スティーヴ・ジョブスが亡くなってはや半年が経ちますが、
最近よく1990年代後半にテレビで流れてたアップル社のCMの
「think different」というキャッチフレーズを思い出します。
「違う考え方をしろ」って、いやあ、実にシンプルかつ勇気ある文言だと思いますね。
だって普通、商品のPRにおいては、
「みんなと同じ考え方をしましょう」というスタンスが基本ですからね。
「みんなが使ってるコレをあなたも使わなきゃ時代遅れですよ」
「みんなが着ているこれを着なきゃニイサン、ギャルにもてませんよ」
という、ビミョーに脅し風味の入った、マーケティングに基づくメッセージが
世の中のあらゆる新製品の根底に流れているのが見てとれます。
あるいは、「人と同じではない、あなた自身の個性の輝きを」
なんていうふうな押し出し方をする商品もよくありますが、
それもちょっとした差違をつけるレトリックとして使われることが多く、
本質的には結局、
「人と同じ考え方をしましょう」フォルダに収められるものだったりします。
「think different」は 「そういうのがしゃらくせえんだよ」
と無意識にみんなが思っている人間の本心本音を突いたセリフで、
それはスティーヴ・ジョブスの思想そのものだと思うけれど、
結構過激さも入ってんだよね。
実に共感できる過激さってところが、絶妙に上手いわけ。
なぜ共感できるのか、それはポーズではなく本気だからだと思う。
MBAで培った戦略ではなく、
インドで瞑想したり、ビートルズやグレイトフルデッドを聴きまくったり、
禅に傾倒する中で得たヴィジョンであることが面白いところですね。
基本的にヒッピーなんですよ。
このCM見たとき、ぼくはハッとしました。
で、単純だから影響受けましたね。
たとえばシーカヤックなんて、
普通みんな陸に目を向けて陸の価値観で生きているところで、
海に目を向けて海の価値観で物事を考えるわけで、まさにdifferentの世界です。
で、それをOKと言ってくれてるような気がするんだよね。
モダンシーカヤックそのものも、ヒッピー文化的な所から流れてきてますしね。
ビビビンと、電流が走るものがある。
まあ、アップルはすごすぎるけれど、もはや多くのジャンルで、
スケールの大小問わず、もう、
「人と同じこと」をしててもダメな時代になっていると思いますね。
「人と同じこと」してても楽しくなさそうだし。
「人と違うこと」してる方が楽しいし。
さてどんなCMだったか。こんなCMですね。20代の頃だったし、ビビビーンときましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=nytz2zfJL3I