散日拾遺

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追伸 ~ 街場の外交談義

2017-01-22 22:26:30 | 日記

2017年1月22日(日)

 勝沼さんへの追伸です。当ブログもそこそこ継続するにつれ、同じことを新しげに何度も書いていたり、書いた覚えのないことが埋もれていたり、ガラクタ箱の面白さが出てきて悦に入っていますが、それもこれも読んでくれる皆さんのおかげでして。

 アメリカの国際戦略が ~ アメリカだけに限らないかも知れませんがとりわけ目立って ~ A国を抑えるためにB国にテコ入れし、その結果強くなりすぎたB国を抑えるためにC国に肩入れし、C国が増長してくるとグルッと回ってA国やB国を助け起こす愚かしさの連鎖であることを、だいぶ前に書いたような気がします。現に中東などで悪性の連鎖反応が進行中ですが、その出発点は他ならぬ日本を叩くために中国と結んだところにあっただろう、等々。

 トランプ流の大ナタがこうした連鎖を断ち切る方向に動くなら、長い目で見て案外な効果もあるかもしれません。ただ今さら引くにはアメリカは既に深入りしすぎているし、中東等に深い利害関係をもつ組織や個人も多数あり、アメリカが引けばロシアなり中国なりがここぞとばかり出てくるだけですから、なかなか less bad とはいかないような気がします。シリアが当面の試金石になるかと思うのですが、こうして騒ぎが大きくなればなるほど拉致被害者の帰国が遠くなるかと、残念でなりません。

 それにしても「世界80カ国で470万人が抗議行動」(朝日新聞一面)って、たいへんな動員力ですね。僕らはそういう時代に生きているんですね。鏡像現象として、ヨーロッパの右翼政党が軒並み勢いづいているのも見逃せないでしょう。しかし「各国の極右指導者が一堂に会する」って何だか不思議です。右翼というのは国粋主義だから右翼なんで、要するに自国・自民族の利益伸長以外に関心をもたないのだから、国境を越えた連帯って語義的にあり得ないですよね。もちろん政治は語義で動くものではないし、さしあたりお互いの損にならないエール交換なら、 win-win (!)の広報イベントってことですか。

 『夕陽のガンマン』の中で、クリント・イーストウッド扮する賞金稼ぎとリー・ヴァン・クリーフ演じるモーチマー大佐が盗賊退治で手を組みながら、「(賞金を手にするのは)結局は一人ってことさ」と毒々しく笑い交わす場面がありましたっけ。この二人は最後は和やかに別れるんですけれど、映画ですからね。禿頭の悪役面、リー・ヴァン・クリーフは好きな俳優でした。

    

Ω


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