馬の肉を桜、猪の肉は牡丹と言うけれど、この桜肉に目がないのが息子である。
17歳にして馬肉の味が恋しいというのもなんとも・・・だが、彼が馬刺を初めて食べたのはもう10年以上前のこと。保育園児の頃、土曜日に実施された夫の職場の有志によるハイキングツアーに家族揃って参加させて頂いたときのことであった。
家族揃って職場の行事に参加したことは後にも先にもこの時のみ。普段は最寄駅まで歩くのだって疲れれば抱っこポーズを取るような軟弱な息子が、果たして10キロメートルのコース、本当に歩けるのだろうか、途中でリタイアするにも電車の駅まで歩くことも難しそうだし・・・と、かなり心配していた。が、案ずるより産むが易しで、結局、夫におんぶされたり、途中で休んでいれば皆さんに叱咤激励して頂きながら、なんとかかんとかゴールまで歩破することが出来た。
そのコースの上がり地点の昼食で馬刺が出たのだ。もちろん高価なものだから(私だってそれ迄殆ど食べたことなどなかった。)数切れのものが恭しく何皿かテーブルに上っていたのだけれど、一切れ食べた息子は「美味しい!」とおかわりを所望し、殆ど1人で全皿平らげてしまったのである。何も食べさせていないみたい・・・と私が恥ずかしさで下を向いたのはご想像のとおりである。
以来、息子は何かといえば「馬肉は桜っていうんだよね、美味しかったなあ。また食べたいなあ。」を繰り返していた。
いつだったか、部活の取材のために、いつも乗っている私鉄の終点(都営線と乗り入れている)迄出かけた時、沿線に桜なべ・馬肉料理の専門店を見つけたという。そこで馬肉を思いっきり食べてみたい、というのが彼のたっての希望だった。
機会あって、家族揃って先日、そのお店を訪れることが出来た。
創業は明治30年。昭和29年建築の粋な木造建築からはレトロな香りがする。引き戸を開けて三和土を上がると、下足番の方から下足板を頂く。縄のれんをくぐると、眼の前には籐敷きの大広間が広がる。奥には縁側と、その向こうに小さな池のある庭が整えてある。いかにも古き良き昭和のお家の佇まいだ。
ステンレスの長机が二列、壮観に並べられていて、テーブル上には等間隔にコンロが置いてある。連れ同士は向かい合い、隣には他のお客さんが座る「入れ込み式」というそうだ。白いカバーが施された懐かしい感じの小さめの座布団に腰をおろして、ふと顔を上げると座敷奥の大きな時計の隣には一体どれほどの大きさかと圧倒されるほどの巨大な商売繁盛熊手が飾られている。
食器も浅めの鉄鍋も、全てお店の紋とお店の名前の文字が入ったオリジナル。桜なべ、馬刺し、たたき、あぶらさしとフルコースを夫からご馳走になった。残念ながら馬肉の煮つけは、シーズンが終わってしまって、お土産にすることが出来なかったけれど、すっかり堪能した。
馬肉は高タンパク・低脂肪・低カロリーで夏は夏バテ防止、冬は体を温めるのに効果があるという。また吸収率の高いヘム鉄が非常に多く、貧血気味の女性、妊婦さんにも特にお薦めだそうだ。
次回はいつ行けるかしら・・・と、味をしめて次も楽しみにしてしまうほど美味しい体験だった。スポンサーの夫と、しつこくリクエストしてくれた息子に感謝である。
今日は花冷えを通り越して、また冬が舞い戻って来たかのような寒い一日となった。朝から霧雨が降り続き、まだ仕舞っていないダウンとブーツを着込んで出勤した。
今年度の出勤日もあと2日を残すだけとなった。週が明ければ新年度である。
17歳にして馬肉の味が恋しいというのもなんとも・・・だが、彼が馬刺を初めて食べたのはもう10年以上前のこと。保育園児の頃、土曜日に実施された夫の職場の有志によるハイキングツアーに家族揃って参加させて頂いたときのことであった。
家族揃って職場の行事に参加したことは後にも先にもこの時のみ。普段は最寄駅まで歩くのだって疲れれば抱っこポーズを取るような軟弱な息子が、果たして10キロメートルのコース、本当に歩けるのだろうか、途中でリタイアするにも電車の駅まで歩くことも難しそうだし・・・と、かなり心配していた。が、案ずるより産むが易しで、結局、夫におんぶされたり、途中で休んでいれば皆さんに叱咤激励して頂きながら、なんとかかんとかゴールまで歩破することが出来た。
そのコースの上がり地点の昼食で馬刺が出たのだ。もちろん高価なものだから(私だってそれ迄殆ど食べたことなどなかった。)数切れのものが恭しく何皿かテーブルに上っていたのだけれど、一切れ食べた息子は「美味しい!」とおかわりを所望し、殆ど1人で全皿平らげてしまったのである。何も食べさせていないみたい・・・と私が恥ずかしさで下を向いたのはご想像のとおりである。
以来、息子は何かといえば「馬肉は桜っていうんだよね、美味しかったなあ。また食べたいなあ。」を繰り返していた。
いつだったか、部活の取材のために、いつも乗っている私鉄の終点(都営線と乗り入れている)迄出かけた時、沿線に桜なべ・馬肉料理の専門店を見つけたという。そこで馬肉を思いっきり食べてみたい、というのが彼のたっての希望だった。
機会あって、家族揃って先日、そのお店を訪れることが出来た。
創業は明治30年。昭和29年建築の粋な木造建築からはレトロな香りがする。引き戸を開けて三和土を上がると、下足番の方から下足板を頂く。縄のれんをくぐると、眼の前には籐敷きの大広間が広がる。奥には縁側と、その向こうに小さな池のある庭が整えてある。いかにも古き良き昭和のお家の佇まいだ。
ステンレスの長机が二列、壮観に並べられていて、テーブル上には等間隔にコンロが置いてある。連れ同士は向かい合い、隣には他のお客さんが座る「入れ込み式」というそうだ。白いカバーが施された懐かしい感じの小さめの座布団に腰をおろして、ふと顔を上げると座敷奥の大きな時計の隣には一体どれほどの大きさかと圧倒されるほどの巨大な商売繁盛熊手が飾られている。
食器も浅めの鉄鍋も、全てお店の紋とお店の名前の文字が入ったオリジナル。桜なべ、馬刺し、たたき、あぶらさしとフルコースを夫からご馳走になった。残念ながら馬肉の煮つけは、シーズンが終わってしまって、お土産にすることが出来なかったけれど、すっかり堪能した。
馬肉は高タンパク・低脂肪・低カロリーで夏は夏バテ防止、冬は体を温めるのに効果があるという。また吸収率の高いヘム鉄が非常に多く、貧血気味の女性、妊婦さんにも特にお薦めだそうだ。
次回はいつ行けるかしら・・・と、味をしめて次も楽しみにしてしまうほど美味しい体験だった。スポンサーの夫と、しつこくリクエストしてくれた息子に感謝である。
今日は花冷えを通り越して、また冬が舞い戻って来たかのような寒い一日となった。朝から霧雨が降り続き、まだ仕舞っていないダウンとブーツを着込んで出勤した。
今年度の出勤日もあと2日を残すだけとなった。週が明ければ新年度である。