カタラーゼという酵素をご存じですか?
詳細はともかく、この酵素活性を利用して簡単にできる試験があります。
食品業界では比較的ポピュラーな試験なのですが、知っていると何かの役に立つかもしれないので、紹介します。
①これは鳥のもも肉を火で良くあぶった(焼き鳥にした)ものに、市販のオキシドールを加えたもの。
②左の試験管には生の鳥のもも肉を入れて、オキシドールを加えたもの。
肉などタンパク質からできているものに過酸化水素水を加えると、このような変化が見られます。この泡の正体は酸素。
かなり乱暴に簡単に説明すると、カタラーゼは、過酸化水素と反応すると、タンパク質(ヘムタンパク)を酸素と水に分解する働きがあるのです。
またタンパク質は熱に敏感で、熱が加わると変化してしまい(変性)、酵素の活性(働き)がなくなってしまうんです(失活)。
これを応用して、
泡が出るということは、熱が加わっていない=「生」
泡が出ないということは、熱が加わっている=「生ではない」という判断ができるわけです。
熱がしっかり通っている肉を食べれば、おなかが痛くなることはありません。
これから暖かくなってくると、BBQなんかをする機会が増えてきますよね。
市販のオキシドールでできる簡単な試験なので、火が通っているかどうかの判断基準として利用するのもいいのではないかと思います。
食中毒の原因にカンピロバクターという菌があるんですが、
これの食中毒の主な原因は、肉の加熱不足です。かっこつけて生肉食って腹をこわすより、しっかり火を通した方がかっこいいんですよ!
他にもいろいろな応用ができるカタラーゼ試験。
どうぞお見知りおきを。