プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

文化についての考察

2024-10-26 21:52:00 | 新聞記事



毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」89回めの今回はタヒチのカヌー文化についてです。日本のアウトドアのどのジャンルもレジャーや体育の領域を超えて次の領域に押し上げていかなきゃいけない段階にきていると思いますが、その一つのヒントになるような文化について考察した話。
 ご興味ありましたらどうぞご一読ください。

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ナビゲーション講習

2024-10-22 15:01:00 | スクール



うちではカヤックの「ナビゲーション講習」というプログラムを大切にしています。

 海にまつわる気象現象や海岸線の地理地形といった、大いなる自然の営みの下で行われるアクティビティにおいて、小手先のスキル以上に重要になるのが、自然の放つ暗号を読み解き、進路をみいだしていく(ウェイ ファインディング)術というものです。それが安全につながると同時に、深い自然との対話を可能にする、最大の面白みがあります。

 身ひとつで漕ぎいでる海上では陸上の何倍も、視覚、聴覚、嗅覚、肌感覚、体性感覚など、いわゆる五感を研ぎ澄ませて進んでいきます。その現場では、21世紀も旧石器時代も変わりはなく、太古から人間にそなわった感覚機能をフル稼働させる必要があります。何万年も前から存在し、今後も何万年も続く根源的な遊びという意味において、カヤッキングほどその本質をはっきり意識、客観視しながらできるアクティビティはないとすら言いうるでしょう。そして、そこに限りない豊かさがあるのです。

 その季節その時間が語りかけてくれる風や波や月や太陽や鳥や魚のささやきに耳を傾け、場所との関わり合いや愛情を育みながら、一本の美しいラインを描くこと。その積み重ねによって、自然観を深めてゆく遊び、それがカヤッキングの本質です。そして、その術を学ぶのがアイランドストリームのナビゲーション講習です。

 直近では10月30日、11月7日に開催しますが、その他の日でもリクエスト可。もし興味がありましたらご参加ください。
https://www.island-stream.com/sea_kayaking/index.php?p=navigation

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のどかな1日

2024-10-14 11:19:00 | イベント











 有田川河口で行われたイベントに出店参加。

 川と海のボーダーラインの水は独特のトロみと粘り気と甘さを含んでいる。汽水域の、まだ塩辛さが味に現れないくらいの微妙な塩分濃度の水って、ほんのり甘い味がするものだ。

 秋晴れの下、川の気と海の気が出会う河口域の自然の鼓動につつまれながら、地域内外の人たちとゆるく交流する、のどかな1日。


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吟遊詩人の世界

2024-10-11 16:59:00 | アート・文化

















 みんぱくの特別展示「吟遊詩人の世界」を観に。

 エチオピア、インド、バングラデシュ、ネパール、日本(瞽女)、マリ、モンゴルなどの弾き語り系吟遊シンガーの「伝統と今」がわかる展示だが、中でも、みんぱくシアターで上映されているドキュメンタリー映画が面白かった。

 滋味深い豊かな伝統文化も、そのままでは渋すぎ、地味すぎて今では誰も見向きもせず、悲しいかな博物館行きか観光客相手の物乞いか、に堕してしまう。そうではなく、伝統の形やスピリットを継承しつつ現代のアートとして刷新していこうとする、若い世代に焦点が当てられたムービー。

 どんなジャンルにせよ、世代毎に伝わってきた古い文化には深みがあって、今のインスタントラーメンのような消費系エンタメより遥かに素晴らしい本質をもってるものだけど、いかんせん古すぎ、地味すぎ、渋すぎて、とっつきにくいことが多い。
 それをいかにして新しい命として繋いでいくことができるか、そこが興味深いところ。

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秋の海の懐

2024-10-02 13:57:00 | 湯浅湾ツアー
















 
 秋の海は海だけでなく、風景全体が透明感に包まれて大自然の核心部分まで透けて見えるかのような瞬間がある。

 秋の海とは歌謡曲的な世界では、寂しさ、過ぎ去ってゆく楽しき日々、切なさなどの象徴のように使われるけど、それはあくまで表層的な記号イメージ。

 全身で知覚する本当の秋の海は自然の深い美しさ、懐の深さ、喜びをもたらしてくれる世界。

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シーラカンスかと

2024-10-02 13:45:00 | 湯浅湾ツアー


 
 アオブダイか何かの死骸。
 7〜80センチくらいあった。 
 最初、シーラカンスかと思った。
 カルモ島にて。

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子供&親子カヤックキャンプ教室

2024-10-02 13:40:48 | イベント

 来たる10月19日(土)~20日(日)にかけて、当店アイランドストリームにて「湯浅湾・子供&親子カヤックキャンプ教室」を開催します。

 カヤックの荷室にテント、寝袋、マット、着替え、食料などを積み込み離陸。美しい海岸を愛でつつ、人の入ってこれない浜まで漕いでいき、そこでキャンプします。夜は流木を集めて焚火し、料理を作ってみんなでいただきます。その後は秋の夜長、波音を聞きながら焚火を囲んで語り合います。

