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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「悟浄出立」 万城目学著 新潮社

2014-10-30 | 本と雑誌

表題作はあの中島敦の「悟浄出世」と「悟浄歎異」を下敷きにしたらしい。さっそく青空文庫で読んでみました。常に傍観者である沙悟浄が、玄奘や悟空を見つめながら自分が次第に行動者となっていく決心がつづられている。すばらしい。

万城目はそこを、快楽主義者である猪八戒がかつて無敵の将軍であったという事実から、自分を変えていこうとする物語をつむいでみせた。これもまたすばらしい作品となっている。

他にも、始皇帝暗殺未遂事件、項羽と虞美人の最期、宦官となった司馬遷の意地、三国志においては二線級あつかいの趙雲の心のなか……みんなが知っているようで知らない(というか万城目のオリジナルがたいそう仕込まれている)中国の故事が魅力的に語られている。

これまで、

京都(鴨川ホルモー

奈良(鹿男あをによし

滋賀(偉大なるしゅららぼん

大阪(プリンセストヨトミ

三重(とっぴんぱらりの風太郎

と関西を描いてきた万城目が、壮大なエピソードにことかかない中国に作品をシフトさせるとすれば、期待したくなるじゃないですか。っていうかこの作品集で直木賞は決定?宮城谷昌光と浅田次郎の意見がキーになるんだろうなあ。

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ブログ引っ越しました最終回

2014-10-28 | デジタル・インターネット

Ed Sheeran - "The A Team" captured in The Live Room

PART4はこちら

テキストが引っ越しても画像が引っ越せないのでは意味ないじゃん!こりゃ、くやしいけどgooにしとくか……ほんとにくやしいけどね。

だいたい、NTTは前にもブログサービスをやめた前科があるらしい。gooでほんとにだいじょうぶなのか……あ、まったく新しいブログを最初から始めたらいいんじゃない?だったらブログでは超メジャーらしいFC2かアメーバにすればいいのでは?

即却下。これまで、3000を超えるコンテンツと200万のサイトアクセスがあったブログをふり捨ててスタートするほどの根気も元気もないですわたし。

ということでチュートリアルにしたがって引っ越し開始。時間にして数日かかることもあるというのにびびりつつ……あら、30分もかからずに引っ越し完了。こんなに簡単だったのか。

もっとも、デザインに関しては不満が残るし、編集もOCNに慣れているからめんどくさい。でもまあ、11月末に終了するサービスにいつまでもこだわっているよりはましか。

美点も多いのが正直なところ。

・編集してからブログに反映するまで時間が速い速い

・カテゴリーをクリックすると、これまではそのコンテンツが全部表示されるので重くて仕方がなかったが、今度はそんなことはなくなった

・youtubeの画面から「共有」でいきなりブログをアップできる(いまやってるこれです)

・トラックバックをいっぺんに三つ行うことができる

・これまでは一日800~1300ほどのアクセスだったのに、なぜかとんでもない数になっていることもある。なんだこりゃ。

・アクセスランキングが毎日表示されるのでモチベーションが上がる

・デザイン変更がとにかく簡単(これまでは各記事に変更を反映させるのにえらく時間がかかっていた)

……ま、今回の件でわたしが学んだのは(そして学ばなかったのは)、天下のNTTという会社の姿勢と、永遠に続くものなどないということでした。わたしの気持ちも、永遠じゃないかな。

【ブログ引っ越しました おしまい】

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日本の警察 その70 「レディ・ジョーカー」(2013 WOWOW)

2014-10-27 | 日本の警察

その69「笑う警官」はこちら

高村薫の原作は、もう誰にも文句のつけようがない傑作。グリコ=森永事件をモデルに、犯人グループ、警察、脅迫された企業のそれぞれが徹底的に描きこまれていた。ここ二十年の犯罪小説のなかで確実にトップ3に入るだろう。

起点は一通の手紙。差別を背景に……

映画化された2004年作品は、犯人グループのリーダーが渡哲也、合田刑事に徳重聡という石原プロな布陣、くわえて悪徳刑事が吉川晃司で激しく魅力的だったので、犯罪者側からの視点が中心。あれはいい映画だった(脚本は「月はどっちに出ている」「血と骨」の鄭義信、監督は「愛を乞うひと」の平山秀幸)。

