保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

凄いフイルムが出てきた!東京へGO!

2005-08-02 23:44:03 | 角倉プロジェクト・世界遺産事業

7月27日付けの読売新聞・夕刊に
凄いフイルムの紹介がされていました。

それは、今東京の国立近代美術館
フィルムセンターで上映されている
「発掘された映画たち2005」の中で
紹介されている100年前の映像
「保津川の急流」です。

この映像は映画史の初期に製作された
紀行映画(トラヴェローグ)で、
「明治の日本」の風景として保津川の
川下り風景が撮影されています。
フイルムは舟上から撮影したものらしく、
激流を下っていくシーンと
な、な、なんと舟を下流から引き上げて
いるシーンが映されているというのです!

おさらくこんな映像は世界に二つとはない
とても貴重な記録フイルムです!

保津川を研究する学識経験者の間では、
このフイルムが発掘されたことで、
今、この話で持ちきりです!

保津川下りは今から400年前の1606年に
創業して以来、350年間は下った舟を
3人ないし4人の船頭が、嵐山から
亀岡まで長い綱で引っ張って
上げていたのです。

古い写真などでは観たことがありますが、
動く映像という形では残ってないとされて
いたものでした。

それが、今回、オーストリアの
カメラマンが撮影して記録映画の中で
発掘されたというのです。

400年の伝統を今に引き継ぎ、継承している
私達保津川の船頭なら、これはどんな事を
しても、観ておかねばならない、貴重な
フイルムだと私は感じた次第です。

早速、東京行きを会社に相談しましたが、
上層部はこのフイルムにさして関心が
ないようで、あまりいい顔は
されませんでした。
全く価値がわかっていないようです。
「東京行きの予算は出せん!」との
ことでした。

歴史的な価値に大きな温度差を感じます。

まあ~川掃除と同じく、他者に頼って
いては何も始まりません。!

自分達の力で行く事に決定しました。

むろん、仕事を休み、実費での東京
行きはかなり厳しいものがありますが、
この企画期間だけ、日本に里帰り
している映像ですから、次日本に
来ることはないかもしてません。
金銭には換えられないですから。

8月6日(土曜日)にはっちんは再び
東京に参ります。

なんとか400年の節目の企画として、
どんな形でも、このフイルムを紹介
できればいいのですが、とりあえず
行って交渉して来ます。


東京国立美術館フイルムセンターは
失われた映画フィルムの発掘と復元を
主要な任務のひとつとするセンターで、
映画の資料館や博物館機能を有し、
日本の映画文化・芸術の拠点として
広く国際交流の場を提供する施設です。