「鬼平犯科帳」を恥ずかしながら読んだことがないので、逢坂版長谷川平蔵の、まるでミッション・インポッシブルのイーサン・ハント、じゃなくて「スパイ大作戦」のフェルプスっぷり(微妙な差に気づいて)が池波版とどの程度の差があるかわからない。
あまり食事のシーンが出てこないのはむしろリスペクトなのだろうな。神保町のおいしい店に平蔵をおくわけにもいかないしね。かなりミステリの香気が強いので続編期待。
平蔵の首 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2012-03-13 |
「鬼平犯科帳」を恥ずかしながら読んだことがないので、逢坂版長谷川平蔵の、まるでミッション・インポッシブルのイーサン・ハント、じゃなくて「スパイ大作戦」のフェルプスっぷり(微妙な差に気づいて)が池波版とどの程度の差があるかわからない。
あまり食事のシーンが出てこないのはむしろリスペクトなのだろうな。神保町のおいしい店に平蔵をおくわけにもいかないしね。かなりミステリの香気が強いので続編期待。
平蔵の首 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2012-03-13 |
エピソード収集家その2はこちら。
♯123 田畑智子 & ムーディ勝山
このふたりは大阪の私立金光高校の同学年に。あまりの無関係ぶりがかえって笑える。この高校は有名人を多数輩出していて、中日の吉見、雨上がりの宮迫、関ジャニの村上などが卒業生。ふむふむ。
♯124 木村拓哉 & マツコ・デラックス
千葉の高校の同級生……嘘でしょう?嘘だと思う。嘘なんじゃないかな。嘘じゃないのかあ。にしても近ごろのマツコは「怒り新党」などのコメント芸が光り輝いているのと同時に、インサートカットで“ここでマツコが笑うんだ”と視聴者にだめ押しさせる装置としても機能している。つまり、真の意味で大物になったということだ。でもひきつづき石原慎太郎には噛みついていてほしい。
「作家が死ぬと時代が変わる」につづく。
火村シリーズ。ノベルズの王道アリバイトリックがメインの短編集。もちろんわたしはそっち系は苦手なので(ちゃんと時刻表を手元に読んでいる人もいるんだろうなあ)、どんな理屈を有栖川が持ち出すかだけに集中。そ、そうきたかあ。
日本の交通機関への絶対的な信頼がなければおよそ成立しないけれど、どうしてもミステリ作家としてこのジャンルに挑戦したくなるわけだ。ほっこり温かい気分に。やってることは殺人ですけど。
白い兎が逃げる (光文社文庫) 価格:¥ 680(税込) 発売日:2007-01-11 |
すべてのキャラ総立ち。これで長編を成立させるのだから本当にすごいと思う。
たとえば、子を捨ててぜいたくな暮らしをしている女を、ただの冷たい人でなしにはしていない。遠くにある柿の木の、てっぺんにある赤い実を求め続けるその姿勢に
「たいした女じゃねえか」
ともちあげ、小さな幸せを逃そうとしている男女と対比させ
「お前たちには根性が足りねえ」
と岡っ引きの政五郎に言わせてみせる。
そんななか、ひときわすばらしいのが主人公の平四郎だ。彼自身も事件にもまれるなかで渋く、そして人間として熟していく。宮部の発想のなかに60年代末のTBS「平四郎危機一発」があったとすれば、イメージキャストはやはり若き日の石坂浩二でしょうか。宝田明は違うよなー。
おまえさん(上) (講談社文庫) 価格:¥ 880(税込) 発売日:2011-09-22 |
「通過儀礼」はこちら。
台町を何の気なしに歩いていて、その存在を知らない人はたまげるのではないだろうか。巨大な仏像が出現するのだ。
高さ17m。とにかくでかい。金属製の立像としては日本一ですって。持地院に立つ酒田大仏ね。酒田の街を慈愛のまなざしで見つめる……と酒田の観光案内にはあるけれど、あまりにでかいので怖くって。
この寺が経営する若草幼稚園の卒園生や地元の人ならおなじみの光景だろうが、在郷に住む田舎者のわたしは全然知らなかった。
だから近くにある産院で長男が生まれ、とにかく大はやりな医院だったので医者の住居スペースである三階に妻は移された。で、窓から外を見て
「どわっ」
