保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

送り火の観覧ポイントを求めて。

2005-08-17 17:22:25 | 船頭
昨夜は京都のお盆の終わりを告げる
行事「五山の送り火」が行われました。

今年は観覧する場所を変えて
賀茂川と高野川が合流する
出町柳から見物することに。

今の京都に強い友人の話によると
そこから北に向いて歩いて行けば
鳥居形以外の全ての送り火が見られる
らしいのです。

今出川通りに掛かる賀茂大橋に着いたのが、
点火30分前。すでに河原周辺には大勢の
人が陣取り、身動き一つ取れない
状態になってました。

確かにここは右大文字が真正面に
見える絶好のポイント。

しかし、ここからだと右大文字一つしか
見られません。

欲張りなはっちん達はほかの送り火も
見られるスポットを求めて、賀茂川の
河川敷を北に向かって歩くことにしました。

歩くこと20分、後方に見える右大文字が
点火されました。

真っ暗な空が広がる空間に、
「ぽっ、ぽっ」と小さな火が燈されたかと
思うとオレンジ色の鮮やかな炎が一気に
広がり「大」という字が描き
出されました。

ここからだと、炎が舞い上がるの
まで見えます。

そしてしばらく歩くと見えました!
「妙」と「法」が。
この二つの送り火は山が低いので
両方を見ることは難しいのですが、
賀茂川沿いからだと良く見えるの
には驚きました。

そして北大路の橋からは「船形」
と斜めになった「左大文字」も
しっかり見ることが出来ました。


私達が北大路橋に歩き着いた頃には
五山のうちで一番最初に点火された
右大文字の炎は小さく弱まっていました。

僅か30分ほどの炎のページェント。

長年京都で「送り火」を見てきましたが、
移動しながら見たのは昨日が始めてでした。

京都の真ん中を流れる賀茂川沿いを歩い
いると、京都盆地を囲む山々に火を燈して
精霊を送るという、壮大な発想は
何処から出てきたのか?ふと考え、
京都人に伝わる斬新な発想力、
古都の奥の深さを改めて感じました。


京都は現在でも世界最先端の先進科学技術を
誇る企業が多く存在していることをみても、
伝統を守り継承しながらも、新たな事も
発想していく性質の街であることに
変わりはないようです。

やはり京都は恐るべしです!