インド亜大陸南部、
アンダマン・ニコバル諸島、
UAE,
オマーン、
ヴェトナム・ハロン湾、
と、カヤックフィールドリサーチしてきて、今はタイ南部のクラビのネットカフェににいます。この後、26日から3月4日までアイランドストリームとしてのスペシャルカヤックツアーを催行し、そして帰国予定です。
やや奥歯の虫歯の状態が良好じゃなくなってきた以外はすべてが順調に進んでいますが、このナイス・カヤックトリップの中でも特にオマーンは素晴らしい場所でした、海は美しく、砂漠は広大で岩山はワイルド、人々はジェントルで治安が抜群によくエキゾチックなアラビアンテイストがそこここに漂っている。首都圏のマスカット地方、アラビア半島最東端のスール地方、雪のような砂漠に覆われたマシーラ島、そしてイランを50キロ隔てて有事には世界一ヤバイといわれるホルムズ海峡(反米イランが怒ってここを封鎖すると原油タンカーが行き来できなくなり、色々状況がめぐりめぐって核戦争のシナリオがシミュレートされている)に面したムサンダム半島とみっちりリサーチしました。逆に自然としてのホルムズ海峡は実に野性味に富んでいて、海ガメ、イルカ、サメ(人食いじゃないやつ)などワイルドな連中にいっぱい会いました。ここでは無人の海岸でのキャンプも面白かったです。またオマーンはカヤックやシュノーケリングだけじゃなく、レンタカーでのドライヴも面白い国で、ヒッチハイカーを拾ったりまた自分も拾われたりしましたが、ヒッチハイクとかキャンプとかが安全にできる国ってほんとに稀少なんですよね。
多分来年からタイ・クラビツアーに加えてオマーンツアーもラインアップに加えられることとなりそうです。
今回のトリップもさまざまな発見がありましたが、やはり年々世界は、特にアジアは、めっちゃグローバル化が進んできてるなという印象が強いです。グローバル化というと「アメリカン・グローバリズム」がイメージされがちですがそれももう古く、多国籍の人々がボーダーを超えて流動し混在している状態という意味での多元的グローバリズムのことです。
アジアでは東アジアと南アジアがほとんど繋がっていて、
南アジアと中東が、インド、パキスタン、バングラデッシュ系の移民を通じてダイレクト化している、
同じく中東と北アフリカが移民、出稼ぎ人を介して繋がっていて・・・・、
という流れの中で世界がハブ的に広がっていくようなアジアン・グローバル・イメージ。
で、その中で日本だけが蚊帳の外で孤立しているという印象を外から見てて感じます。
いまだアメリカべったりでかつ非常に引きこもり的な感じの日本。
非常にやばい感じがします。
今回の旅でも華僑、印僑(インドの移民商人)の人たちに
「日本、やばいよね。大丈夫これから?」
とよく聞かれました。
そういう視点からもアイランドストリームのことを色々と考えさせられました。
ひとついえる事は、
世界はどんどん近くなり、
人の流動を通じて世界が近くなればなるほどこの地球、
プラネットアースの感覚的実相は広く、深く、豊かになる。
いわゆるひとつの「プラネット感覚」。
そう捉えると、自然をディープに体感するところから生まれた古来よりの日本文化をより見つめなおすことによってまだまだ日本の可能性も捨てたもんじゃないし、おれもやるべきことがいっぱいあるなと面白くなってきます。
訪れたほとんどの国の人はカヤックの存在おろかカヌーという言葉すらしらなくて、フォールディングカヤックを組み立ててみせるとみんな目を丸くしていましたが、やはりカヤックトリップはいろんな意味でひとつの新しい日本文化だと思いますね。
「なんでそんな旅をしてる?」とあらゆる人に不思議がられましたが、
「場所場所の自然の息吹を最もディープにソウルで感じ入ることができるのがこのカヤックという乗り物であり、そのような体感が日本文化のルーツである。日本文化をキープし、そして進展させていきたいと思っているからこの時代はカヤックトリップの時代なんですわ」と答えてきました。
ボーダレス化すればするほど、自分の所のアイデンティティを明確に表明することの必要性も痛感するようになってくるというわけです。またお互いのそれを理解しようとするスタンスが非常に大事だ、と言いますか、それこそが面白いんだと思います。
まあ、日本もいいかげんそろそろきちんと環境立国のヴィジョンを打ち立ててくれれば、こういう旅ももっとやりやすくなるんだけれどね。
これからアイランドストリームをもっと面白くしていこうと思っています。