保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

幻に終わった400年キャラバン計画に思う・・・

2006-08-28 23:26:43 | 船頭
今日、8月28日は本来なら大阪・神戸で「保津川開削400年」
をアピールする為のキャラバン宣伝活動を実施する日だった。

我々遊船内の保津川下り400年委員会が最後の大仕事と位置付けた
このキャラバン計画は、若くて威勢のいい委員会メンバーで編成した
キャラバン隊を結成し、自ら繁華街に繰り出し、大々的に角倉了以翁と
保津川下りの400年をアピールする宣伝計画だった。

亀岡市観光協会さんの協力のもと、JR京橋、JR天王寺、JR三宮の
3駅前での宣伝活動の許可も取り、後は28日を待ち実行あるのみ!と
準備も万端に整えてあった。

が、しかし、あの落石事故が発生。

あれから13日が経った今も、再開には掛かることが出来ず、
このキャラバン計画も中止となり、幻のイベントとなってしまった。

「キャラバンの現場では、どの様に趣向を凝らしたら注目されるだろ?」
「どの様にアプローチしたら、パンフレットを受け取っていただけるだろ?」
などと連日、メンバーとの作戦会議を重ね、いろいろ面白い企画も出され
みんなとても気合が入っていた。
また、400年記念年度も中盤に差し掛かり
「さあ~これから本格的に計画実行に移ろう!」
との気運も最高潮に盛り上がってきていた矢先の
悪夢の様な出来事。

キャラバンが行なわれるはずであった今日、
落石事故があった現場を対岸から一人眺めていた。

我々の燃え上がった炎を一気に消すが如く、岩は頭上から
覆い被さってきたのだ。自然は私達に違う顔を見せた。

そこにどのような自然の思惑があるのか?
思案してみたが私には、到底わからない。

そして400年続く伝統の技を披露しながら、堂々と飾り下って
いるはずである保津川には今、船の流れる姿はない。

新聞報道では河原に迂回路を整備して、流す計画があるという。
しかし、安全を確保する為の本格的な防護工事には半年は掛かるだろう。

今も嵐山の中腹・大悲閣で保津川を見守り続けている角倉了以翁の霊は
眼下の保津川に船が流れない姿をどのような思いで見ているのだろ?

「保津の夜明け」はまだ当分、明けそうもないようだ。