保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

只今、最高の水量です!

2005-05-08 07:08:15 | 船頭
前日の雨の影響で保津川の水量が大幅にアップ!した昨日。

川は安全運航規定いっぱいまで増水していました。

前日までは底岩を避けて流さなければならないほど
川の水量が減っていた条件から一転、最高水量です。

増水時と水量が少ない千川(ひかわ)時では
船の航路及び操縦技術が全く異なります。
船の流れるスピード、川の渦や噴出しの力、
波の高さなど全てにおいて条件が異なるのです。

私達船頭は増水時での勘を取り戻す為、
出航前から頭の中で何度もシミュレーションし
イメージトレーニングを繰り返します。
特に今回みたいに川の条件が一日で
極端に変化した場合は念入りにかかります。

このイメージトレーニングは、先人から教わった
確実に安全なコース取りを、自らが体で覚えた
経験を元に進められるまさに職人の芸なのです。

この川のコース取りこそ400年の歴史をかけて
培ったもので、船頭の経験と知恵から編み出されたものなのです。

400年の間には多くの変化にとんだ激流体験があったことでしょう。

その度、幾度となく「この水量は船頭を増やして乗らないと」
「このような増水時はでのこのコースはあぶない、ここが安全だ」
などの先人が生身で体験した出来事から編み出した技のです。

そしてこの技を習得した者のみ、この様な増水時の
舵を持ち、操縦する事を許される厳しい慣わしと
なっております。

お乗り頂くお客さんには、こんな日は面白いですよ。

急流では猛スピードで船が下り、スリルは満点!
難所を通過していく時には思わず「ヒュ~」と
口笛が出てしまうほど気持ちいいです。

昨日乗られお客さん皆さん「保津川の激流は波の高さ、
岩への接近する迫力どれをとっても日本一だ!」
と大満足して帰られました。

今なら、川面に吹く涼やかな風を受けて
スリル満点の川下りを楽しめます。

連休最終日の今日は、比較的空いていて
待ち時間もなく乗ることが出来ると思います。

川の水量が最高の条件である、この機会を是非お見逃しなく!