プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

アメリカインディアンの詩とアウトドア遊び

2012-06-28 23:32:42 | インポート
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 シーカヤックを本格的にやってると、
 雲の流れや風の変化を捉えるといった、
 自然に対する観察眼が問われてくるのですが、
 ぼくの理想は
 アメリカインディアンの神話なんかに描写されるような、
 詩的な自然観察眼です。

 先日買った本で
 「おれは歌だ、おれはここを歩く」(金関寿夫訳)
 というアメリカインディアン詩を元にした絵本があるのですが、
 これなんかはまさに、自然のリズムとともに
 生きてきた人々ならではの深い洞察に溢れていて、
 読んでいて思わずハっとしてしまいます。

 中でもすごいなと思った断片をひとつ、

 「ああ わたしたちの大地の母よ、
  ああ わたしたちの大空の父よ、
  わたしたちに光の衣服を織ってください。

  朝の白い光を縦糸にして、
  夕方の赤い光を横糸にして
  降る雨を縁ぶさにして、
  空にかかる虹を縁どりにして

  わたしたちに衣服を作ってください
  それを着てわたしたちは、
  鳥の歌う森、みどりの草原を、行くでしょう」

 というのがあるわけなんですが、
 服を作るのに、朝の白い光と夕方の赤い光を
 それぞれ縦糸と横糸にして織ってゆく、
 という着眼点・・・。
 いったいどこからそんな天才的発想がわき上がってくるのだろう、と
 驚かされます。

 かなりの年季の入った観察眼で培われた、
 年季が入っているからこそのフレッシュな感性であるってことが、
 非常によく伝わってきます。
 上記の詩、ちょっと繰り返し読んでみてください。
 読めば読むほど凄いなと思いますよ。

 こういう眼を養うために、少しでもこの領域に近づきたいと思い
 ぼくはシーカヤックやアウトドアをやっているのかもしれません。


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岬の先端にて

2012-06-19 17:26:21 | 震災や原発に関連する事
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 先日の福井高浜ツアーは前線接近による荒天が心配されましたが、
 意外と穏やかなコンディションとなり、楽しむことができました。
 
 四国から紀伊半島南岸にかけて前線が掛かり
 そちら方面では大雨強風に見舞われたようですが、
 近畿北部には掛かっておらず、
 ちょうど前線から逃げてきた格好になったわけです。

 この海岸線も洞窟海岸、白砂&松林海岸、神々しい断崖絶壁海岸と、
 見どころの多いよいフィールドなのですが、
 右に行くと大飯原発や美浜原発や敦賀原発、左に行くと高浜原発というふうに、
 右を見ても左を見ても原発だらけで、
 やはり非常に複雑な気持ちになりました。

 そして今回、大飯原発再開が決定したというタイミングでのツーリング。

 一番上の写真は高浜原発そばの音海の断崖で、
 そのスレスレを漕ぐと、
 人間の領域を遥かに越えた圧倒感に神秘性を覚えます。

 二番目の写真はそのそばにある高浜原発を海上から眺めたものです。
 原発をこんなに間近に見ると、
 その底しれぬ不気味さというか超越感に、
 また別の意味での神秘性のようなものを覚えます。

 そして自分の中で両者のフィーリングがクロスしそうになり、
 それに必死に抗おうとする意識が芽生えます。
 「自然のフィーリングに敏感な、
 シーカヤッカーとしてのおれの詩的な感性が、
 こんな妖怪じみたものにレイプされてたまるか」
 という意識です。

 感覚の鋭いシーカヤッカーはみんなそうなるんじゃないかな。

 よくよく考えるとこの岬には縄文時代の遺跡があり、
 岬の圧倒的な迫力、スケールに神々しいものを見た古代人は
 神を祭っていましたが、
 そこに原発を建てるというのは非常に象徴的なことだなと思えてきます。

 聖地的場所において・・・、
 ①自然を尊ぶ縄文人は神をまつり、
 ②便利文明を尊ぶ現代人は原発をまつる・・・。
 誰か優れた深層心理学者の考察を聞いてみたくなる、
 興味深い事象だと思います。

