太平洋を中心として地球を見るとすべての大陸が消え、完全に水の惑星になる。漆黒の中の輝くブルー、この色合いがとても好きだ。宇宙の中でもハンパない存在感を放つ太平洋ってすごいなと思う。
この星を水の惑星たらしめる「太平洋性」、もしそんなものがあるとするならば、「カヤック」という楽器のように敏感な乗り物を使ってそいつを捉えてみたい。
そんなことをふとしたときに考えるって変かなと思いつつ、思えば太平洋の波音を聞きながら暮らしてるし、またよく太平洋の海岸線を旅したりしている。そんな流れで先月もミクロネシアのパラオをカヤックトリップした。
もしかしたら太平洋を感じる旅というのは一つのライフワークなのかもしれない。
というわけで今回のパラオトリップの紀行をどこで発表しようかなと思っていたけど、結局好きなように書ける媒体ということで次号4月末日発売の「KAYAK」誌で発表することにしました。といっても締め切り近いがまだ1行も書いていない。非常に汗。
雑誌、興味ある方はアイランドストリームでも販売していますのでメールに連絡ください。別にカヤッカー向けに書いているというより、海や地球や自然や異文化に興味があるすべての人に向けて書くというのがぼくのスタンスです。
sunnyrain@nifty.com
先日ドイツ人の女性が自転車でふらっとうちに入ってきた。話を聞くとなかなかすごい。ドイツから自転車での旅の途上で、イラン、オマーン、トルコ、タジキスタン、カザフスタン、中国、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド等々を経て、現在2年半目になるという。
当店ベースで一泊して翌日湯浅湾でカヤックを漕ぎ、その翌日うちでウーファー的に雑用を手伝ってもらい、ついさっき再び旅路へ。この後田辺、高野山、名古屋、仙台、北海道に向かうという。
これまでの彼女の旅のブログがまた面白く、写真が素晴らしいので要チェック。
http://worldbybike.blogsport.de/
明日、当店で【happy -しあわせを探すあなたへ】映画上映会を開催します。
いつもながらちゃんと宣伝できてないのですが、その分当日ふらっとお越し頂いても席はありますので興味ある方はお越しを。
上映会の詳細はこちら
http://islandstream.la.coocan.jp/happy.html
一言で言うと、「現実の人間ドラマと最先端の科学を掛け合わせ、幸福度という謎をとく」というテーマのドキュメンタリー映画ですが、まあこれがなかなか面白い。
人生、誰でもハッピーを求めて生きているわけですが、その身体的メカニズムは実はとても単純で、ただただ脳内からドーパミンやセロトニンが分泌された際にハピネスを感じるようにできているらしい。
しかし現実はそう単純なものではなく、なかなかハッピーに生きていくのは難しい世の中になっているのもご承知の通り。
日本やアメリカしかり、先進国であっても、たとえ誰もがうらやむ生活をしていても幸福度の低い人々は多い。
では幸福な生き方とはなんぞや、深く幸福を感じているのはどういう人たちなのか、あるいは不幸とはなんぞや。その永遠の命題を探るために4年間、5大陸16カ国を巡って色んな人たちを取材、リサーチして考察するというのがこの映画の主たるテーマ。で、その中で、ある種の傾向というかパターンのようなものが導き出させる。
この映画の言うところのハピネス、充実感を感じる生き方とは、
・「私利私欲の追求ではなく世のため、人のためになる行いをすること」
・「よき家族、良き友人に恵まれてゆとりをもって暮らすこと」
・「夢や目標に向かって努力し、自己実現を果たすこと」
とまあ、日めくりカレンダーに書いてあるような定番のことが挙げられている。確かにそうなんだけど・・・・、というやつ。
それプラス、ぼく的に非常に面白いなと思ったことなんだけど、
・「自然の中でのアクティビティに日常的に興じること」、というのも項目的に挙げられていて、楽しそうに生きているヒッピーのサーファーが登場していた。非常によくわかり、共感できた。
確かに、ドーパミンとセロトニンの分泌という観点からすれば、自然の中のアクティビティほどそいつがバランス良く促される所作って他にないからね。
逆に競争競争に追われあくせくしストレスをため込むのが最もよくないことのようだ。そして非常に最悪な例として日本人の「過労死」が取り上げられ、満員電車に揺られて疲れ切った人々の表情が映し出されていた。「Karoshi」っていうのは英語にもなっているようですね。確かに外国人からみたらどう考えても過労死って理解できないことだろうと思う。特にラテン系とかアフリカ人とかには。この映画では「過労死」とは勤労の美徳がいきすぎたある種の「集団催眠術」のようなものとして描かれているが、その辺の所は非常に考えさせられる。
