

市川崑が角川春樹と組んだ「犬神家の一族」において、松子役のファーストチョイスは京マチ子だったことを初めて知った(実際には高峰三枝子が演じた。のちに古谷一行が金田一を演じたテレビドラマでは松子を京マチ子が演じています)。

この書で特に強調されているのは、眉によって印象を操作するテクニックに彼女が長けていたこと。なるほど、大女優というのはすごいものだな。若尾文子が復権したように、彼女も絶対に再評価されるはずだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ゴールデンカムイ」(2024 東宝)

2024-02-15 | 邦画

のっけから、二百三高地の激戦。兵士を消耗品のように犠牲にして、ようやく勝った日露戦争最大の、というか最悪の戦いだ。乃木希典という人物の軍才が……あ、やめておきましょう。神様にたてついてもいいことはなさそう。

その戦いで、主人公の杉元は顔に傷を負うなどするが、不思議と回復が速いので(なにかの伏線なのだろうか)不死身の杉元として名を馳せる……

大ベストセラーの原作コミックもアニメも見ていないのでえらいことは言えませんが、この映画、やたらに面白いですよね。公開から1ヶ月近くたつけれども、客席にはまだまだ多くの人たちがつめかけている。しかも男女とも、全年齢的に。これは強い。

「最初はどうなることかと思ったけど、玉木宏の頭から汁がたれてくるあたりから面白くなってきたわ」

うちの奥さんは変わってるなあ。

まあ、わたしは最初、あの敵役が玉木だとわからなくて、ようやく特徴的な声で気づいたくらい、壮絶なメイク。これは他のキャストにも言えて、井浦新だって最初はよくわかりませんでした。

土方歳三(舘ひろし)が箱館戦争を生き延びた設定なのもうれしい。木場克己の永倉新八とからむなど、渋い。

主役の山崎賢人は、アニメの実写化ならまかせとけとばかりに弾けている。実はけっこう暗いお話なのに、陽性な彼のおかげで画面がはずむ。「キングダム」と「ゴールデンカムイ」のどっちも主役というのはたいそうきついだろうと思いますが。

そしてこの映画をきっちり娯楽作として成功させたのは、脚本の黒岩勉のお手柄だと思います。ああこの人も「キングダム」とのかけもちか。これからご苦労様です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする