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YouTube: 終着駅~ターミナル~ Hi-Fi Set
2012年9月号「37円の不思議」はこちら。
裏面に『財形貯蓄の募集のお知らせ』という、いかにもお役所くさい文書を載せておきました。つまり財形貯蓄とはそういうものです……ではあまりにも無愛想なのでちょっと解説。この制度は「勤労者が事業主の協力を得て、賃金から毎月または賞与毎に定期的に天引きで行う貯蓄」のこと。
最大のメリットと言われてきた
「住宅財形、年金財形は(ある程度まで)利息が非課税」
よりも、なにしろ低金利の時代なので、事業主(わたしたちの場合は山形県)が金融機関への
「払い込みを代行する」
部分が大きくなっています。それのどこがメリットだって?歴史的経緯もからめて語らせていただきましょう。
この制度が山形県職員に適用されたのは平成元年から。一般財形が3口、年金と住宅がそれぞれ1口ですから、職員一人当たり5口加入することができます。当時、この枠をめぐって壮絶な金融機関バトルが展開されました。
だって銀行にとって、これはまことにおいしい制度です。払い込みを事業者が代行するわけですから、一度契約してしまえば、なにもしなくても毎月ほぼ自動的に銀行に金は転がりこんでくる。加えて解約や払い戻しはちょっとめんどくさいのでほとんど出金することなく積みあがる……いいことだらけです。
だから銀行員の勤務評定では財形の獲得はかなりポイントが高いといわれています。そのせいか、某銀行が募集期間のフライングまでして5口すべてを1000円で総取りし、他の銀行が入り込めないようにした事例があり問題化。
おかげで現在でも申込書には(銀行員が勝手に記入しないように)学校のコード印を使用するなどのハードルがもうけられているのです。
あ、言いたいのはそんなことではなかった。その当時、ひと月1000円で契約した財形はどうなったか。
金融機関によって利率が違うので一概にはいえませんが、元金だけでも250000円に膨れ上がっているのです。ここが重要。つまり、天引きされるので貯金していることをあまり職員が意識しないため、否応なしに金がたまっていくのです……つづきは10月の給料日に。
本日の一曲は、だいたい平成元年ごろの曲じゃなかったかとハイファイセット「終着駅(ターミナル)」離婚がテーマになっています。壊れた関係を「西陽のあたるホーム」と形容。名曲です。そういえば昔特集したことがあったっけ。
なんでも学校の振替休日に映画館に向かうのは、“飢えたライオンの檻に裸で飛び込むようなもの”とFacebookで指摘されたけど、まったくそのとおり。館内は中学生(だけじゃないけど)がいっぱいだ。うちの生徒がいなけりゃいいなあ……
「んちわっす!」
いたよ。こういうときはあいさつしなくていいんだよ。中年がこの映画を見るのはちょっと恥ずかしいんだから。
にしても平日なのにこの混みようはたいしたもの。なにしろ今年の洋画最大のヒットになるかもしれないというのだからおそれいる。
つまりあの「アベンジャーズ」や「アメイジング・スパイダーマン」よりも、そしてもちろん「ダークナイト・ライジング」よりもこのB級テイストのホラーが上を行っちゃいそうなのだ。ええええ?