まじで驚いたという次第。のちに、ここの和尚さん本人から再建への苦労を聴くことになるとはまだ全然予想もしていなかった頃のお話でした。いやーびっくりしたっけなあ。
Vol.04「ロケ現場」につづく。
女優である小川真由美がいかにファナティックな人間であるかが延々とつづられる。常に宗教にはまり、若い男性を引き入れ、娘の人格を認めず、しかし女優のプライドだけは……。
彼女の性格の破綻ぶりは、日本アカデミー賞の授賞式で、プレゼンターなのに受賞者の大楠道代の名を読むことができなかったあたりで感じてはいた。あれ、忘れられないシーンでした。
ライバルである同世代の女優の名を(改姓したとはいえ)知らないはずがないから、一種の計算なのかなあと思っていたけれど、「他者を意識する必要を認めない」という意味で天然の行動だったのかもしれない、とこの告発の書を読んで気づいた。
それにしても読み続けるのが苦痛な本だった。確かに小川真由美は母親失格だろう。細川俊之も父親としての責任を放棄して小川真由美から逃げ出したのかもしれない。橋爪功とのセックスの音を娘がじっと聞いている図は哀れではある。
でも、だ。
四十才になってもまだこの娘は「壊れた母親の圧政下にある悲劇の王女様」なのだ。悪いのはみんな他人。わたしは悪くない悪くない悪くないという絶叫が全頁に展開されている。しんどいなあ。
彼女のような被害者がいまもいるかもしれないから、という理由でこの本が出版されたという理屈には確かに説得力がある。児童虐待をくりかえしたジョーン・クロフォードへの言及もちゃんとある。
でもね、お母さんが「積木くずし」の母親役をやったからいじめられた、「復讐するは我にあり」でベッドシーンがあったから(お風呂での、というのは彼女の誤解だろう。そっちは倍賞美津子だったから)いじめられた、などとくり返されるとうんざりしてくる。母親の側からの反論が聞きたいところだ。
サブタイトルからしても、この本がその「積木くずし~親と子の二百日戦争」の(経済的)成功にインスパイアされたものであることは確かだろう。しかし穂積隆信一家が、あの本のために、さらに深い不幸に追い込まれたのと同じ状況にならなければいいのだが……借金返せたらそれでいいのか?
ポイズン・ママ―母・小川真由美との40年戦争 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2012-03 |
パラグライダーの事故で首から下の自由を失った富豪と、彼を介護する貧乏で無作法な黒人青年。泣かせようと思えばいくらでもできそうだけれどそうはならない。
障がい者や人種差別をネタにきついジョークがゆきかうけれど、それが目的のコメディにもなっていない。お互いに友情を感じながら、決して依存し合わない節度が気持ちいい。
これが、ハリウッドや日本でリメイクされるとしたらどうだろう(実際、アメリカでは再映画化が決定したらしい)。キャスティングは簡単だ。富豪役はダスティン・ホフマンでしょ?なにしろオリジナルのフランソワ・クリュゼとそっくりですし。介護士はエディ・マーフィ。あまりにも年齢が高すぎますか(笑)。日本だと長瀬智也と佐藤浩市で決まり。
で、ハリウッドなら富豪が介護士の家庭の苦境をその財力をつかって(しかもこしゃくな手段で)解決するだろう。日本なら富豪の妻の死や、介護士の母との和解を思い切りうたいあげてお涙ちょうだいを狙うはず。フランス映画はそこを寸止め。さすがだ。
芸術を愛し、クラシックに造詣の深い富豪の前で、アース・ウィンド&ファイヤーの「ブギー・ワンダーランド」を介護士が踊る場面や、髭を剃るときに
「のどをかき切ってくれ」
と富豪がつぶやくシーンなどに、ハリウッド映画や日本映画に慣れた観客はどきりとする。しかしこの映画はラストシーンもふくめてさらりと流していく。
そんなあっさりした映画が、今週末でもう14億円もかせいでいる。東京国際映画祭グランプリという冠があったとしても(かえってアート系かと敬遠される危険性すらあった)、この大ヒットはどうしたことだろう。このペースだと「ダークナイト・ライジング」を抜いちゃうんじゃ。
ジョージ・ウィンストンかと思えるようなピアノ曲が基調音として流れ、観客は気持ちよく映画館を出ることができる。体調が悪かったわたしもすっかり元気になることができました。あ、大ヒットはこの現世利益のおかげかっ!