ま、ぼくの考えでは、やはり日本人に一番必要なのは時間的ゆとりだと思う。夏1ヶ月、冬1ヶ月のバカンスとか、ヨーロッパの先進国では当たり前のことだけど、日本でそれを口にするとまず常識外れの扱いされる。政治経済の難しい話ができる知識人や過激なまでの言説を述べる極左及び極右論者も世の中大勢いるけれど、長いバカンスの必要性とか、もっと仕事せずに遊べとか言う人はほとんどいない。
この映画で言ってるのは結局「クオリティ・オブ・ライフ」のことなんですよね。だから考えさせられる。日本人はとかく手段と目的とが逆になることが多い。勤労とはよりよきライフという目的のための手段のはずなんだけど、現実は逆で、働いて稼いでローンやなんやら負債めいたものを返していくという目的のために、日常生活という手段があるって関係性になっている。
まあ、こういう話は書くときりがなくなるので、興味ある方はぜひ明日アイランドストリームに見に来てください。
仕事はほどほどに、遊びは真剣に。
http://islandstream.la.coocan.jp/happy.html
当店アイランドストリームの新しいウェブサイトをここに公開します。
http://island-outdoor.com/
今年に入ってコツコツと自分で作っていたものですが、やっと人様に見せられる形に近づいてきました。もっともまだ初期段階で、これからみっちり内容を充実させていきたいと思っています。
もちろん現行のオフィシャルサイトも継続していきますが、新しいサイトはカヤックに加えて、トレッキングやSUP、キャンプなど紀伊半島のアウトドア全般を扱う内容を目指しています。また自然教育プログラムも充実させていきたいと思っています。
ブックマックよろしくお願いいたします。
ということで現在、アイランドストリームのウェブサイトは4つあることになります(非公式のものを入れると5つになります)。それぞれに思い入れがあって、気持ちを込めて作成していますので、よろしくお願いいたします。
☆シーカヤックを中心とした、継続中のオフィシャルサイト http://www.island-stream.com
☆紀伊半島のアウトドア全般を扱った、新しいサイト http://island-outdoor.com
☆英語サイト http://islandstream.info
☆2004年開業以来続けている手作りサイト http://islandstream.la.coocan.jp/
これに加えて
☆「プラネット・フィーリング」というカヤックサイト http://funkysea.art.coocan.jp/index.html
どうぞよろしくお願いいたします。
のったりとした波が全身を心地よく包んでくれる、春の湯浅湾。
潮風はかぐわしく、そして太陽光線の入射角度の関係か、光の粒子がより細かいように感じられます。その光線が海面はもちろん、周囲の山々、岩々、砂浜、断崖絶壁などあらゆるものに繊細な、上品な趣を与えています。
そこを「自然の息吹に対して最も敏感な乗り物」であるカヤックで進んでゆく喜び。
まるで海や自然が、こちらに、誰も知らない秘密を語りかけてくれるようなひととき。
他のどの季節にもない、心が深く癒やされる春の海。
当店アイランドストリームでは、この時期のツアーをとても大切にしています。
また3月後半から4月初旬は、当店メインツアーの「湯浅湾ワンデイツアー」において、カヤック後秘密の桜スポットまでハイキングして美しい海を眺める、「湯浅湾シーカヤック&桜花見ツアー」を開催いたします。
予約受付中。
先日は南紀・すさみ海岸カヤックツアーを開催しました。
この海岸線は波が荒く、うねりが入るとお手上げ状態になります。ここら一帯は別名「枯木灘海岸」とも呼ばれますが、それは台風や嵐の際にすさまじい水しぶきが立ちあがり、高台の木々に潮がまき散らされ、その潮によって木々が立ち枯れることがしばしばある、という所から来ています。俗に言う「塩害」というやつですが、その名の通りの荒海です。
地形的にこのあたりはむしろ夏よりも秋や春先の方が、でかいうねりが入ってくることが少ない。
フィールドとしての見所は、そんな風や波うねりが形成した巨石・巨岩や小島群、そしてそこにぽっかりと穴を開けている洞窟など、変化にとんだ海岸線です。そしてその間をすり抜けるようにカヤックでツーリングすることが何より楽しい。
上の写真は、左右両サイドからの波がぶつかる「めおと波」。この日は右からの波が強かったですが、日によって左が強かったり、左右同じくらいだったり、激しかったり、マイルドだったり、七変化を繰り返します。
そしてここの圧巻は、沖の黒島にある洞窟を巡ることなのですが、うねりが入ると危険でなかなか奥まで入れるチャンスは少ない。しかし一番奥に行くとそこは完全に「青の洞窟」状態で、美しい海水の神秘に全身包まれます。
外海特有のスケールの大きさと相まって、地球の鼓動を感じることができる瞬間。
いわゆるひとつのプラネット感覚。
