散日拾遺

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「苦言」に苦言

2019-11-23 09:50:40 | 日記
2019年11月26日(火)
 この件はもう書かないつもりだったが、新聞記事が目に入っちゃったので。

 

 「九州場所で優勝した白鵬が立ち合いで見せる張り手やかちあげについて、横綱審議委員会が25日、苦言を呈し、日本相撲協会に指導するよう要請した。ともに禁じ手ではないが、矢野弘典委員長は「横綱の振る舞いとして見苦しい、と(委員の)ほとんど全員から意見が出た」と話した。横審は2年前にも白鵬のかちあげなどに苦言を呈している。」
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 これではダメです。白鵬がこの記事を読んだとして、注目するのは「ともに禁じ手ではないが」という部分だけだ。禁じ手でないなら勝手にさせていただきましょう、その余はいっさい御意見御無用、こちらは体を張って勝ちに行ってるのでねと、歯牙にもかけるものではない。
 「張り手」はなるほど張り手ではあろうが、「かちあげ」は用語の誤り、白鵬のやってるのは「かちあげ」ではなく「肘打ち」だというのが、どうしてわかんないのかな。本来の「かちあげ」は立派な技で、相撲の醍醐味の一つですらある。「肘打ち」は外道、相撲の技にあらず。
 「張り手」は見苦しい、「肘打ち」は禁じ手、はっきりそう言わないことには白鵬、耳など貸しはしない。一、二場所はおとなしくするかもしれないが、すぐまたバチコン始めるに決まっている。横審も相撲協会も、腹の底では舐めきっていること、過去の言動から明らかだ。現に2年前の「苦言」がどれほどの効果があったか、皆さんよくよく御存じだろうに。
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 記事の前の方で紹介された白鵬の言葉:
 「自分の喜びより、(ファンの)みなさんが喜んでくれるのが一番」
 ファンが喜んでくれるように、それで張り手に肘打ちですか。横審や協会ばかりかファンも舐められきっているわけだ。
 
 大相撲を見、友だちと相撲を取りながら育ってきた日本の子どもとして、真に真に残念至極。
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