万城目学の原作とは鳥居とゲンズブールの性別がひっくりかえっている。その事情はよくわからないにしても、綾瀬はるかと岡田将生のキャラとよく合っていてナイスキャスティング。
会計検査院が小中学校に(教育委員会を経由せずに)いきなり入ることはまずないんだけど、監査のシーンには興味津々。
「みんな何もしゃべるな!回答は全部おれがやる」
という役人もいるいる確かに。で、自爆する人も確かにいます。しゃべっちゃいけないのはあんただってば。
映像化されたことで、大阪の秘密はやっぱりファンタジーだな、と苦笑させられる(やっぱりあのおしゃべりな大阪人が“あれ”を黙っていられるわけがないです)。しかしよく考えると実は日本国は大阪国と同じようなことをそれ以上に長く……あわわ危ない。
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YouTube: 「早筆右三郎」最終回オープニング
2012年10月号「財形貯蓄はおいしいかPART2」はこちら。
国の人事院勧告が出て、県の人事委員会勧告も。ほぼ決着したその内容は
・給料もボーナスも民間といっしょだから、今回は改定なし(二年連続)。
・現給補償については廃止が勧告されていたが……
・55才以上昇給停止の動きは現給補償とのからみもあるので……
と、今年はどうも穏やかな年末になりそう、と思ったら大間違い。実はわたしたちに大きく影響する事態が待ちかまえているのです。
◇退職手当
国家公務員の退職手当(つまり退職金です)が、民間よりも高いと判断されて(その額およそ402万円!)削減が予定されています。これが地方に波及するかどうかのいま瀬戸際。これはでかいですよ。
◆定年延長
昭和28年4月2日以降に生まれた人は、年金受給年齢が61才以上になるので、このままだと退職してから年金をもらうまで空白が生じます。平成26年3月31日以降、その人たちが継続して働くための手法でいま大もめ。素直に定年延長といくかどうか……
◇附加給付
まだ表ざたにはなっていませんが、公立学校共済組合の給付が見直されることになりそうです。医者にかかったときの自己負担額が上がるのではとか、結婚手当金が廃止されるのではないか(誰かさんはあぶないところでした)とか噂されているのです。詳細は来月に配布される「共済フォーラム」で。
本日の一曲は、おそらく「傷だらけの天使」とタメをはるかっこいいオープニング「早筆右三郎」。横尾忠則と深町純のコラボ!この部分を見るために水曜8時はNHK見てました。なんてこった。深町さんも亡くなっていたのか……
2012年12月ボーナス号~公立学校共済組合につづく。
えー、日教組東北ブロック事務研に参加してきました。会場は仙台。おもしろかったー。
それはともかく私事旅行届に「仙台」と書いているのに
「国分町?」
と指摘されるあたりは日ごろの生活態度が
お勉強をしに行っているけどやはり牛タンは無視できません!閉会後にいきなりスマホで音声検索。
「ぎゅうたん せんだい」
やはり超有名店「利久」が上に来る。いちばん近いのは市役所前店みたい。今度はナビ機能を使う。
「りきゅう しやくしょまえ」
ほんとにスマホって便利ねえ。
土曜のお昼、官庁街なのに店の前には行列。ギブアップした参加者たちもいたけど、酒田のわれわれは突撃。二十分ぐらい待って入店。オーダーは初志貫徹で「牛たん定食」1200円プラスとろろトッピング100円。
ううううおいしい。利久ってこんなにおいしかったっけぇ?麦飯ととろろ、そしてスープの相性もぴったり。
「利久っていたるところにあるよな。全部で何店舗ぐらいあるんだろ」
とつぶやいたら、お店のお姉ちゃんが
「三十ぐらいあるんですよ。東京にもあるし、大阪にも。今年は福岡にも出店するんです!」
おー。伸びゆく利久。拡大路線全開っすか。従業員が利久ではたらくことがうれしくて仕方がない感じもしたので、この路線正解と推察します。
そば街道「七兵衛」につづく。