この日は運良く奥まで入ることができました。
その時の動画をfacebookにアップしました。
どうぞご覧ください。ついでに「いいね」を押していただければ幸いです。
https://www.facebook.com/islandstream/videos/1358607240866414/
湯浅湾北岸のやびつ海岸は断崖絶壁、洞窟、隠れた美しい砂浜、雨上がりにできる滝、渋くひなびた漁村集落などなど、カヤックで巡るにふさわしいスポットが連続しています。
ここは北風の風裏になる地形ですので、当店のツアーでも初冬から春先の時期によく訪れます。
一方南向きに開けた海岸線ですので、南風が多くなる初夏あたりは波が高くなり、アプローチの難しい日が多くなります。
もちろん風向きはその日によって変わりますので、冬でも南風が吹くときもあれば夏場に北風が吹くことがあります。あるいはべた凪になることもあります。それほど強くない北風、あるいは南風でも風の弱い日が最高なのですが、そんな日にはこの海岸線はシーカヤッカーにとってのワンダーランドとなります。
4月半ばくらいまでそういうコンディションの日が多くなりますので、「やびつ海岸シーカヤックツアー」まだまだお勧めです。
当店の定番の「ワンデイツアー」コースにて催行しています。
さて、先月に行ってきましたパラオへの単独カヤックトリップの詳細記事ですが、次号4月末実発売の「KAYAK」誌に掲載することになりました。ブログでも詳細を書こうと思っていましたが、ブログという形式ではどうも時系列や話の流れ、写真の配置などがうまくレイアウトしずらいため、やはり雑誌記事という形で発表いたします。
ということで、興味のある方は4月末実発売の「KAYAK」誌をご予約いただくことも可能です。メールにてその旨をお伝えいただき、配送先のご住所、指名、電話番号を送っていただければ、発売と同時にお送りいたします。なお、代金は雑誌代¥800プラス消費税に送料¥200となります。面白い記事になっているかと思います。
メールアドレスはこちら sunnyrain@nifty.com
よろしくお願いいたします。
南国へカヤックトリップした際にいつも試してみるのが、半分空中、半分水中という写真。いわば「カエルの目線」。防水ハウジングに入れたデジカメでレンズを半分だけ水中に漬けて撮る。これはもう技術もうんぬんも関係なく、ただただ撮りまくるのみ。たくさん撮れば撮るほど数打ちゃ当たる。
ところが今回、パラオではあんまりうまくいかなかった。
サンゴがいい感じで映ってるものがなかった。
唯一、マシかなというのがこれ。上の写真。
ちなみに過去最もうまくいったカエルの目線は、2011年に旅したフィジーの離島・カンダブ島にて。
下のこれらの写真がそう。
相当浅いところまでサンゴが群生している場所でのみ、これが可能となる。
淡路島と同じくらいの大きさで、道がほとんどなく、海からしか行けない村が点在する南太平洋の秘境・カンダブ島。
また行きたいものだ。
今週末3月5日(日)に那智勝浦海岸でのカヤックツアーを開催します。
http://islandstream.la.coocan.jp/nachitour.html
湾内に海からしか近づけない小島と洞窟が無数にあるのですが、そこをじっくり巡ります。黒潮の影響の濃い海岸線で、この海域ならではの南国ムードを全身で感じることができるでしょう。
まだ予約可能ですので、興味ある方はご連絡を。
先日、当店アイランドストリームで映画「ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償」上映会を開催しました。
一言で言うと、ものすごくリアルでショッキングな、つまり包み隠さず本質をえぐった本物のドキュメンタリー。鑑賞された方も皆、かなり考えさせられるところがあったようでした。というか価値観が根底から揺さぶられる作品だったと言えるでしょう。
この映画、すごい。
そしてとてもわかりやすい。
http://islandstream.la.coocan.jp/truecost.html(上映会詳細情報)
たとえば昔と比べて昨今、Tシャツでもジャケットでもパンツでもすごく安い服が世の中に出回ってるじゃないですか。まあそれは「人件費やコストの低い途上国で作られてるからだ」、ということくらいはみんな知っていると思う。だけどその製造現場の実態はほぼ誰も知らない。
で、この映画では、その実態、特に労働者の悲惨な生活を包み隠さず描いているわけ。そしてその元凶であるZARAとかH&Mとかモンサント(原料のコットン供給)とか、大企業を名指しで徹底批判している。
これ見たら、服もそうだけど消費シーンにおいて「安物」、そして使い捨てってのは悪そのものだということがよくわかるよ。