このシリーズ、北米ではたいして稼げないのに、アジアでは、特に日本や台湾では大ヒットするのが常。アジア人のどこにゾンビ映画への共感が(笑)。
まあ、現実にはカプコンのゲームの浸透具合も影響しているんでしょう。それにしてもこの第五作はゲームそのもの。ステージをクリアするためにさまざまな武器が供され、そのステージも渋谷だのモスクワだのニューヨークだのと商売っ気ありあり。
はっきりとストーリーはどうでもいいです。決着のつけ方もそれはないでしょ、と。
でもやはりわたしもこの映画に興奮してしまった。下品なほどにあざとい3D。鍛え上げられただけでなく、ほのかにセクシーなミラ・ジョヴォビッチの肢体(旦那であるポール・W・S・アンダーソン監督が『どうだおれの女房はきれいだろ!』と強調)。またしても登場した中島美嘉がゾンビ化して……中学生の時代だったら鼻血を出していたかも。
なんにせよ、あと一作やってジョヴォビッチはアリス役を降りると言ってるけど、SONYと旦那がそれを許さないと思います。
PART1はこちら。
「新たなる希望」と、スターウォーズそのまんまのタイトルでもわかるように、最終作のテーマは“継承”のよう。和久と青島の関係がダースヴェイダーとルークだったように。
青島、室井、すみれの警察への想いがどう未来につながるのかはもちろん、スリーアミーゴス(北村総一朗、斉藤暁、小野武彦)が新スリーアミーゴス(ユースケ・サンタマリア、佐戸井けん太、小林すすむ)に受け継がれているのには笑った。
シリーズを通じて、わたしが最も感動したのは小野武彦が「わたしの部下の命をなんだと思っているんだ!」と激昂する(そしてすぐに反省する)シーンだったが、受け継いだ佐戸井けん太も、なかなか渋味をましていていい感じだった(小林すすむにはエンドロールでメッセージが)。
お若い観客にとっては単なる嫌なオヤジに見えるであろう警察庁長官役の津嘉山正種(つかやま まさね)って、わたしの世代にとってはNHK-FM「クロスオーバーイレブン」の渋いナレーターなのでおぼえておいてね。「ジェットストリーム」(TOKYO-FM、じゃなくてFM東京の頃)の城達也と双璧だったんだよ。そっちも知らないかあ。
肝心の事件については、実は穴も多い。事件関係者の親族は基本として捜査に参画できないはず。そのために某人物が捜査本部のメンバーにいなかったのは当然としても、ではなぜ……あわわネタバレ寸前。
そんな疑問点がありつつ、しかし見せる。15年分の重みで観客を圧倒するのだ。
隣で見ていたわたしの娘は号泣。映画の一作目と二作目で、青島とすみれがそれぞれ傷を負っている存在であることがここで活かされ、中年男もグッとくる。そうか、ほんとに終わっちゃうんだな、とさみしい。
お約束の室井の秋田弁、今回の「おずまげんな」は庄内人であるわたしにもおなじみの言葉。かっこつけるなよ、ぐらいの意。でも娘は理解できなかったようなので、もっとちゃんと庄内弁を継承しておくべきだったと反省されられました。それにしても、深津絵里は歳をとらないですねえっ!
15年間日本のショービジネスをひっぱったシリーズの完結編。異論がおありですか?でもね……
・トレンディドラマと刑事ドラマの融合に成功
・ネットを番宣に活用して成功した最初の作品
・日本の官僚システムの欠陥をあからさまにすると同時に、その補完まで担い
・大衆憎悪をこれだけ描きながらその大衆に支持され
・テレビ局が映画を作ることを“当然のこと”にして
・多くのコメディアンや新劇人に違うタイプの役を提供
・お台場というマイナーだった土地をフジテレビとともに観光地に押し上げ
・実写映画の到達点として170億の興収という目標を打ち立て
……えーともっとありますか。それほどに、「踊る大捜査線」という存在は大きかった。だからこそ、批判もされてきたし、わたしもいちゃもんつけてきました。
オープニングはまんま「なくもんか」。阿部サダヲのあの喜劇をそのまんまもってきたかと。あっちはハムカツ屋でこっちは唐揚げ屋だけどね。
「俊ちゃん」「すみれ」と呼び合う青島(織田裕二)と恩田(深津絵里)が、観客の『こうであってほしい二人』を体現していておかしい。
もちろん唐揚げ屋夫婦は捜査活動の一環。でも、逮捕のあとに「撤収!」と看板が取り外されるくだりは、おだやかな展開はこれで終わりですよという宣言。例によって寅さんパターンの幸福は血なまぐさい事件によって転調を余儀なくされる。
で、リズム&ポリスが派手に流れるタイトル。今までになくかっこいい。15年の歴史、そして今回の事件の背景にある場面を散りばめるので、この作品から「踊る」を見始める観客(いるはずです)への解説として見逃せない。
特に今回は音と編集にかなり凝っているし、最初の5分ぐらいは見逃しても……なんて考えちゃだめですよ。あああやっぱり一回で終わろうなんて考えたわたしが甘かった。以下次号。
白石さんの冷静さは健在。
東工大を離れ、全国の大学生協組合員を相手にするようになっても、自分が苦しかったことを起点に若い連中にアドバイスする姿勢はかわらない。
地口のギャグが多くなっているのは、5年分オヤジになっているからでしょうか。
おかえり。5ねんぶりの生協の白石さん 価格:¥ 1,155(税込) 発売日:2011-03-15 |
こんなに毎回泣かせてたのかよっ!