ただ、あの長大な原作を2時間ちょいで描くのはやはり無理があり、テレビドラマ化という手法はまっとうだ。もっとも、ネタがネタなのでやはり地上波では無理で、「マークスの山」につづいてWOWOWが製作している。恐喝されるビール会社の社長が柴田恭兵、恐喝する側のリーダーが泉谷しげるなのだから、企業倫理の方に重心が移っていることがわかります(笑)。

大企業のトップとして、柴田恭兵がくだした判断は果たして正しかったか。裏に総会屋もからんでそのあたりがむちゃくちゃ面白い。合田相手にしみじみと、無邪気にビールを売りまくっていたころがいちばん楽しかった、とする述懐は本音だろう。

副社長ふたりが益岡徹と、なんと石橋凌。彼らふたりがどのような動きをするかも実に納得できる。警察内部に容疑者がいるとしたときに、彼らがどんな動きをするか、悪徳刑事はどのようにしてしのぐかの攻防も見ごたえがある。

キャストでは、社長副社長の三人が絶妙。シリアスなスリー・アミーゴスとも形容できる。上川隆也の合田はやはりちょっと違うんだけど、だったら誰にすればいいのかすぐには思い浮かばない。白いスニーカーを履き続けることで意地を通していた彼は、それ以外は無色な存在だからなのだろうか。

ドラマ版は「軍師官兵衛」の前川洋一が脚本、監督は上川隆也と組みまくっている水谷俊之。

その71「うちのホンカン」につづく

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軍師官兵衛 第四十三話「如水誕生」

2014-10-26 | テレビ番組

 

第四十二話「太閤の野望」はこちら

前回の視聴率は、予想をアップするのを忘れてたけど15.6%とほぼ的中(ほんとよ)。地元で撮影されている「信長協奏曲」第1回のご祝儀相場15.8%にわずかに及ばなかった。見ていないので月9の今後はさっぱり読めないのですが。

さて今回は、利休の最期と官兵衛の苦況を重ね合わせ、生への執着を官兵衛が見せるお話。北政所が淀君を利用する展開。ほんとですか。茶々から太閤への手紙って現物あるのかな。わたしは現代人だからきっとピロートークでいろいろあるんだと思ってました。

よく考えると味わい深いお話ですね。本妻が、自分の支持する家来の助命をお妾さんに命ずる。

官兵衛は引退して如水と名乗る。日本史でめんどくさいのは(わたし、高校でも日本史は未履修です)、お偉いさんが次々と名前を変えていくことですよね。家康は幼名が竹千代だったし死んでからは神君だの大権現だの。秀吉はもっとすごくて日吉丸から藤吉郎、羽柴秀吉、そして豊臣と苗字まで色々と変わっている。

その人物のどの時点に注目するかで名前を使い分けることができるので便利だと考える人はいるでしょう。その意味で、如水(水の如し)と名乗ってからの方が官兵衛は切れ味鋭いジジイになるわけで、でも彼の心はすでに軍師ではないから「軍師如水」には絶対にならない。

息子の長政も含めて次第に徳川家康に取り込まれていく。竹千代役を子ども時代の中村勘九郎(のちの名は中村勘三郎)が演じたドラマがむかしあったと思うんだけどさっぱり忘れてる。

哀しいのは、豊臣という家が、結果的に家康によって徹底的に抹殺されたことだ。この家も一夜城になってしまった。石田三成の小憎たらしい所業は、かえって秀吉の「自分の血が残ってほしい」という望みを完全に絶ってしまったことになる。だからこそ「プリンセストヨトミ」なる関西人にとっての夢物語が成立したわけですが。

クランクアップの動画が番組HPにアップされている。濱田岳と高橋一生のふたりが必死で涙をこらえているのが泣かせます。ジャニーズはネットを敵視しているのか、どんなパターンでも所属タレントの画像や動画は出てこない。いつまでこんなことを続けるんでしょう。

