その1はこちら。
大村益次郎が学んだ適塾関係では、なんといっても緒方洪庵を演じた宇野重吉!これはもう圧倒的。洪庵といえば重吉。もう他の人たちには演じてほしくないくらい(笑)。舞台人である彼のナマ姿を、田舎の高校生は知るはずもなかったけれども、映画「金環蝕」のフィクサー役、「男はつらいよ」の最高作と勝手に断定している「夕焼け小焼け」の老画家役など、ガキですら凄みを感じてましたからね。あ、息子の寺尾聰も塾生で出ていたのか。
佐久間象山には南原宏治。傲然とした感じで刷りこまれました。だから「八重の桜」で奥田瑛二がふんぞり返って佐久間を演じたのはとても納得できましたよ。
土佐藩では坂本龍馬が夏八木勲だったんだけど、妻のお竜を演じたのは島本須美。よけいなことながら、二年後に彼女は「ルパン三世 カリオストロの城」でクラリスの声をやることになります。可憐だ……。
長岡藩では河井継之助が高橋英樹。この大河の出演が契機になったのか、彼は長岡の越後米菓のCMに長く出演。会社の式典とかにも出席するそう。
女優陣では大村益次郎の妻に加賀まりこ、オランダおいねとして知られる楠本イネに浅丘ルリ子。このドラマではシーボルトの娘であるイネと、蘭学の師である大村との間には恋愛感情があったかのように描かれている。吉村昭の「ふぉん・しぃぼるとの娘」では、ある理由で男性不信に陥っているイネは、大村益次郎を確かに尊敬していたが、思慕の情があったかについては否定的。でも襲撃された益次郎を看取ったのがイネだったのは史実のようだ。
桂小五郎(米倉斉加年)の妻を演じたのは波乃久里子。十八代中村勘三郎のお姉さん。芸妓時代に小五郎を助けた逸話は有名だが、粋なお姉さんって感じはさすがだった。
ああまだこのドラマについてはいっぱい語りたい。以下次号。