今さら「JIN-仁-」の1stシーズンをDVDで一気に見て、まずそのことに驚いた。村上もとかの原作マンガは未読なので、どの程度のアレンジがなされているかはわからないけれど(現代における恋人の存在はドラマオリジナルなんですって)、森下佳子の脚本がとにかく周到。タイムスリップした医師が幕末の動乱にまきこまれて……というとんでもな設定でありながら、登場人物たちが“生きている”ものだから絵空事に終わっていない。
恋人(中谷美紀)の手術に失敗し、少しニヒっちゃってる主人公南方仁(大沢たかお)。彼は優秀な医師ではあるけれども、江戸時代においては未来から来たことをのぞけば平凡な人物だ。だからこそ、狂言回しとして有効であり、超有名人たちがワサワサ登場するストーリーでも自然に受け入れられる。
坂本竜馬(内野聖陽)、勝海舟(小日向文世)、新門辰五郎(中村敦夫)、そして緒方洪庵(武田鉄矢)などが、仁の登場によって少しずつ影響を受け、また仁に影響を与える。特に、ヤマサ醤油の主人、浜口儀兵衛(石丸謙二郎)が
「あなたの器は、きっとそう大きくはない。しかし、とても美しいんでしょうなあ。それがゆえに周りの人間は、助けたい守りたいと思う。それが南方仁という器なのでしょう」
……かくしてペニシリンの量産が開始されるという展開はおみごとだ。
自らの平凡さに絶望している橘恭太郎を小出恵介が(かなり我慢したんだろう)静かに演じていい感じ。綾瀬はるかは、動きがトリッキー(物陰にかくれるときのステップとか)で、コメディエンヌとしての才能が並じゃないことがわかる。
忘れちゃいけないのが主役の大沢たかお。わたしはどうもこの人が苦手で
「どうしてそんなにダメなの?いい感じじゃない?」
と妻に指摘されても
「うーん。どうも主役の顔をしていないというか……」
でもこのドラマで見直した。しかも大学の後輩だったんじゃないか。応援するぞっ(笑)。
完結編につづく。
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YouTube: Michael Jackson - They Don't Care About Us (Official Prison Version)
ふうう。今年はなんだかんだ文句はつけたけど、やはり優勝はうれしい。
監督の原、主将の阿部、解説の山本浩二、江川、そして日テレのアナも、みんなちょっとずつ言いたいことを我慢していたしね。
近年、阿部慎之助ほど巨大な存在になったプレイヤーはいないはずで、だから彼が健在なうちは巨人の黄金時代は続きそう……はやはり甘い考えなのかな。
むしろ、好調を維持するために、主力を一定期間休ませた体制が驚異。
こんなの他の球団からすれば(特にヤクルトの小川にすれば)カリカリするような事態よね。
でも。でも短期決戦はどう転ぶかわからない。吉見のリタイアは巨人に朗報だけど、にしたって3連戦の帰趨はやはり勝負事だから……ということでCSは例によって全部見ます。で、素人ながらに語らせていただきましょう。そして、そしてそして今日はもう寝ます。ビール3000本の夢を見ながら。
本日の一曲は、マイケル・ジャクソンの「They Don't Care About Us」
この人の政治性は“余技”じゃなかったですよ。
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YouTube: Fever - Peggy Lee
2012年8月号「期限付であること3」はこちら。
○島小中学校のみなさんはいつも不思議に思っているのではないでしょうか。それは旅費。酒田~飛島間の船賃は往復で額面4080円。それなのにいつも微妙なはしたのついた支給額になっているのはなぜでしょう。
