2015年9月号PART2「西日暮里壁新聞アゲイン」はこちら。
「期待は裏切るな、予想は超えろ」
ほぼ日刊イトイ新聞の人気企画「連ドラチェック」は、スタッフのあやや、イラストレーターの荒井清和、そして脚本家の森下佳子がそのシーズンの連ドラを語り明かすというもの。
わたしはもうテレビっ子ではないので、ドラマをワンクール見るという習慣は失っているのに、この企画だけは毎回楽しみにしている。
その、座談のなかで出てきた森下のことば。柴咲コウの「○○妻」のエンディングがきつかったという話の流れで。このドラマを書いたのは森下の師匠筋にあたる遊川和彦なので、援護する形になっている。
森下の次の仕事は大河ドラマ。「瑠璃の島」「ごちそうさん」「天皇の料理番」とキャリアを積み重ねてきた彼女にとっては遅いくらいの登板だ。
まあ、低迷していた大河なのに、そのすぐあとに始まる「JIN –仁-」(TBS)で大ヒットをとばされたNHKとしては、そうやすやすとオファーはできなかったというところだろうか。題材は「おんな城主 直虎」主演はその柴咲コウ……ちょっと不安も(笑)。予想を超えてほしいなあ。
「他人を傷つけることばを平気で吐く人がいます。そして、当人はたいていそのことに無自覚……と書くと、みんな、その通りと思うでしょう。どうしてそんなことができるのか、って。実は、ほとんどの人がそうやって、他人を傷つけています。わたしだって、例外じゃありません。自分のことばが、どんなふうに受けとられ、他人を傷つけているのか、気づかない。誰もが他人を傷つける。ただ、そのことを知っているか、知らないか、の違いがあるだけです。」
毎日新聞の人生相談に寄せられた「母の言葉に傷ついている」という五十代の女性への高橋源一郎の回答。まさしく、まさしくと納得。わたしも多くの人を傷つけて生きています。そしてあなたも。
2015年11月号「主計局のルール」につづく。