本日の視聴率は16%超と読みました。番組スタッフも岡田准一といっしょに剃髪したという気合いに賛同。にしてもすばらしい頭の形よね。「蜩ノ記」の居合いの切れでも痛感したけど、いい男はどこまでも……

第四十四話「落ちゆく巨星」につづく



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「地獄の季節」 ジャック・ヒギンズ著 A Season in Hell ハヤカワ文庫NV

2014-10-24 | ミステリ

なんかもうひたすら冒険小説が読みたくなって図書館から借りる。ヒギンズは鉄板でしょ。

イギリスに留学中の(義理の)息子が殺されて川に浮かぶ。その背景に大規模な麻薬密輸がからんでいると知ったアメリカ人女性は、元SASの隊員の協力をえて復讐を開始する……おー、ヒギンスです。

実は犯人はさほど意外な存在ではないし、アクティブそのものである母親には陰影がない。だからコクという意味では物足りない作品。しかしとにかくページをめくるのがやめられなくなるという意味でも普通にヒギンズ。冒険欠乏症をみごとに癒していただきました。

いやしかし、わたし本日までジャック・ヒギンだとばかり思っていました。うわー30年間の誤解。ひー。

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ブログ引っ越しましたPART4

2014-10-23 | デジタル・インターネット

Jim Croce - Time in a bottle - 1973

PART3はこちら

実はね、さんざん文句たれながらも、わたしはこれまでのOCNブログのデザインは気に入っていたの。多少不便でも、あれ以上のデザインになるのなら即引っ越しだ。

そして9月4日。OCNからgooへの引っ越しチュートリアル発表。あ、その前にサービス終了に関するFAQが傑作なのでご紹介。

Q.サービス終了までのスケジュールを教えてください。

A.「サービス終了までのスケジュール」をご確認ください。

Q.いつサービスを終了するのですか?

A.2014年11月30日をもってブログ人の一切の機能が利用できなくなります。なお、ブログ人の新規申し込みは2014年5月31日をもって停止させていただいております。廃止・変更は引き続き可能です。

Q.サービスが終了されると何ができなくなりますか?

A.ブログ人のすべての機能がご利用できなくなります。

Q.サービス終了までに退会手続きをしないとどうなりますか?

A.自動的に退会となります。

……FAQとはどこもこんなものなのだろうか。近ごろ、お役所だってもうちょっと気を使った表現を使うはずだが(笑)。

で、その引っ越しに関して気になる説明が。goo以外の他社に引っ越す際に画像の引っ越しがどうなるのか。これがなんと

Seesaa → ×

blogger → ×

ライブドア → ○ ※2MBまで

ジュゲム → ×

はてな → ×

ココログ → ×

…………ええええ?以下次号。本日の一曲はジム・クロウチの「タイム・イン・ア・ボトル」。X-MENの新作で絶妙の使い方をされていましたね。

But there never seems to be enough time
To do the things you want to do, once you find them

飛行機事故で夭逝した男の書いた詩がこんなだったなんて。

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ブログ引っ越しましたPART3

2014-10-22 | デジタル・インターネット

Take Five - The Dave Brubeck Quartet (1959)

PART2はこちら

選択肢は三つある。

・ブログをやめる

・OCNの推奨にしたがってgooに移行する

・自分でブログを比較検討し、最適と思われるブログに引っ越す

……やめる、という考えはすぐにひっこめた。メルマガはその寿命がなんだかんだいって一日じゃないですか。それがすばらしいわけでもあるけれど、自分がどんなことを語ったかをいちいちマイドキュメントからさがすのはわずらわしい。その点、ブログならGoogleの検索で瞬時にバックナンバーにたどりつく。

怒っているのでgooに引っ越すのは業腹。でもどんなブログサービスがいいのかわけがわからない。調べてみたら無料ブログだけでこんなに有名どころが。

・FC2

・アメーバ

・Seesaa

・ライブドア

・ココログ

・はてなダイアリー

・JUGEM

・So-netブログ

・忍者ブログ

うんうん。トラックバックしている人たちって確かにこんなブログを使ってます。あ、近ごろ英語関係の変な広告がやたらにブログに入っているなーと思ったら、あれは無料版だからなんですね。

