会社は9時からだ。カードを通す。いくつかの部屋を通って、商品開発部2に入る。「おはようございます」が飛び交う。パソコンの電源を入れる。「カチリ」。部屋は辞書科と関数電卓科に分かれている。仕事はバグ取り。すなわち、プログラムのチェックだ。不具合を見つけ、商品開発部1で修正する。商品開発部1も2も社員さんは数名だ。商品開発部1のプログラマーさんも商品開発部2の私達(資格は持っていない)もほとんどが派遣社員だ。私は関数電卓科に5年いる。古株だ。社員の出入りが多い。ほとんど2,3年で辞めていく。一番古いのは山下さん。子供が二人いると聞いた。私は誰ともプライベートでは付き合わない。処女は行きづりの男にあげてしまった。邪魔だったから。何にも感じなかった。身体の上を男が過ぎ去っていった。二度と会わない。顔も忘れた。
決定版・三島由紀夫全集(新潮社)を図書館で借りてきた。三島由紀夫は二十歳代に読みあさった作家ですが、30年も読んでいない。今回は確認したいことがあったからです。39巻。対談集です。安部公房と小林秀雄を読みましたが、今は最初から読み進めています。とてもおもしろい。とにかく新鮮なのに驚きました。語られていることが全然古くない。核心を突いています。切ったら、血しぶきが出る対談。二十歳代の彼が真摯に語っています。気に入った言葉があれば書き留めています。
闘いがなくてブロックじゃ困る。舟橋聖一
嫌いなものに嫌いというのは、無視できないからですよ。それとも、そこから何かを言いたいからだと思います。
谷崎の「細雪」は化粧で始まり、下痢で終わる。それが何故「たいしたもの」なのか。「細雪」を図書館で借りてきました。時間がいくらあっても足りない。
闘いがなくてブロックじゃ困る。舟橋聖一
嫌いなものに嫌いというのは、無視できないからですよ。それとも、そこから何かを言いたいからだと思います。
谷崎の「細雪」は化粧で始まり、下痢で終わる。それが何故「たいしたもの」なのか。「細雪」を図書館で借りてきました。時間がいくらあっても足りない。
今日は思い切って、「お子様ランチ」を注文した。ムッシュなら…。「お子様ランチ。ありがとうございました」ムッシュは復唱する。ボーイが確認に来た。すごくいやな気分になった。私は思わず言ってしまった。
「おかしいと思う、君」
「機械ですから」
私は立ち上がった。
「もう、いい」
その日、夕食を食べなかった。
「おかしいと思う、君」
「機械ですから」
私は立ち上がった。
「もう、いい」
その日、夕食を食べなかった。