保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

ずぶ濡れでも楽しい保津川下り

2004-08-26 23:34:01 | 船頭
今日は気持ちのいい天気でしたね~
保津川の水面を照らす日差しの中にも
時折、涼しく気持ちのいい風が吹いて
秋の訪れが近いことを感じさせてくれます。

今日の保津川は、昨日の最高水量「五人水」から
20cm程水量が下がり、中間水量の「四人水」となっていました。

昨日も書いたように「四人水」とは一雙の船に
四人の船頭が乗り込み運行する日のこと。

四人水の保津川は、激流のスリルも少し和らぎ
ほどよいスピード感が爽快な気分にさせてくれる
川下りを楽しむには最高(自分ではそう思っている)の
条件の日です。

お客さんに波しぶきを掛けることでは、保津川下りで一番を
自認するはっちんの船「11号」には、これまた水を入れる技術では
保津川で1~2を争う青山ドライバーの計らいにより
今日もたっぷり川の水が入る事態となりました。
川水が舟の張りを越え入ってくる時は
雄大で静かな保津川渓谷に、お客さんの悲鳴混じりの歓声がこだまします。
おそらく前列と両サイドの人はたっぷり濡れていただいたことでしょう。

最前列のお客さんなんかは、靴がずぶ濡れになり
まるで尺から水をあける様に靴から水を出されていました。
それでも皆さん目はま~るくしながらも、顔はニコニコ!
このお客さんと船頭、お互いが大自然を体感しているという
共通の心のコミュニケーションこそが保津川下りの人気の秘密
だと感じているのは、はっちんだけではないでしょう。

またしても台風が接近しそうな気配ですが
明日はまだ天気がいいそうです。

保津川のほどよいスリルと、素朴で飾らない船頭衆達との
ふれあいも共に楽しんでいただければありがたいです。



ビバ!五人水!

2004-08-26 00:18:40 | 船頭
保津川下りの船頭衆では、最高の水量で川を下る事を
「五人水」(ごにんみず)と呼んでいます。
「五人水」とは、激流になっている川を下る為、
一雙の船に船頭が五人乗り込む日の呼び名なのです。

乗り組みの型は、棹差しが一人、櫂引きが二人、舵もちが二人つく形。

五人水が通常と違う所は、後ろの舵もちが二人ということです。
この理由は、五人水の激流箇所の瀬と渦の力の強よさにあります。
力の強い渦に舵が巻き込まれると、猛烈な力が舵に掛かり、
それを持つ船頭の体ごと浮かしてしまうことが考えられます。
その時、一緒に舵場にいる、もう一人の船頭が体を
支えてあげるという訳です。
もちろん、こんな事はめったにあることではありませんが、
万が一を考えておくのも「五人水」を安全に下るために
大切なことなのです。
それ程「五人水」は流れが強いということです。
そしてこの「五人水」の舵が持てる船頭は
「技量が高い」と認められた船頭のみです。
一様、はっちんもその一人なので
安心して乗りにきてね!

こんな日の川下りは猛スピードで下り、スリルは満点!
難所を通過していく時には思わず「ヒュ~」と
口笛が出てしまうほど気持ちいいです。
今日乗られお客さん皆さん「保津川の激流は波の高さ、
岩への接近度どれをとっても日本一だ!」
と大満足して帰られました。

保津川下りでは、最高の水量の時を「五人水」
増水時で四人の船頭が乗り込む時を「四人水」と呼び、
水量計のメートル数で決めています。
では「このメートル数なら四人、ここからは五人」と
決められた根拠は何かわかりますか?

それは400年かけて培った船頭の知恵と経験からきているのですよ。400年の間には多くの激流体験があッたと聞いています。
その中では幾度となく「この水量は四人ではしんどかった」「このような増水時は五人でもあぶない、下らない方がいい」
という、先人が生身で体験した出来事があったのです。
その体験を元に考え出されたのが、乗り込み人員を増やす事でした。
ここにも400年の長い伝統が活かされているのです。

今日はっちんの船「11号」に乗られたお客さん。たくさんの波を受けたので帰ってから風邪などひかれてないかな~少し心配をしているはっちんでした。

写真は今日の保津川渓谷。川の水かかなり高いのがわかる。