年が明けても、私の日常は変わらない。会社へ行って働いて、家に帰って眠る。去年の、もう、去年になった、天皇誕生日に海を見に行った。誰もいない浜辺に座って海を見ていた。寄せては返す波を見ていた。私はこんな所で何をしているのだろう。友達もいない。正月は家に帰ろう。でも帰らなかった。もう家には私の居場所がない。ムッシュのことを思った。私はムッシュと同じだ。
こんな夢を見た。
他人の顔になっていた。見たこともない女の顔になっていた。驚かない自分が不思議だ。歯を磨き、顔を洗い、居間に行った。父は新聞を広げて読んでいた。母は味噌汁を温めていた。妹の姿はない。「おはよう」私が言うと、父も母も、「おはよう」と返した。そのうち、妹も起きてきて、「おはよう」と言った。誰も私の顔が変わっているのに気づかない。「何か気づかない？」と私は言った。三人が私を見て、首を振った。「昨日より老けている」妹が言った。三人が笑った。
他人の顔になっていた。見たこともない女の顔になっていた。驚かない自分が不思議だ。歯を磨き、顔を洗い、居間に行った。父は新聞を広げて読んでいた。母は味噌汁を温めていた。妹の姿はない。「おはよう」私が言うと、父も母も、「おはよう」と返した。そのうち、妹も起きてきて、「おはよう」と言った。誰も私の顔が変わっているのに気づかない。「何か気づかない？」と私は言った。三人が私を見て、首を振った。「昨日より老けている」妹が言った。三人が笑った。
「失われた言葉の断片」という言葉は、「グレート・ギャッビー」スコット・フィッツジェラルド作 村上春樹訳のＰ204にある。
言葉を入れる瓶。青の瓶には悲しい言葉。透明な瓶には美しい言葉。赤い瓶には熱い言葉。もう一つの瓶には失われた言葉の断片。
私は勝手に彼（？）をムッシュと呼んでいる。時々、夕食に立ち寄るファミリーレストラン。夕食時も混雑していない。私は大きなテーブルで、小さな夕食をとるのが好きだ。今日はミラノ風ドリアとトマトサラダ。気が向けば仕事もする。派遣社員は、社員のことを社員さんという。蔑視か、羨みか。もちろん私もそう呼ぶ。同じ仕事をしながら待遇がまるで違う。ああ、こんなのでいいのかなあ。年は容赦なし。結婚。気の小さな私が、他人と暮らしていけるだろうか。それも男と。ムッシュが来た。メニューを広げる。私はボタンを押す。
「ミラノ風ドリアとトマトサラダ。ありがとうございました」ムッシュは復唱する。
料理を待つ間、小説を読む。「老人と海」・ヘミングヴェイ・福田恆在。短い小説を何度も読む。
「この男に関する限り、何もかも古かった。ただ眼だけがちがう。それは海と同じ色をたたえ、不屈な生気をみなぎらせていた」
海と同じ色。長い間、海を見ていない。次のお休みに行ってみようか。海が見たくなる。
「お待たせしました」
ムッシュが料理をテーブルの上に置く。
「ありがとう、ムッシュ」
私は声に出さずに言う。
冬の日、仕事で遅くなった。ファミリーレストランは閉まっているだろう。コンビニで何か買って帰ろう。色々考えながら、冬の夜道を歩いた。ファミリーレストランに電気がついていた。何気なく覗くと、ムッシュがいた。床に掃除機をかけていた。彼は眠る必要も、食べる必要もない。私はそんなムッシュを見ていた。一筋涙が流れた。
言葉を入れる瓶。青の瓶には悲しい言葉。透明な瓶には美しい言葉。赤い瓶には熱い言葉。もう一つの瓶には失われた言葉の断片。
私は勝手に彼（？）をムッシュと呼んでいる。時々、夕食に立ち寄るファミリーレストラン。夕食時も混雑していない。私は大きなテーブルで、小さな夕食をとるのが好きだ。今日はミラノ風ドリアとトマトサラダ。気が向けば仕事もする。派遣社員は、社員のことを社員さんという。蔑視か、羨みか。もちろん私もそう呼ぶ。同じ仕事をしながら待遇がまるで違う。ああ、こんなのでいいのかなあ。年は容赦なし。結婚。気の小さな私が、他人と暮らしていけるだろうか。それも男と。ムッシュが来た。メニューを広げる。私はボタンを押す。
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海と同じ色。長い間、海を見ていない。次のお休みに行ってみようか。海が見たくなる。
