事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の訃報2024年6月号PART1 ドナルド・サザーランド 88歳没

2024-07-08 | 芸能ネタ

唐十郎篇はこちら

この役者の作品を観たことがない人はいない。断言。

長いキャリアで、数多くの映画に出演。しかも一度見たら忘れられないそのルックス。大好きでした。

彼の代表作はもちろんロバート・アルトマン監督の「M★A★S★H」(マッシュ)だろう。サザーランドとエリオット・グールドの共演というのも笑わせるが、そこにロバート・デュバルやサリー・ケラーマンがからむのだからたまらない。

他にも「SF/ボディ・スナッチャー」(眼をクルクルまわすブルック・アダムスがかわいかった)、ケン・フォレットの傑作小説を映画化した「針の眼」なども忘れられない。ただこの人の真骨頂は、くせ者的な脇役のポジションだろうか。だからケネディ暗殺を描いた「JFK」におけるX役などはぴったりだった。

お若い方々にはキーファー・サザーランド(「24」のジャック・バウアーね)の父親としての方がなじみ深いだろう。いやそれにしたってこの二人は似ている親子ですよね。

梁石日篇につづく。

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今月の名言2024年6月号PART2 わたしは35才

2024-07-05 | 芸能ネタ

PAR1「経済的動物」はこちら

「沙莉ちゃん、申し訳ないんだけど私の年齢を大々的に公表してほしい」

多部未華子伊藤沙莉のラジオ番組で。

彼女はいま35才で、いつまでも年齢不詳のかわいいキャラでいることに不満をもっている様子。うん、確かにわたしも多部未華子ファンだけど、そういうイメージをもっている。年齢をちゃんと意識してほしいという女優がここに現れた。いいなあやっぱり多部ちゃんは……ああこういう扱いがいやなんだねきっと彼女は。

つくづく思うのは、「これは経費で落ちません!」のシーズン2を多部未華子が拒否しているのは、あのメンバーたち、特に伊藤沙莉がいなかったらやりたくないということだろう。

で、いまの朝ドラ(どうしてもタイトルをおぼえられないんだよな。「寅とさくら」でしたっけ?「虎の穴」でしたっけ?)は圧倒的な好評で世間に受け入れられている。しばらく伊藤沙莉のスケジュールが空くことはあるまい。シーズン2待ってるけどなあ、

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「わが人生 名優マイケル・ケインによる最上の人生指南書」マイケル・ケイン著 集英社

2024-05-03 | 芸能ネタ

イメージから言って貴族的な人かと思ったら、労働者階級出身で、コックニー訛りにコンプレックスを抱いていた人なのだった。意外だ。

90年代に引退まで覚悟したのに、良質なオファーがとぎれず、特にクリストファー・ノーランとの出会いは大きかったと語っている。

しかも人生指南書というサブタイトルを裏切らず、まことにありがたいお言葉の数々。しかも、ウィットに富んでいるのだ。どうかもっともっと働いてくださいマイケル。

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今月の訃報2024年3月号PART1 寺田農 81歳没

2024-03-30 | 芸能ネタ

山本陽子篇はこちら

寺田農が出てくると、場がこの人でいっぱいになる。すごい存在感。その存在感があるからこそ、宮崎駿は天空の城ラピュタ」でムスカに起用したのだろう。

「どこへ行こうというのかね?」

「見ろ、人がゴミのようだ」

「目がぁぁぁぁあっ」

ラピュタの素晴らしさに、彼の貢献がどれだけ大きかったことか。

わたしは去年、いろんな事情があってサングラスを新調した。サリバン先生のようなグラサンにしようと企図したのだ。イメチェン。実際にかけてみたら大満足。

でも職場にかけていったら同僚に即座に言われた。

「あ、ムスカ」

寺田農は、わたしの世代にとっては相米慎二作品のイメージが強い。日活ロマンポルノの傑作「ラブホテル」はすばらしかった。地元の港座という映画館で見たんだけど、後ろで見ていたじいさんが

「うまい。」

とラストの桜吹雪のシーンに感じ入っていたことを思い出します。

舞ちゃん篇につづく

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今月の訃報2024年2月号 山本陽子 81歳没

2024-03-01 | 芸能ネタ

ケルビン・キプタム篇はこちら

かつて松竹が横溝正史の「八つ墓村」を映画化すると聞いた時、原作のイメージから言って主人公の辰弥は篠田三郎、春代は長山藍子あたりかな、と想像していた。

ところが、決定したのは萩原健一と山本陽子だったのである。プロのキャスティングは違うなあとびっくり。そう、それだけ山本陽子は大女優だったのだ。

テレビでも「となりの芝生」朝ドラの「京、ふたり」など人気作に主演。それでも、どうも大女優っぽさが感じられないのは、田宮二郎や沖田浩之など、恋人が自死していく運命が影響しているのだろうか。普通は、逆なんだろうけど。

