事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「おいしい給食」(テレビ神奈川、TOKYO MX他)

2024-09-27 | 受験・学校

あいかわらず、毎日給食だよりを出しています。さすがに4年もやっているとネタも尽きてきた(でも3年たったらネタは使いまわしていいことに気づいた)、そんなところへ救いの神が。この「おいしい給食」です。

どんな状況でオンエアされ、どれだけの視聴率をとったかも判然としない。しかしシーズン3までつくられているし、先日も劇場版の新作が封切られたのだから人気はあるみたい。

「面白いんですよこれ。すごくバカバカしくて」

すでに見ていた同僚が教えてくれる。確かに、バカバカしかった(笑)。しかし、どこかに苦いものを含んでいて、それは食を語ることのむずかしさだろうと思う。

学校に来るのは給食を食べるため。なぜなら家で母親がつくる料理がまずいから、なるまことに正直な中学教師、甘利田(市原隼人)。職員室の机の引き出しには献立表(だけ)が入っており、頭の中はそのメニューのことでいっぱい。

そしていよいよ給食の時間。クラスのみんなでめいっぱいの校歌の斉唱。教卓の給食の存在がうれしくてたまらず、上半身でキレッキレのダンスを踊る甘利田。そして給食当番の「いただきます」で“戦闘”は開始される。

シーズン1が1984年、2が1986年という設定が絶妙。アルマイトの食器、びん牛乳、ミルメークなど、なつかしのグッズがてんこ盛りだ。

食べ終えて満足な甘利田。しかしその成就感は常にひとりの生徒によって粉砕される。この生徒は、甘利田以上のアイデアで、その日の給食をそれ以上の存在に高めるのだ。悔しがる甘利田。彼との戦いはまだまだつづく……。給食のおばさん役はいとうまい子(前は伊藤麻衣子)です。

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今月の名言2023年10月号PART3 フリースクール

2023-11-02 | 受験・学校

Kとブルンネン あの場所から

PART2「伝統芸能」はこちら

ふうううう。日本シリーズの興奮がさめやらぬままに。毎日こんな試合をされたんじゃこっちの身がもたない。

「フリースクールは日本の根幹を崩しかねない」

「不登校の大半は親の責任だ」

滋賀県東近江市の小椋正清市長の発言。

この人はひょっとしたら悪い人ではないのかもしれない。ただ、ものを知らず、想像するチカラを持っていないだけで。こういう考え方をする人はたーくさんいるしね。

およそ30万人にもおよぶ不登校児の問題を、フリースクールを認めることで

「学校は無理して行かなくてもいいところ」

になってしまうことを憂えている。それはどうして?言ってますよね。

国家の根幹」と。

つまり、学校に行くことができない子どものケアをするより、親を𠮟咤激励して子どもを学校に行かせろと。そうでなければ日本は“ゆるい”国になってしまうぞ、というわけだ。

ゆるいのはあなたの考え方だろう。あなたの発想では、誰も幸せにはなれないのだ。子どもも、親も、学校も、そしておそらくは日本も。

本日の1曲はKとブルンネンの「あの場所から」あの名曲のオリジナルはこのデュオによるものだったのだ。知らなかった。わたしにとっては朝倉理恵バージョンがなじみ深かったけれど。で、このデュオは現在消息不明なのだとか。

PART4「給食」につづく

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今月の名言2023年7月号PART2 スポーツドリンク

2023-08-01 | 受験・学校

Yarbrough & Peoples - Don't Stop The Music

PART1「大きいモーター」はこちら

「スポーツドリンクで満腹になり給食が食べられなくなる」

「虫歯が増える」

埼玉県新座市議会において、学校に持ってくる水筒のなかみに、スポーツドリンクも加えてはどうかという提起に、現場の養護教諭が懸念。

うーん、それは心配だろうけれども、問題はそういうことじゃなくて熱中症対策なわけでしょ。コロナ禍の最初のころ、マスク不足が問題になっているときに

「マスクの色は白しかダメ」

と主張した学校関係者と同じ匂いを感じる。優先順位を考えようよ。

米沢では中学生が部活後に熱中症で死亡。大騒ぎである。早めに部活を終えた顧問の判断は正しかったわけだが。

本日の1曲はなんとヤーブロー&ピープルズ。クルマのなかでいきなり流れてきてうれしかった。そうかこの人たちってこんなルックスだったのかあ。初めて見ました。

2023年8月号「クチげんか」につづく

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今月の名言2023年6月号PART1 ふたたび池田小

2023-07-04 | 受験・学校

ラストショー (ON THE ROAD 2015-2016 "Journey of a Songwriter")

2023年5月号PART4「山下埠頭」はこちら

「これからも伝え続ける。私の使命です」

大阪教育大付属池田小で1年生の担任だった池田市教委の小林弘典・教育部長の発言。

あの事件の衝撃はいまでも教育現場をゆさぶっている。小林さんは事件から数々の教訓を得て、具体的な方策をフィードバックしている。

・教員はサンダルではなく、かかとのある靴を履く(サンダルでは走れない)