 また和歌山から福井までダーっと走ってきてまず気付くことは
 建物の豪華さ、きれいさですが、
 これも原発誘致による豊かさだと考えると、
 複雑な気持ちになります。

 和歌山の原発候補地は、
 全て反対され白紙撤回されたことによって、
 この福井に関電の原発が集中することになったわけですが、
 そう考えると、
 魂を売って裕福さを享受するより、
 ビンボーのままを選んだ和歌山の
 ダサさも捨てたもんじゃないなと思えてきます。

 今回の高浜ツアーでは大飯原発の再稼働のニュースと重なる時期の催行ゆえに、
 楽しく過ごしつつも、
 色んなことを考えさせられました。
 また同じタイミングでオウム真理教の高橋容疑者が逮捕されましたが、
 ぼくはオウムのサリン事件よりも原発事故や再稼働の方が遥かに罪深いと思っています。


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50キロのドラマの中で知りえる貴重なこと

2012-06-13 14:48:10 | インポート
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 先日の湯浅湾~田辺湾50キロツアーは、
 北西の風が結構強めに吹き(7~10m/s)、
 湯浅湾南端の白崎海岸で4人のうち1人を残して、
 他のエントリー者はみな引き返すことになりました。

 その後、他の方は湯浅湾内をツーリングし
 残った精鋭であるTさんは、
 白崎の岬や産湯海岸の出口、日の岬、
 関電火力発電所、切目崎、みなべ海岸とクリアし、
 なかなかの風波のコンディションの状況下、
 無事ゴールすることができました。

 Tさん、改めて、おめでとうございます。
 途中、かなり色々とドラマがありましたね。
 白崎から日ノ岬までの長い距離にわたる外海での白く崩れた追い波ゾーンとか
 関電の防波堤のキワの返し波とか、
 なかなかタフな個所もありましたが、
 あれぞリアル・シーカヤック旅の世界です。
 長旅するシーカヤッカーはあれを毎日やっているわけです。
 毎日続々と入れ替わる強敵と試合する格闘技選手みたいなもんですね。

 今回の達成によって、自分の限界と同時に、
 意外とここまで漕げるという手ごたえを掴めたでしょうし、
 これからシーカヤックを楽しむにおいて、
 「今度はあそこを漕いでみよう」とか、
 「今はまだ無理だけれどいつかあそこに挑戦してみよう」とか、
 これまでは漠然とした夢のようだったものが、
 不思議に、
 現実味を帯びた目標として感じられてくることでしょう。

 また今回のように、
 「ここまではいける」「ここからは無理」
 という限界ラインを身をもって体験することによって、
 日常の中で楽しむのんびりツーリングにも
 より余裕がでてきて、
 面白みが深まってくることだろうと思います。

 絶対にゼニなんかでは買えない、貴重な経験です。
 ぼくはこれからの時代、こういう経験こそが、
 本当に価値のあるものとなってくる時代になると思っています。

 今後もちょくちょくこんな感じのロングのツアーも催行していきます。
 コンディションさえ整えば、
 より多くの人に達成感を味わってもらえることでしょう。


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アシスタントガイド募集

2012-06-06 20:46:58 | インポート
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 さて、アイランドストリームでは今年2012年の繁忙期(7~9月)における
 アシスタントガイドとして決定していた方が体調不良のため勤務できなくなったため、
 このたび急遽、新たにスタッフを募集します。

 ☆期間 2012年7月1日~9月30日の3カ月間
 ☆募集人員 1名

 ☆内容 シーカヤックツアーの接客業務、準備、後片付け等。ツアーに同行し、その流れの中で行うガイドの右腕的な役目です。決して甘くはないですが、多くの人に喜んでいただき、自分を高めてゆくことのできる、栄えある仕事です。シーカヤックのスキル向上やガイドサービス経験はもちろん、それに加えて面白い人脈も生まれ、きっと今後の人生の財産になるでしょう。カヤック経験者として、ある程度のレベルにある人が望ましいですけれど、初心者でも「多くの人に海の魅力を伝えたい」という、やる気のある人ならば考慮します。