現在最も服の製造コストが安い国のひとつはバングラデッシュだけど、そこでの労働者の日当はおよそ2ドルだ。縫製工場はどこも亀裂の入った今にも崩れそうなボロボロの老朽ビルで、数年前には工場そのものが崩壊して1000人ほどの労働者が亡くなった事故があった。で、この映画では生き埋めになった人の写真や映像、遺族のインタビューを映し出すことによって、問題点のリアルさが浮き彫りになっている。
また、カンボジアの縫製工場では従業員が「せめて月給を160ドルにあげてください」とプノンペンの町中でデモをした際、警察の鎮圧部隊が襲いかかってきて銃撃してくるシーンが映し出されるが、これ、下手したらカメラマンが撃たれるぜってくらい生で迫っている。そして撃たれた一人の従業員が血を流しながら死んでゆくシーン、また涙を流しながら悔しさを述べる人々の姿も実録されている。
実はファストファッションの大企業とカンボジア政府が結託し、他国に受注が逃げないようカンボジア政府が労働者の賃金を低いままに抑えつけているのである。
インドでは服の原料のコットン畑が映し出されるが、そこではモンサント社の遺伝子組み換え種子を使うよう農民は縛りつけされている。その種子は以前の種の170倍ほどの値段の高価なモノで、しかも農薬を大量に使用しなければちゃんと生育しない種なので、農民は種子代と農薬代とのダブルパンチで借金漬けになっている。首が回らなくなり自殺する貧農が後を絶たず、実際この16年間に25万人が自殺している。
人類史上、最も高い自殺率の職業だ。
かつ、多量の農薬散布により奇病やがんが増えている。
服飾の製造工程って、石油産業に次ぐ2番目に最悪な環境破壊の元凶だとも言われている。
インドにも服飾工場や靴の皮革工場があるが、インドでは環境規制がきわめて緩いので汚染物質をそのまま川に垂れ流す。インドって実際、川がもう想像を絶するほど超絶的に汚いんだけど、何億人もの貧乏人はそこで洗濯し、排泄し、そしてその水で煮炊きし、飲料水にまでしている。
もちろん病気になる。
この映画ではその病人までもを映し出している。
この映画がリアルでショッキングだというのは、もちろんグロテスク趣味ということではなく、ぬるま湯に浸かった高度消費社会の消費者には、これくらいリアルな本質を突きつけないと身につまされないということなのだろう。というかこれが現実そのものなのだ。監督のそのジャーナリズム精神、パッションが痛く胸に伝わってくる。
最後の方のシーンでは、デパートのバーゲンセールにて猛ダッシュで商品棚に走って行く先進国の消費者と底辺の暮らしでうちひしがれる途上国の人の顔が対比して映し出されるが、これほど痛烈な皮肉はないと思うと同時に、「確かにこのシーンは必須だな」と思う。
ではどうすればこの問題を解決できるか?
事はそう簡単ではないけれど、今一度消費ということについて考える、購買する際の意識について考え直すところからしか結局変わっていかないだろう事を示唆して映画は終わるが、実際、価値観そのものが根底から揺さぶられる作品だ。
毎年3.11前後に開催し早6回目になりますが、このウォークイベントにて今一度震災に想いを巡らせるに当たって、毎回微妙にその気持ちや意識が変わってきていることに気付かされます。
震災も原発事故も風化しつつある昨今、あるいはもうなかったことのようにされつつある昨今ですが、日本はあの日を境にして大きく変わりました。そして未だ収束したわけではなく、また復興を成し遂げたわけでもない現状として、まだまだその現実と向き合う必要があるといえるでしょう。
「歩く」という行為には「自分自身と向き合う」という要素が多分に含まれます。日常のしがらみやノイズから離れて丸一日、古来からの参詣道をゆっくり歩くことによって自分と向き合い、震災や復興について考え、これから先の世の中について想いを巡らせる・・・・、そういう趣旨のイベントとしてこれから先、何十年も続けていくことになるかと思います。
といっても堅苦しく考える必要はなく、参加者の皆さんと会話し、交流しながらの、きもちのよいトレッキングを楽しんでいただけることでしょう。
イベント詳細サイトとしてこちらをご参照ください。...
http://islandstream.la.coocan.jp/kouyasan.html
またこの日程の前後に、原発事故をテーマとしたドキュメンタリー映画「変身~Metamorphosis」上映会を下記の通り開催します。
【和歌山市上映 3月8日(水)】
場所 almo 2F ギャラリー(和歌山市匠町32)
時間:①14時~、②18:30~ 2部制どちらかをチョイス
料金 中学生以上 ¥1500(おやつ付) 小学生以下無料
【湯浅上映 3月12日(日)】
場所 アイランドストリーム(有田郡湯浅町栖原1434)
時間:①14時~、②18:00~ 2部制どちらかをチョイス
料金 中学生以上 ¥1000 小学生以下無料
(当日シーカヤックツアーに参加された方は無料)
映画詳細は下記の通りです。
http://islandstream.la.coocan.jp/henshin.html