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私は声に出さずに言う。
冬の日、仕事で遅くなった。ファミリーレストランは閉まっているだろう。コンビニで何か買って帰ろう。色々考えながら、冬の夜道を歩いた。ファミリーレストランに電気がついていた。何気なく覗くと、ムッシュがいた。床に掃除機をかけていた。彼は眠る必要も、食べる必要もない。私はそんなムッシュを見ていた。一筋涙が流れた。
時の廻廊
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もし見られないならアクロバットリーダーの最新版をダウンロードしてください。75%表示が見やすいと思います
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小説を書く時、主人公の年齢と出来事を年表に作っておけばとても便利です。自分史を書く場合も役に立ちますね。萌え年表（有料）です。少し難しいですががんばって下さい。久しぶりに使って、どうしたっけと迷うことがあります。少し前までホームページを縦書きで表示するのはとても難しかった。ＵＲＬを埋め込むのも出来なかった。今はとても簡単です。やはり小説は縦書きと思います。ＰＤＦについてはまずは小説を見て下さい。 。（もし見られないならここからアクロバットリーダーの最新版をダウンロードしてください）
手順は次の通りです。
１ 一太郎か、ワードで文章（2007からはＰＤＦの発行で直接ＰＤＦファイルに出来ます）を書く。瞬間ＰＤＦZERO V2を使っています。文章ファイルをドロップすれば簡単に変換してくれます。
2 自分のホームページにFFFTPでアップロードします。
3 ブログにＵＲＬを公開すれば、誰にでも読んでもらえます。ホームページを作るよりずーと楽ですよ。
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3 ブログにＵＲＬを公開すれば、誰にでも読んでもらえます。ホームページを作るよりずーと楽ですよ。
散歩中大きな鳥が目の前を横切る。新しい世界を見たような気がした。鳥はいくら探しても見つからなかった。本当に見たのだろうか。足を止めると、そこに巨大な鳥がいた
小説を書くために重宝しているソフトを紹介します。
１ ワープロ 一太郎ver1から使っていましたが、去年ワードに変更、今年からまた一太郎2008に戻りました。ワードも使いこなせますが、小説を書くなら一太郎というのが結論です。Vｉｓｔａにも対応していますし、ワードとの互換性も増したとのことです。一緒に購入した「広辞苑第六版ｆｏｒ ＡＴＯＫ」は本当に素晴らしい。
2 誤字脱字のチェックにドキュメントトーカーＰＬＵＳＶ２（読み上げソフト）を使用しています。ドキュメントトーカ日本語音声合成エンジンは5040円と少し高いが値打ちはあります。非常になめらかに読んでくれます。校正が楽になりました。
3 短い文章のストックにはズバリ日記帳を使っています。 日記代わりになりとても便利です。この文章もこのソフトで書いています。書いた後は、ドキュメントトーカーＰＬＵＳＶ２でチェック。次回は年表ソフト、ＰＤＦ作成についてお話しします。
１ ワープロ 一太郎ver1から使っていましたが、去年ワードに変更、今年からまた一太郎2008に戻りました。ワードも使いこなせますが、小説を書くなら一太郎というのが結論です。Vｉｓｔａにも対応していますし、ワードとの互換性も増したとのことです。一緒に購入した「広辞苑第六版ｆｏｒ ＡＴＯＫ」は本当に素晴らしい。
2 誤字脱字のチェックにドキュメントトーカーＰＬＵＳＶ２（読み上げソフト）を使用しています。ドキュメントトーカ日本語音声合成エンジンは5040円と少し高いが値打ちはあります。非常になめらかに読んでくれます。校正が楽になりました。
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時の廻廊
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