先住民文化を特集した雑誌を最近よく見るが、目についたらとりあえず買う。
先住民文化の良さ、面白さはなんといっても、その土地その場所その季節に特徴的な風、波、花の香り、川のせせらぎ、うねりの怒涛などに固有の名前がついていて、そこに物語性や音楽的ヴァイブスが込められているところ。
ぼくらがカヤックという北方系先住民の小舟に乗るのも、要はそういう世界観にリアルに触れたいから。自然の現場では、下手して状況判断をミスったら生き死に関わる事態におちいる可能性もある。そんな中で目や耳や鼻や皮膚を研ぎ澄ませて花鳥風月の音楽的調和点を結びつつ、美しいラインを描くこと。そこから見えてくるものを探り、それを何がしかの形で表現すること。
それはカヤックのみならず、これからのアウトドアカルチャー全般が目指すべき、一つの方向性だといえるだろう。