・職員は名札をつける(犯罪抑止につながる)

・名札には笛をつける(いざという時、なかなか大声を出せるものではない)

・ポケットにいつもペンをいれておく(防御の最後の手段)

……とても説得力がある。この時代にさすまたとは、と前はあきれていたけれど、下半身をねらうとかなり有効らしい。もちろん、あんな事件は二度と起きてほしくはないが、起こると仮定し続けなければならないのがしんどい。ったくあの野郎はよけいなことを。

本日の1曲は浜田省吾の「ラストショー」彼らしい曲。なんでこんな選曲になったかというと、出入りの業者や事務補助としゃべっていたら、

「おいちょっと待て。ユーミンて何才なの?佐野元春って実は何才なの?」

「鈴木雅之はどうですか」

という話になったからだ。勤務時間中にやることじゃ……いや必要なことです。

佐野元春も浜田省吾も髪が白くなっただけだ。ユーミンに至っては(^^;)

その事務室のなかで、水沢アキを知っているのがわたしだけなのがさみしかったです。仕事しろよおれ。

PART2「習作」につづく

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今月の名言2022年12月号PART2 ツーブロック

2022-12-28 | 受験・学校

Talking Heads - Life During Wartime LIVE Los Angeles '83

PART1はこちら

「華美というか行き過ぎた髪形。髪を染めるのと併せて禁止にしています」

「外見が原因で事件や事故に遭うケースがあるため。生徒を守る趣旨から定めている」

ツーブロックはなぜ禁止されているのか、それは大人の側の思い込みにすぎないのではないかという論議が盛んになっている。

わたしはわからないのだ。いや禁止することの可否のそれ以前に、ツーブロックという髪形自体がわからないの(笑)。調べてみた。

「ツーブロックとは、トップの長さを残しつつサイドやもみあげ周辺、襟足などを刈り上げ、トップと段差をつけたヘアスタイルのこと。」

ネットにはこうある。まわりに訊いても

「ほら、こう、段差があるのよ」

わからない。よし、画像検索だ。

「……」

いや極端な段差なのは過激かもしれないけど、この髪形って、どう考えても現在のメインストリームじゃないんですか。むしろ自然ではないか。なんで禁止なのかなあ。ほんとわかんない。

っていうかさ、荒れた学校の時代を知っているわたしですら思う。髪型の規制?制服?まだこんなのが生き残っている。

本日の1曲はトーキング・ヘッズ。まだみんな仲がよかったころ?

PART3「人気者」につづく

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今月の名言2022年11月号PART6 黙食の功罪

2022-12-06 | 受験・学校

BOØWY わがままジュリエット

PART5「役に立たないこと」はこちら

「黙食の科学的な根拠をしっかりと検討し直し、子どもたちときちんと共有し、子どもの選択を保障することが大切です」

児童精神科医で、国立成育医療研究センターこころの診療部の山口有紗・臨床研究員の主張。

「黙食はつまらない」と感じる子もいれば、他の子と向き合って話しながら食べたり、大きな声の飛び交ったりする従来の給食のあり方がつらかった子もいるかもしれないとも。

とても説得力がある。うちの学校の給食の風景は異様なほどに静かだ。不自然きわまりない。しかしこの状況が楽でいいと感じている生徒もまたいるはずなのだ。

わたし?毎日ひとり事務室で山形新聞と読売新聞を徹底的に読みこんでおります。快適です。読売の日曜版に載っている「猫ピッチャー」も大好き。

本日の1曲はBOØWYの「わがままジュリエット」

すいませんわたしは実は彼らの曲をパクって「わがままダイエット」という企画でご機嫌をうかがっております。

2022年12月号PART1「中国とインド」につづく

 

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今月の名言2022年9月号PART1 日傘

2022-09-29 | 受験・学校

Elton John - Sorry Seems To Be The Hardest Word ( Live at the Royal Opera House - 2002) HD

2022年8月号「2世信者」はこちら

「『新しいことを取り入れるとトラブルが起きるに違いない。だったら根こそぎ禁止にしておきましょう』というのが、学校に長年染みついている思考回路です。発想そのものは分かりますが、トラブルを想定しすぎるがために、がんじがらめになっているのです」

ご存じ、名古屋大大学院の内田良教授の指摘。今回は日傘の禁止問題。今年の夏も猛暑だったわけで、だから熱中症対策は喫緊の課題だ。特定の材質の日傘は明らかに有効らしい。しかし、学校も自治体も一歩踏み出して推奨することをしない。それどころか禁止しているところも多いのだとか(一部の自治体は推奨している)。保護者負担という理を使っているところもあるけどね。

ただ、コロナ対策を経験したのでこの業界も、さすがに“健康”“危険”的なことにはナーバスになっているわけで、一気に導入が進むことは大いに考えられる。日傘?あれは女性が使用するものでしょ、という発想もまた、別の意味で駆逐されることだろう。