「消費税?」
まさか。ここに実は山形県の旅費における微妙な部分が隠れているのです。
本来、自家用車を利用して出張するなら、その距離に応じた旅費が支給されてしかるべきです。でも、出発地と用務地の二点間の距離を毎回毎回調べるのはとてもたいへんなので(いまはネットでなんとかなるとはいえ、そんなことを全てやっていたら事務職員が死ぬ)、旅費の規程には【基準地】という制度がもうけられています。まあ、大ざっぱにしているわけ。
酒田×中の基準地は【酒田市酒田】。市街地の学校はほぼこの基準地に存在します。
「オレは春から一銭も旅費をもらってないぞ!こんなに出張してるのに!」
とお嘆きの貴兄の場合は、同じ基準地の市街地にばかり行っているか、直行直帰がらみで旅費がゼロになっているのでしょう。
ものごとにはしかし例外というものはあって、県の旅費算定のために“県の機関が存在するところに別の基準地を設ける”場合があります。ですから、×中の学区にあり、距離もほとんどない日本海病院に行くと、あそこは【酒田市日本海病院】という基準地なので旅費が発生するのです。
つまり、酒田光陵高校に出張しても(ネットで測定したら5キロありました)旅費は出ないのに、日本海病院に行くと(1.3キロです)旅費が発生するという矛盾が生じているのです。これくらいで怒っているようでは地方公務員はやってられませんが。
さて、それでは1キロあたりいくらの旅費が出るのか。これが、タイトルにもなっている37円。○島の場合は【酒田市○島港】から【酒田市中村】の往復3キロが上乗せされるため、旅費に37円×3=111円という微妙なはしたがつくという次第なのです。お勉強になりましたね。
本日の一曲はペギー・リーの「Fever」このクールさはただごとじゃない。
2012年10月財形貯蓄号~財形貯蓄はおいしいか。につづく。
冒頭、主人公の安井算哲(岡田准一)が、絵馬に記された算術の奇問難問(出題者は関孝和)に挑むあたりの呼吸がいい。そのために彼は自らの職の本分である上覧碁(将軍に対局を見せる)に遅刻しそうになる。
くわえてその上覧碁において、本来は過去の名勝負の棋譜どおりに石を打たなければならないのに、ライバルの挑発にのって天元(盤のどまんなか)に碁石を打ち、叱責を受ける。
数学も、碁も、算哲にとっては宇宙の記号化であることがわかる。
その意をくんだ会津藩主(松本幸四郎)は、“たかが碁打ち”にすぎない算哲に帯刀を許し、日本全国で北極星の高度を測る北極出地を命じる。
算哲は人生でいつも遅刻している。出地が延びたために「一年後に帰ってきます」と約束した算術塾の娘えん(宮崎あおい)は嫁に行ってしまい、離縁されてもどってきた彼女に「三暦勝負に勝ったら」とリクエストするも予想をはずしてしまう。
彼はようやく嫁に迎えたえんに
「わたしより先に、死なないでください」
とさだまさし的なお願いをし、えんはその願いを……
人生の最後の最後に妻との約束の刻限を守った男の物語。岡田准一はもう少しテンションを下げた演技の方がよかった気もするかな。もっとも、製作にはジャニーズ事務所もかんでいるので勝負作だしね(藤島ジュリーが製作者のひとり)。宮崎あおいはすでに大女優の貫録。
笹野高史、岸部一徳、ど派手な衣装の中井貴一(水戸光圀って確かにそんな人のイメージ)などのオールスターが脇をかためていてすばらしい。特に、武藤敬司の出演はうれしかったな。相米慎二の「光る女」以来。あのお兄ちゃんがまさか全日本プロレス会長になるなんて、どんな天文学者でも予想できなかったはず。
滝田監督の気合いはオープニングのナレーションにも及んでいて
「どっかで聞いた声だなあ……あ、真田広之か?」
われながらご明察でした。