 ☆給与 ¥150,000~/月
 ☆住居 遠方にお住まいの方用に、近くにワンルームマンションを借りています。家賃は弊社負担。エアコン、インターネット接続環境完備。

 なお詳細などはこちらをご覧ください。
 http://homepage3.nifty.com/creole/bosshu.html


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いつもの美しい水の季節

2012-06-06 20:19:14 | インポート
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 いかにも南の島、
 南国~、という場所もいいですが、
 研ぎ澄ませた感性を働かせることによって、
 微妙なところで南の香りがする場所というのもいいものです。

 ここ和歌山・湯浅湾とはちょうどそんなところで、
 同じ湾内の中でも、
 南方の香りがする場所と北方の香りがする場所があります。
 というか北限と南限。
 湯浅湾とはその両者が交錯する海です。

 この写真はこの梅雨の時期の晴れ間、
 なぜかひときわ南のフィーリングが立ち現れる、ぼくの好きな浜です。
 向こうにはナバエの鼻付近、鷹島、そして黒島が見えます。

 さて、梅雨に入りますが、
 梅雨は海景全体にしっとりとした味わいが出ることが多く、
 またすべての生命の源である水の息吹を感じることのできる、
 美しい季節です。

 というと「またまたー、セールストークでしょー?」
 と思う人もいるかもしれませんが、
 基本的にぼくは自分が実感しないことは絶対言いません。
 一方本当に実感したことだと、全世界を敵に廻してでも、
 「これだ」と言います。
 こう見えても、自然感覚に対しては、厳密なんです。
 
 都会にいると「梅雨ほど鬱陶しい季節はない」と思いますが、
 それは水を呼吸しないコンクリートに囲まれているからです。
 一方、水を呼吸する木々や大空や大海に囲まれると、
 自分自身の身体や毛穴もまた水を深呼吸するかのように心地よく感じられて、
 空気の分子構造すら変わったかのように思えてきます。
 不思議なことです。

 梅雨の海のシーカヤックについてはこちらのエッセイをご参照ください。
 http://homepage3.nifty.com/creole/tuyu.htm


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甲子園と海

2012-06-06 19:39:34 | インポート
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 先日、甲子園球場にセパ交流戦、阪神VSロッテ戦を見にいきました。
 甲子園の浜風は海の香りがするのと、
 ざわめいているところは荒波時の潮騒のようなテイストがあるのと、
 ゴーっと盛り上がっているときは大海原が盛り上がっている感じに似ていて、
 なかなかいいですね。
 
 実はぼくは阪神とは幼少時代からのクサレ縁でして、
 掛布の時代から90年代の死ぬほど弱い時代を経て、
 現在に至るまで応援し続けています。
 別に大好きだからというより、完全に惰性でです。

 子供の頃は親に選手名鑑などを買ってもらい、
 それを穴があくまで読んで、
 12球団全てのヒジョーにマニアックな選手に至るまで、
 打率や打点、年棒から好きな女性のタイプから何から何まで
 なぜか全て暗記できていて、
 親に気味悪がられたものでした。

 その3つ子の魂の影響で、今でもだいたいの選手が今現在、
 何割何分何厘打ってるのか、何勝何敗で防御率何点なのか、
 だいたい分かります。
 新聞見るとダーっとそんな記録が書いてありますが、
 それ見ただけでパーっと覚えられるんですね。

 ほんとはもっと違うことに記憶力を稼働させたいのですが・・・。

 この日はクレイグ・ブラゼルがサヨナラ安打を打ちましたが、
 今日がどうこうというより今日を含めて、
 どうもここ数年の阪神の試合はイマイチ面白くないですね。
 顔ぶれもサラリーマンくさいというか、フレッシュな若手も全然出てこないし、
 なんかこう、グッとくるものがない。