ま、それぞれに特徴はあるようだけど、実際に使い勝手がいいのはどこなんだろう。というか、正直なことをいえば、いちばん見栄えがいいのはどこなんだ(笑)。以下次号

で、なんでTake 5かというと、こういうこともできるようになりましたよと!人生5拍子でいきましょうと(^_^;)

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「蜩ノ記」 (2014 東宝=テレビ東京)

2014-10-21 | 邦画

三年後に切腹することが決まっている男。彼は藩主の側室と不義をはたらいたことで切腹を命じられたが、十年間の猶予のあいだに藩史を編纂するという名目で幽閉されている。

同じように、城内で友人と斬り合いとなり、本来であればこちらも切腹するところを、幽閉された人物の家譜の清書を手伝うという名目で、しかし実態は監視を命じられる若者がいる。

つまり微妙な立場のふたりの侍が、どのように三年間を過ごすのかというお話。原作は葉室麟の直木賞受賞作。ネット上でも泣けると評判。さーてわたしも読んでみよう…………どうにも納得できない。

武士道という名のやせ我慢の物語。身を捨てて藩を救おうとするストーリーは、山本周五郎の「樅の木は残った」の系譜か。わたし好みのはずなのに、むしろやせ我慢を捨て去った息子の行動がなければ無駄死にではなかったか。もっと頭を使っていれば、あの子どもの悲劇はなかったのでは……いろいろと考えてしまいました。

映画にも、同じような違和感が。

こんなシーンがある。妻(原田美枝子)と娘(堀北真希)が、幽閉の原因となった不義密通のことを語り合う。「お父様はそのようなことをなさる方ではありません」と妻は静かに諭し、娘は納得する。それはいいんだけど、それをふたりの男(役所広司&岡田准一)に聞こえるような声でやりとりしているのだ。演出に、どうも配慮が足りない気がします。

もちろん役所広司はうまいし(いくらなんでもスーパーマンすぎるとも)、岡田准一の居合いはお見事だ。原田美枝子、寺島しのぶ、川上麻衣子という、美しいヌードをかつて披露してくれた美女たちが競演しているのもうれしい。

でも、常にどこかしら画面がぎこちないのは「雨あがる」と似た印象。黒澤明直系の小泉監督は、クロサワの教条的な部分まで受け継いでしまったのかなと……

ひとつ確実なのは、とにかく串田和美に時代劇は似合わないなあ。

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明細書を見ろ!2014年10月号 差額?なんすかそれ

2014-10-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2014年9月号その2「総合的な見直し」はこちら

ついに県人事委員会が勧告を発表。その内容は

・月例給を平均0.21%引き上げる

・ボーナスを0.2ヶ月分引き上げる

と、なっています。朗報。国家公務員の人事院勧告の場合と単純比較はできないのですが、あちらはボーナスの増加は0.15ヶ月分でしたからそれを上回っている(……それでも国より低いんだけど)!年収ベースで9.1万円の増収になる!

長いこと山形県職員給与にはいいことがなかったので、こういうおいしい話には裏があるのではないかと思われるでしょう。でも、“今年については”文句なくいい話なのです。

新聞記事では紋切型に「6年ぶり引き上げ」と語られていますが、そのときはボーナスのプラス勧告はされたけれども、実際には引き上げは行われなかったので、年収ベースでプラスに転じたのは十数年ぶりなのです。ああ長かった。

知事部局の人間(30才くらい)と話したとき

「よく考えてくださいよ。おれが採用されてから、条件は悪くなりっぱなしです」

まあ、50代の人間にも、そんなにいいことはなかったけどなあ(田中角栄の時代を知っている世代には“いい年”が確かに存在しました)。

あまりにも冬の時代が長かったので『差額』という存在を知らない世代も増えたはず。

地方公務員の給与というのは、人事委員会勧告を受けて、11月~12月に議会で可決されてようやくアップします。それは多くの場合『その年の4月1日にさかのぼって行われる』のです。ということで、アップした4月~11月分、6月期末勤勉手当とそれまで支給された額の差を、12月中にまとめて支給する、これをいわゆる差額と呼んでいます。支給時期から、むかしは「餅代」と……ああほんとに昔話になってしまった。

