保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

京都の地蔵盆

2005-08-20 23:26:13 | シリーズ・京都を歩く
京都には、夏のお盆を締めくくる「地蔵盆」
という古くから民衆に伝わる伝統行事が
あります。

はっちんの住む亀岡市西つつじヶ丘でも
今日がその「地蔵盆」を執り行う日でした。

今年度、町内会長に当っている
私はっちんも今日は仕事を休み、
我が町内の「地蔵盆」のホスト役と
して参加しました。



早朝7時前から、役員総出で、お地蔵さんの飾りつけ、
テントの設営、会場となる公園の整備、アトラクション
や催し場の準備に大忙し!
9時には子供達がやって来きて、和尚さんの読経と法話が
始まる予定なので、皆さん、汗だくに
なりながら、準備に追われたのでした。



我が町内は0歳~小学6年生までの児童が
約120名もいる、周辺地域・自治会最大の
規模を誇る町内です。
9時過ぎから和尚さんがお経をあげ、今年の
地蔵盆の始まりです。
いい場所を取ろうと、沢山の子供達が朝早くから
やって来てくれました。

和尚さんがお経をあげている間、子供達は静かに
座り、また、続いてのありがたいお話も熱心に
聞いていました。最近の子供は…などと
よく聞きますが、どうして、昔と全く変わらず
純粋そのもの。立派でした。



和尚さんのお経と法話が終わると、子供達お待ちかねの
アトラクションや福引き、スーパーボールすくいなどの
イベントが隣の公園で行われます。
今年のアトラクションはマジックショーです。
地元で活躍されているマジッシャンコンビ
「みっちゃん&よっちゃん」が駆けつけてくれました。
目の前で繰り広げられる、不思議な世界に子供達も
目が「点」です。「なんでや~」「わからん~」と
隣の子と口々にしゃべりながら、笑顔一杯でした。



京都では、毎年8月22~24日が「地蔵盆」を
執り行う日柄となっています。
大人たちが、子供達のすこやかな成長を願い、
町内上げて企画する伝統行事で京都では
「お地蔵さん」という呼び名で親しまれております。

はっちんも子供頃、夏休み一番の楽しい
イベントといえば「お地蔵さん」でした。
2日間、家にも帰らず、ず~っと入りびたり、
ゲームや色んな遊びをしていた思い出があります。


「お地蔵さん」とは、仏教でいうところの
「地蔵菩薩」がその本尊で、
その縁日である毎月24日に行われていた
祭典がそのルーツと云われています。

「地蔵菩薩」は子供の守り神とも云われ、
賽(さい)の河原で石を積む幼子の霊が、
鬼にいじめられ苦しめられる時に
救いに来てくれるのです。

昔の日本では、子供の死亡率が高く、
子を亡くした親の悲しみを慰める話
として、民衆の心に伝わったとか。

元々、宗教的な行事ではありますが、
子供を愛しく思う親の切なる気持ちの
発露から、自然に始まった行事だと思います。

現代のような理屈ばかりの杓子定規な感覚で、
「一宗教の行事だ」と狭小に考えるのではなく、
子を思う、親の心情の奥深さを感じとれる
人として大切な行事だと思います。

宗教、宗派など関係なく、子供を思う親の
心は万国共通なのですから・・・