讀賣新聞の23日付けオンラインによると、米国は在日米軍への超音速の中距離ミサイルの配備を見送ったという。東アジアをめぐる情勢が、緊迫しているにもかかわらず、そうした決定が行われることは、我が国にとってはあまりにも深刻である。
その理由としては、基地周辺の住民の理解を得られないことが指摘されるが、それは日本政府の怠慢にほかならない。
すでに、沖縄に常駐している米軍の戦闘機部隊が後方に下がることが明らかになっている。徐々に米軍は引きつつあるのだ。さらに、台湾有事の際に、虎の子の空母機動部隊を攻撃されるのを避けるために、前線に突入されることはないだろう。
いかに自衛隊が米国からトマホークを購入し、国産の「12式地対艦誘導弾」の長射程化を進めるにしても、それなりの時間がかかる。自衛隊の限られたミサイルの数では、反撃能力は蟷螂の斧でしかない。
我が国を攻撃しかねないかの国は、侵略のタイミングをうかがっているのではないか。我が国が防衛力を強化する前に、台湾に攻め込み、その周辺の日本の先島諸島や尖閣諸島を自国の領土とするだろう。
日本だけでは、食い止めることは難しい。米軍の超音速の中距離ミサイルの配備を、日本政府は求め続けるべきだ。日米安保条約を締結しているわけだから、日本を見捨てるようなことがあってはならない。日本政府が声を大にすべきはそのことなのである。