保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

8月16日は大文字

2004-08-15 23:34:10 | 船頭
明日、16日は京都の夏の風物詩「五山の送り火」があります。送り火は東山・妙意ヶ嶽の大文字がもっともよく知られ、船形や鳥居形、妙・法、左大文字とあわせて五山の送り火と呼ばれています。送り火とはお盆に帰られた精霊を再び冥府に送る為の行事で、仏教が庶民の間に深く浸透した室町時代以降から行われるようになったと伝えられています。
 何を隠そう私はっちんは、五山の一つ金閣寺北側、大北山・左大文字地域の出身なのです。幼い頃から大北山は私達子供の遊び場で、炎を燃やす釜(火床)に乗ったりして遊んでいた記憶があります。私の住んでいた町内は大文字保存会に入っていました。町内では送り火の準備をおよそ一年前からはじめます。12月には点火に使う薪(松材)確保して乾燥させておきます。また、2~3月にかけて下草刈りや雑木伐採を行い、5~6月に火床や山道の補修をすませて夏を迎えます。送り火の前日15日から16日午前中にかけて、金閣寺門前に設けられた奉納所で護摩木や松割木の奉納受付が行われ、それらの木は午後から山上に運び火床が組まれます。火床は、山が岩山で掘り難いことから、山の斜面に栗石をコンクリートで固めて作ってあります。火床の高さは低いもので30cm、最高に高いものでは3mもあり、全部で53箇所設置してあります。火床は、およそ一人が一箇所ずつを担当し、奉納された松割木を高さ約1m積み重ね、その中に乾燥した松葉を入れて炎を燃え上がらせるのです。炎を燃やす為に使用される薪は350束、護摩木は5000本です。そして祈りが込められた炎が燃えきると、消防署と地元消防団で消火作業が行われ、送り火は終了となります。
 祇園祭と並び京都の夏をいろどる風物詩である「五山の送り火」は地元の多くの人々の手によって、代々守られ受け継がれてきたものなのです。その歴史の中には幾多の苦難もあったと聞いております。しかし、どの時代も民衆の‘祈りの火’が途絶えたことはありません。そしてこれからも京都の夏の夜空を焦がし続けることでしょう。京都の夜空にくっきりと浮かびあがり、燃えたぎる炎の力強さこそ、民衆が送り火に示してきた意欲のあらわれに他ならず、大規模な精霊行事を受け継ぐエネルギーの源なんだなと、毎年感じているはっちんなのです。
 送る火の点火は、最も早い大文字が午後8時からで、最後に点火される鳥居形が午後8時20分です。よく見えるスポットは京都タワーが有名ですが、もう一杯かも?とりあえず何を見るか絞って行くのがいいと思います。ちなみに私は同窓会をかねていつも左大文字です。
 明日は昼に保津川を下り、夜の送り火を楽しまれたらいかがでしょうか?京都の夏の夜空に幻想的に浮かびあがる炎の文字。先祖の精霊を送り、多くの人の祈りと願いが込められた炎の輝きをご覧になり、夏の思い出をまた一つ増やすのもいいものですよ。
  

今日もがんばるぞ~

2004-08-15 08:41:36 | 船頭
いや~昨日は本当に忙しかったです。120隻の舟が流れました。はっちんも3回下りました。でもその割にはお客さんの待ち時間も少なく、スムーズな運行ができていました。事務所の段取りのよさに脱帽!しかし、さすが体にも疲れがたまりだしてきた。今晩は温泉にでもつかりにいこかな?お盆休みもあと二日、気を抜かずに頑張ります。
 ここで報告があります。この17日にはっちんがラジオに生出演します。京都のFM局・797、ラジオカフェという番組です。20分ほどのトークになる予定。詳しくは後日に!
 tutiさんコメントありがとうございます。以前乗っていただいたのですね。保津川の夏は、鹿や猿が水を飲み降りてきたりするのでとても楽しいですよ!また機会があれば是非、お越しください。
 昨日、土曜ワイド劇場に保津川が出てきました。ご覧になった方もおられる思います。出演されていた原田龍二さんはよく存知あげております。カッコよかったですよ。京都に帰られたら、飯でも食べに来ましょうね。よろしく!