 そんなカヤックキャンプとは縄文時代から変わらない野外スタイルであり、最大限に人工物を排した究極のアウトドア体験だと言えます。またその楽しみ方そのものが、災害時のサバイバルとも密接に繋がっていますので、その術を身に着けることによって、いつか必ず来る災害への心強い備えになると言えるでしょう。
 非日常空間で、学びつつ楽しむ、楽しみつつ学ぶ、いろんな人と交流する、貴重な1泊2日のキャンプ。
 参加者募集中。

 ※子供も大人も全世代が交流しましょうという意味で、一般の大人の方の参加もOKです。詳細はサイトにて

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体感アート

2024-10-02 13:34:00 | 紀伊半島
 
















 先日の串本ツアーは海が荒れたので、急遽、古座川ツアーに変更。コンディショに応じて臨機応変に海山川すべてを味わえるのが南紀のフィールドのよさ。
 紀伊半島のさまざまな場所に身を置き、身体感覚で場所場所をパズルのように当てはめていって 一つの感性による地図を描くような作業。
 レジャーというより体感アート。

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秋の海

2024-10-02 13:18:26 | 湯浅湾ツアー

  まだまだ暑いけど、秋の海はいい。
 
 感覚的な言い方だけど秋の海は雲、風、潮、うねりの波長、気圧、太陽光線、月など、周囲を取り巻く世界のすべてがくっきりレイヤリングされた上で重層的に絡み合っていることが肌感覚でわかる。
 夏の海の場合、それらが解像されずグヂャッと一塊になっている感じ。

 まあなんのこっちゃわからんかもしれんけど、そんなことを感じながら海に出る日々。

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カヤック旅で出会う普通の人々

2024-10-02 12:54:39 | 新聞記事

 毎日新聞連載コラム、88回目はタヒチ・フアヒネ島での話です。

 カヤック旅っていうと、死にかかって命からがら助かったとか、とんでもない変な人物に出会ったりとか、妙なトラブルに巻き込まれたりなど、ドラマティックなエピソードを旅話として期待されがちだけど、やってる人間としてはそういうのは別にそれほど面白いわけでもない。

 むしろ地味な、その土地に固有の自然の鼓動に触れたりとか、あるいは絶対にニュースになど出てこないような普通の人々の日常を垣間見るような出会いの方がはるかに面白い。そしてカヤックとは、そういうことを得意とする旅のツールだ。基本人間も、ニュースに出てくるような人物より、普通の人の方が面白いという真理が、カヤック旅をするとよくわかる。
 というわけで、興味があればどうぞご一読ください。

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人間世界の最果て

2024-09-02 20:29:00 | 新聞記事



 毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、87回目の今回はタヒチ・ランギロア環礁です。地球の果て、いや、人間世界の最果てを感じさせる、この世の空間とは思えない美しい場所です。興味ある方はどうぞご一読ください。


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オールドタヒチの感覚残る島

2024-09-02 20:24:00 | 新聞記事



 毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、86回目の今回は、タヒチ・タハア島です。まあ、素晴らしい島です。もしよろしければご一読ください。


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ライアテア島と那智勝浦

2024-09-02 20:19:00 | 新聞記事



 毎日新聞連載コラム「シーカヤックで再発見」、8年目に突入の今回はポリネシアの最重要聖地であるタプタプアテアのマラエについてと、そこと似たフィーリングを持つ那智勝浦の寺の話です。興味ありましたらどうそご一読ください。


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大気の踊り場

2024-09-02 20:06:00 | 紀伊半島











 台風前に久々に行った大台ヶ原。

 熊野灘を通る黒潮から水蒸気があがり、大台ヶ原の高い山の斜面に当たって上昇気流となり雲を招く大気の踊り場。
 台風の被害がなければいいのだが。

 またちょくちょく行きたい。
 


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先住民文化とアウトドアカルチャー

2024-09-02 19:53:00 | アート・文化


 
 先住民文化を特集した雑誌を最近よく見るが、目についたらとりあえず買う。

 先住民文化の良さ、面白さはなんといっても、その土地その場所その季節に特徴的な風、波、花の香り、川のせせらぎ、うねりの怒涛などに固有の名前がついていて、そこに物語性や音楽的ヴァイブスが込められているところ。

 ぼくらがカヤックという北方系先住民の小舟に乗るのも、要はそういう世界観にリアルに触れたいから。自然の現場では、下手して状況判断をミスったら生き死に関わる事態におちいる可能性もある。そんな中で目や耳や鼻や皮膚を研ぎ澄ませて花鳥風月の音楽的調和点を結びつつ、美しいラインを描くこと。そこから見えてくるものを探り、それを何がしかの形で表現すること。

 それはカヤックのみならず、これからのアウトドアカルチャー全般が目指すべき、一つの方向性だといえるだろう。


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