遅ればせながら『日本保守党』を買って読んでみました。ソフトカバーなのはベストセラーを狙っているからでしょうが、ビックリしたのは、出だしの「日本保守党宣言」の章が百田尚樹氏と有本香氏の対談であったことです。本というよりも雑誌の部類です。
日本保守党の結党のきっかけがLGBTであったので、それにまつわる話題にかなりのページが割かれていました。「国柄」とか「国防」とかいう言葉をちりばめている割には読みやすいので、それなりに売れると思います。
わざわざ表紙に日の丸を使い「愛する日本を守りたい」というコピーが登場するような時代が到来したのですから、70年代の初頭に大学生だった者にはとっては、まったく考えられない本です。
少しばかり気になったのは、戦後の日本で保守派の論客としてリードしてきた人たちの名前が、一人も出てこないことです。二人とも小林秀雄、田中美知太郎、福田恆存という思想家に影響されなかったのでしょうか。
今の日本の保守派が対決を迫られているのは、マルチチュードという思想です。抑圧された少数派が多数派を形成し、政治的な主導権を握るというプロパガンダです。アントニオ・ネグリのその思想はかなり強力です。それがまったく触れられていないのもチヨッピリ残念です。
保守的な流れが今のご時世で勢いを得ていることだけは、誰の目にも明らかです。その一つが『日本保守党』の出版なのです。喫茶店であっという間に読めるような本ですが、良し悪しは別にして、保守思想がファッションになる時代が到来したような気がしてなりません。それだけに「期待したほどでなかった」というのが僕なりの感想です。
日本保守党の結党のきっかけがLGBTであったので、それにまつわる話題にかなりのページが割かれていました。「国柄」とか「国防」とかいう言葉をちりばめている割には読みやすいので、それなりに売れると思います。
わざわざ表紙に日の丸を使い「愛する日本を守りたい」というコピーが登場するような時代が到来したのですから、70年代の初頭に大学生だった者にはとっては、まったく考えられない本です。
少しばかり気になったのは、戦後の日本で保守派の論客としてリードしてきた人たちの名前が、一人も出てこないことです。二人とも小林秀雄、田中美知太郎、福田恆存という思想家に影響されなかったのでしょうか。
今の日本の保守派が対決を迫られているのは、マルチチュードという思想です。抑圧された少数派が多数派を形成し、政治的な主導権を握るというプロパガンダです。アントニオ・ネグリのその思想はかなり強力です。それがまったく触れられていないのもチヨッピリ残念です。
保守的な流れが今のご時世で勢いを得ていることだけは、誰の目にも明らかです。その一つが『日本保守党』の出版なのです。喫茶店であっという間に読めるような本ですが、良し悪しは別にして、保守思想がファッションになる時代が到来したような気がしてなりません。それだけに「期待したほどでなかった」というのが僕なりの感想です。