その差額がどう支払われるかはまだわかりません。今年のボーナスの増加分はすべて12月の勤勉手当にあてられるようなので、こむずかしい話を抜きにすれば、12月1日(基準日と呼んでいます)よりも前に議会が可決すれば、12月のボーナスは2.15ヶ月分支給され、給料の増加分は12月の給料に上乗せでしょうか。可決がうしろにずれこめば、差額だけの支給ということも。むかしはこれが通常で、忘年会の翌日にひーひー言いながら現金を袋詰めしていたものでしたが……(遠い目)。

もちろん勧告がそのまま実施されるかはまだ油断できません。

「勧告の趣旨を尊重し、国や他県の取り扱い、厳しい財政事情などを総合的に勘案し、適切に対処していく」

……この吉村知事の発言を翻訳すると「まだなんも決めてねー」でしょうし。

画像は「蜩ノ記」(2014 東宝=テレビ東京)
ネット上でも「泣ける」と評判の直木賞受賞作の映画化。わたしはその原作を読んだ時も違和感ありあり。みずからが罪をかぶることでお家の安泰をはかる、ってことで山本周五郎の「樅の木は残った」パターン。でもほんとうにこんなことで藩が守れるんだろうか。公儀隠密はそんなに甘いか?役所広司と岡田准一は立派すぎるし。

2014年11月号「寒冷地手当?なんすかそれ」につづく

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軍師官兵衛 第四十二話「太閤の野望」

2014-10-19 | テレビ番組

第四十一話「男たちの覚悟」はこちら

前回の視聴率は降下して14.1%。はて……ああ裏が珍獣祭りだったのか。日テレの夜はますます強い。系列の球団がふがいなかったのに。いつぞやの日本シリーズで西武にこてんぱんにされて以来の屈辱。

わたし、戦国についての学習をまたしても司馬遼太郎で(笑)。今度は「城塞」。なぜ大坂城が当時としてはめずらしく、女性に支配されていたかがメインのお話。

いまでは絶対に許されないであろう表現を司馬は続々と。感情に流される、子どもを中心にしか考えられない、等々。すべて淀君への悪口です。ついに登場した秀頼の母親であることを抜きにすれば、実は無位無冠の女性にすぎなかった彼女が、北政所をおさえて大坂城をなぜ支配できたのか。

いたんですね彼女を利用する、といっては語弊があるけれどもそのおかげで力を持った男たちが。

あ、先走りすぎた。淀君の近江人脈もあって石田三成は着々と地位を固める。恨み骨髄の官兵衛を追い落とすことに成功。しかし同時に、彼を結果的に関ヶ原で敗北に追いやる黒田長政の恨みもかってしまう。

政治的にも微妙な朝鮮征伐(あ、失言)については、予想どおりあっという間に講和。まさかここで加藤清正の大活躍とかは描けないです。しかも、この戦争においてなにが重要かといえば、日本の大名たちが徹底的に疲弊したということなんでしょう。戦役は日本を滅ぼしはしなかったけれど、豊臣家を滅亡に追いやる結果に。

内戦をドカドカやっていたおかげで軍備にすぐれていた国が、なにを思ったか隣国に攻め込み、状況を悪化させる……よくある話なんでしょうか。

秀吉は悪鬼のように描かれ、淀君は悪女に、そして北政所は愛敬のある善人……この大河のコンセプトがくっきりと。にしても、小西行長と加藤清正の先陣争いを提起したのが官兵衛ってくだりは、論拠あるのかなあ。そんなこしゃくな発言を、名護屋城は福岡にあるもんだと思っていた歴史オンチが語ってはいけません。

評価がむずかしい豊臣秀次を中尾明慶が。わたしはこの人がどうも苦手。「戦国自衛隊1549」をぶちこわしていた彼が、そうかついに関白かあ。江口洋介は信長になってるしねえ……

第四十三話「如水誕生」につづく

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