寺田農篇につづく

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「美と破壊の女優 京マチ子」北村匡平著 筑摩選書

2024-02-16 | 芸能ネタ

「羅生門」「偽れる盛装」「雨月物語」「地獄門」……京マチ子主演作品の数々。世界的にも評価が高く、彼女が大女優であることは疑いない。でもこの評伝を読んで、自分が彼女のことをあまりにも知らなかったことに驚く。

彼女は結婚したことがあるんだろうか。

彼女はどんな男性と(あるいは女性と)つきあっていたのか。

ほら、あなたも知らないでしょう?原節子であれば、謎に包まれていることで神格化されたが、京マチ子の場合はそんなふうでもない。

若いころは、当時としては大柄で、肉感的な肢体と美貌でヴァンプ(毒婦)女優と呼ばれていたのが、前述の名作群によって評価は一変。演技派としても知られるようになった。

わたしがリアルタイムで彼女の作品を観たのは「金環蝕」以降でしかない。「華麗なる一族」も後追い。あの、万俵家の執事、というか家庭教師、はっきり言えば愛人役はすごかった。

市川崑が角川春樹と組んだ「犬神家の一族」において、松子役のファーストチョイスは京マチ子だったことを初めて知った(実際には高峰三枝子が演じた。のちに古谷一行が金田一を演じたテレビドラマでは松子を京マチ子が演じています)。

この書で特に強調されているのは、眉によって印象を操作するテクニックに彼女が長けていたこと。なるほど、大女優というのはすごいものだな。若尾文子が復権したように、彼女も絶対に再評価されるはずだ。

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「ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒」島崎今日子著 文藝春秋

2024-02-06 | 芸能ネタ

矢作俊彦原作による大友克洋の傑作マンガ「気分はもう戦争」にこんなくだりがある。ジョン・レノンの死を知った右翼の主人公はこう叫ぶ。

「騒ぐな!たかが毛唐の楽団屋じゃねーか。俺たちにはまだ沢田研二がいる!!」

そう、われわれ日本人にはまだ沢田研二がいるのだ。

この書は、彼の存在が(特に団塊の世代にとって)どのようなものだったかを検証したもの。週刊文春連載の単行本化。

甘い歌声が印象的な彼は、しかしケンカが強く、それでトラブルになったこともある。「魔界転生」でガッツを見せたり、現在も反原発運動に関わるなど、意外な硬骨漢なのである。

離婚したときにほとんどの財産を失い、しかしこの年齢になってから「土を喰らう十二ヶ月」でキネマ旬報主演男優賞を獲得するなど、日本の芸能界で引き続き大きな存在でいる。

そう、引き続きわれわれには沢田研二がいるのである。

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今月の名言2024年1月号PART1 SOS

2024-01-30 | 芸能ネタ

あの娘の何なのさ篇はこちら

S・O・S ピンク・レディー 昭和51(1976)年 (アナログレコード音源)

「1カ月に換算すると10万5000円になるんでしょうかね」

「このぐらいなのね…って、ちょっと寂しい感じはしましたね」

未唯mieが、年金をもらいはじめて。驚愕。あのピンクレディーのミーですよ。朝から晩までテレビに出まくっていた彼女の年金額がこれっぽっち?プロダクションから給料はどれだけ出ていたんだろう。

「最初の1年は(月給)5万円ずつ。それから30万、150万、最後の数カ月が350万円」

あ然とする額。日本の芸能界がいかにタレントをだいじにしなかったかがわかる。そりゃ、辞めたくもなる。

PART2「DOWNTOWN BOY」につづく

 

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今月の訃報2023年1月号3 追悼中村メイコ(89才没)

2024-01-30 | 芸能ネタ

篠山紀信篇はこちら

89才で亡くなって、芸歴が86年なのである。しかも間断なく現役の喜劇女優だったのだ。どれだけすごいことか。わたしにとって彼女は、まさにブラウン管のなかに住んでいる人だった。

だから次女の神津はづきが、杉本哲太と結婚してさっさと芸能界を引退したことについて、メイコがどのように感じていたのか知りたいところだった。わたし、はづきのファンだったんです。

あ、これだけは言っておかなくては。わたしにとって「猿の惑星」のジーラの吹替は、フジテレビ版の楠トシエだけれど、1973年のオンエア当時、歴代最高の視聴率をとったTBS版のジーラは中村メイコでした。情けないことにそのころ山形県にはTBS系列の放送局がなく、月曜ロードショーで「猿の惑星」を観ることはできなかったの。

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「愛し続ける私」十朱幸代著 集英社

2024-01-27 | 芸能ネタ

十朱幸代という人が、どうにもよくわからない。いや大女優であることはもちろん承知している。「魚影の群れ」(監督相米慎二)の緒形拳とのファックシーンは壮絶だったし、「ウホッホ探検隊」(原作干刈あがた、脚本森田芳光、監督根岸吉太郎という豪華版)もすばらしかった。でも、全体的な印象としては無邪気な娘じゃないですか。

親しみやすいルックスがそうさせるのかなあ。小坂一也と事実婚なのも知らなかったですけど、熱愛した歌手というのはやっぱり西城秀樹なのかしら……という具合に、自分の恋愛を隠すつもりがほとんどないあたりの無邪気さがそうさせるのかも。

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