 阪神が一番おもしろかったのは江川・小林繁トレード事件から、
 1985年の日本一になった時にかけてで、
 その時は渋い選手がたくさんいました。
 だいたいみんな顔はおっさんだけど、勝負師の顔してた。

 それから野球全体が面白かったのは、
 1990年代後半から2000年前半にかけてですね。

 それ以降はなんか、選手の線が細くなり、スケール小さくなった気がしますね。
 簡単にメジャーに行って、てんでダメで帰ってきても
 何億円ももらったりして、なんかこうスピリットが感じられない。

 やはりアウトドアの方が遥かに面白いですね。


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スペイン料理居酒屋 エル ナージさん

2012-06-06 18:56:34 | インポート
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 先日、うちのツアーにも来ていただいた方がやってらっしゃる、
 大阪市淀川区にあるスペイン料理居酒屋「エル・ナージ」さんに
 食べに行かせていただきました。

 昔の郵便局を改装した変わった味わいの内装で、
 家庭的な雰囲気の、とても居心地のいい空間です。
 エビのアヒージョやシーフードパエリアなど、
 とてもおいしかったです。

 ワインを飲みながらおいしい料理をいただき、
 楽しい会話に花を咲かせあっという間に時間が過ぎるお店、
 エルナージ、ぜひお勧めです。

 余談ですがスペインというとカヤック的には、
 ジブラルダル海峡横断と、
 イビザ島一周のトリップがぜひしたいですね。
 農家に泊まるアグリツーリズモの宿にも泊まりたいです。
 (日本もアグリツーリズモ盛んになればいいのにね)

 そしてここエル ナージさんで報告会を兼ねた、
 スライドショーなどしてみたいです。
 ここにはプロジェクターとスクリーンもあるのですが、
 こんなお店でワイン飲みながら旅について
 好きなことを話ししてみたいですね。

 さてエル ナージさんのサイトはこちらです。
 またぜひ行きたいです。
 よかったらみんなで行きましょう。
 http://el-nague.com/index.html


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シーカヤックジャンボリー

2012-06-06 18:28:14 | インポート
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 先日、ぼくもちょこちょこ寄稿している「kayak」誌主催の「シーカヤックジャンボリー」というイベントがあり、この前の日食ツアーに引き続きまたまた南伊勢の座佐浜に行ってきました。

 1泊2日のイベントだったんですがぼくはどうしても2日目しか行けず、焚火を囲んで色んな人としんみり深い話をするということができず残念でしたが、たくさんの人が来ていてなかなか賑わった、いいイベントでした。
 もっとも、ある程度漕げ、「自分のことは自分でする」という趣旨なので、
 野郎ばっかでしたけどね。
 
 話は脱線しますが、どんなに時代が変わっても、アウトドアで自立した女性、特に海において自立した女性というのはまだまだなかなかいないですね。これがニュージーランドとかカナダとかならばたくさんいるんですけどね。でも最近、そういう自然の中でもある程度の自立心のある女性の方が、内側からにじみでる女性としての魅力を感じる今日この頃です。というのもぼくのよく言っている「自然のフィーリング」とか「体感におけるアート」とかそういう、感性的な側面って実は女性的なものの見方でもあるんだけど、それはある程度自立して主体的にやってみないことにはわかるべくもないことだからです。

 今は中途半端な時代、
 もっと時代が進めばいいのになと思います。

 さて、今回も外海の方は結構うねりが入っていたのですが、そんな中特に4人乗りのシーカヤック(コンコルド、ウォーターフィールド社)を試せたのはよかったです。ピターっとした静水のところを漕いでもあまり参考にならないのですが、うねりの中を漕ぐことによって実践で色々と検証することができましたから。
 
 非常に面白いカヤックですが実際の用途としてはキャンプ用の荷物を真ん中2席に積み、最前席と最後部席で2人が漕ぐと言うスタイルが一番現実的かもしれないですね。
 しかし、2分割としてカートップでも運べるし、
 ヒジョーに面白いカヤックです。


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