あれはなんのCMだっけ。むかしの西欧では傘をさす習慣がなく、だから勇気ある男性が雨傘をさして歩いているのを、まわりは嘲笑していたのだった。それが今では……

シャツイン、シャツアウトの問題もそうじゃないですか。明らかにシャツアウトの方が理にかなっているのに(そしてかっこいいのに)シャツインを強要する学校はまだいっぱいある。かっこよくてはいけないんだよね、中学生は。荒れた時代を知っているわたしですら思う。やれやれと。

本日の1曲はエルトン・ジョンの「悲しみのバラード」

なんでかっていうと、sorryという言葉を使った歌を謝罪シリーズで給食だよりで紹介したかったから。

職員が挑発する。

「あたし知らないですこの歌。歌ってみてください」

「イッツア・サッドサッドシチュエイション♪」

「知らないです」

「……」

こういうのって、むかし勤めていた小学校で女性職員たちがクリストファー・クロスのコンサートに職員旅行で“偶然”行ったのにびっくり。

「すごいな!」

「すごいの?」

「風立ちぬを歌った人だぞ」

「歌ってよそれ」

以来の経験ですかね(T_T)どっちもわかってもらえませんでした。歌唱力の問題?

PART2「長州の人」につづく

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今月の名言2021年8月号PART3 学校なんて。

2021-08-29 | 受験・学校

島津亜矢 (大滝詠一)    風立ちぬ

PART2「日本で一番文章がうまい作家」はこちら

「学校に行かなくても人生はどうにでもなる。大丈夫」

自らも不登校だった過去をもつ全国不登校新聞社の石井志昂編集長の発言。

現在もなお、夏休みの終わりを息苦しく思っている予備軍はたくさんいるはずだ。むずかしいことだろうが(むずかしかったです)、いちばん最初にこうやって肯定してやることがだいじなんだと語っている。

まったくだ、そんなに悩まなくていいよ。学校なんか行かなくてもなんとかなるんだよ。

本日の1曲は島津亜矢の「風立ちぬ」

わたしはこの人のことを全然知らなかったんだけど(妻にさんざんバカにされた)、きのうの大滝詠一トリビュートの番組でびっくり。この歌唱力はなんだあ?!すごい歌い手がいたんだなあ。にしてもきのう(再放送だけど)のバンドメンバーは豪華でしたねえ!

PART4「液体ミルク」につづく

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今月の名言2021年5月号PART3 現場の意見

2021-06-01 | 受験・学校

PART3「忖度ワクチン」はこちら

「世の中いい人ばかりで、もっと競争するよりもみんながすべての人を許容して、そういう社会の中で子供が生きていければそれは理想。校長だけど現場が分かってない。社会人として外に出たことはあるんかなと思いますね」

「決めたことをやらないというなら処分の対象。考え方は違うけど、教育振興基本計画に沿って学校運営するのが当然の話。社会人として当然じゃないの?組織の決まったことを覆そうと言うのなら、自ら公約掲げて市長にならないと変えれませんよ」

……ご存じ、大阪市長の発言。この、ひたすら雑なコメントは相変わらずなこととはいえ、彼が怒って見せたのは

「場当たり的な計画で学校は混乱を極め、児童、生徒や保護者に大きな負担がかかっている。子供の安全・安心も学ぶ権利も保証されない」

という現場の校長の意見書に対して。

現場を知らないのがどっちかは自明なんだけど、ここの市長のたちが悪いのは、実は現場を知ろうなんて思いもしていないのが透けて見えるあたり。それにしても大阪の人たちって本当にこんな市長を支持しているんですか。あなた方が考える現場って、どんなところなんだろう。

PART4「意図的な放言」につづく

本日の1冊は「ZONE 豊洲署刑事 岩倉梓」福田和代著 角川春樹事務所 

久しぶりに事務職員犯人もの登場。しかしいくらなんでも、なお話でしたが。

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今月の名言2021年3月号PART6 #教師のバトン

2021-04-03 | 受験・学校

BEGIN/愛が走る

PART5「いなかのコロナ」はこちら

「20年間で削減された仕事は座高測定とギョウ虫検査しかありません」

「明日で退職です。朝から晩まで働きました。今思うと、失ったものがあまりにも多かった」

「教員の善意に甘え、保護者や社会にそんたくし、教員を守らなかった」

教員を目指す若者たちに仕事の魅力を伝えようと、文部科学省が教員たちの声をSNSで広げる企画を(#『教師のバトン』プロジェクト)立ち上げたところ、このような投稿が相次いだとか(笑)。最後のつぶやきは文科省への恨み言。

もしも文科省が本気で教員の労働条件を改善したいと考えているとしたら、全国学テと教員免許更新制なるものをどれだけ早く廃止できるかが試金石となるだろう。ろくでもないだけでなく、コストパフォーマンスが悪いのにいつまでもしがみついているあたり、いかにもこの業界を象徴しているんだけどなあ。

本日の1曲はBeginの「愛が走る」ポケベルなどのフレーズを使いながら時代劇の主題歌。やるなあ。

2021年4月号PART1「県境封鎖」につづく

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