先日の高見山では、山や霧氷は良かったけれど人心の荒廃を見せつけられてしまい後味が悪かったので、昨日口直しに和歌山・護摩壇山へ霧氷スノーシュートレッキングに行ってきました。
高野龍神スカイライン沿いにあるここは駐車場から即、スノーシューを履いて徘徊できるという、なかなか他にはない立地条件にあります。
スノーシューでは人の足跡のない樹林帯の中を入っていったり、雪の中に寝転んだり、樹木を抱きしめたり、無音の中のかすかな生き物の気配に耳を澄ませたり、動物の足跡を見つけたりと、自然の息吹を生で感じ取ることにその魅力があります。
山というとどうしても山頂を目指してザックザクと歩いていくスタイルになりがちですが、スノーシューはその呪縛から自由なところにも、よさがあります。
登頂を目指すのももちろん素晴らしいですが、それも気にせず、寄り道、立ち止まり、のんびり、沈思黙考、「こんな所へ入っていってもおもろいかもな」っていう探索などなど、自分のリズムで楽しむことができるっていうのは、カヤッキングにも通ずるものを感じます。
まあ、シーカヤックほどのスーパー・バックカントリーな遊びには遠く及びませんが、とても気に入っている遊びのひとつです。
山頂からは、紀伊水道の海が望めます。
北には友が島、そしてそこから目線を南にもっていくと、
なんと湯浅湾のかるも島までが確認できます。
この真下の写真がそうなんですが、クリックして拡大してよく見てください。
右が「ヨコカルモ」、左が「タテカルモ」です。
さらに左の端のほうに鷹島のてっぺんも見えます。
湯浅湾は同じ湾内でも、北海岸と南海岸とでは微妙にフィーリングが違います。
南に行けばいくほどかすかに黒潮の息吹が濃くなってきます。
夏期ほぼ毎日この海をシーカヤッキングしているからこそわかる微細な差違ですが、
ちょうどこの「かるも島」を起点にして、北と南とで微妙に雰囲気が変わります。
自分の家の庭のように慣れ親しんだフィールドも、
こういう山からの視線で、それも雪の中から眺めることができるなんて
まったく面白いもんだな、和歌山ってバラエティ豊かだな、と感慨深いものがありました。