プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

透明体のように

2012-07-26 23:57:13 | インポート
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 梅雨が明け、めちゃ暑い日が続きますが、
 海は天然のクーラーだと思いますね。

 ドボンと水に浸かったあと、
 カヤックを漕ぎ海上で感じる海風は、
 自分の身体が透明体になったかのような、
 なんともいえない清涼感があります。

 丸みを帯びた水平線の向こう、
 遥か太平洋を渡ってきた海風が、
 そのまま毛穴を通って別世界へと吹きぬけてゆくような、
 地球のでかさを想起させる清涼感。
 
 ここんとこずっと海の透明度が高く、
 シュノーケリングも楽しいですね。
 ここ湯浅湾でも、イワシの大群が目の前を走り抜けたり、
 黒潮に乗って遥か南方からやってきたスズメダイ系も、
 入ってきてチョロチョロ泳ぎ回っています。

 ずっと海に入っていたい気分になる季節です。


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山河破れて関電あり

2012-07-26 23:16:42 | 震災や原発に関連する事
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 むかし、
 国破れて山河あり。

 今、
 山河破れて東電あり。
 山河破れて関電あり。
 山河破れて20世紀の魑魅魍魎の跳梁跋扈あり。

 ここんところ忙しい合間を縫って、
 先日、関電の本社前に原発反対デモに行きました。
 というか、
 別に反対も賛成もなくただただ、
 危ないものをいらんと言うだけの話なんだけどね。
 家の庭に不発弾が転がってたら
 危ないからどけてくれと言うのと一緒。

 福島もやばいけれど、
 大飯原発がもし事故を起こしたら、
 日本終わりだからね。

 日本は20世紀の亡霊にとり殺されようとしているのかもしれない。
 なんでそのことを言う霊能者がいないのだろうか?
 非常に不思議に思う。
 
 元々原発って、第二次大戦後、米ソの冷戦時代、
 日本国がやがて核兵器を持ちたいがため、
 その一環として導入されたんですね。
 核兵器に使うプルトニウムをウランから抽出する技術の
 開発のために。

 で、その後石油ショックの際には、
 中東からの原油供給危機に瀕した際のための
 電気安定供給という名目。
 
 そして昨今では地球温暖化対策のためという面が
 強調されている。(本当は圧倒的な温排水を出すので、
 むしろ温暖化に加担している)

 まあ、時代によってコロコロ名目が変わっていくんだけど、
 そもそもの始まりはやはり冷戦時代の核に対する考え方が
 根本にあるんだよね。
 20世紀の産物ね。

 20世紀とは戦争と核の世紀だった。
 その産物ですね。

 今は20世紀の旧来的価値観と、
 21世紀に来たるべき新しい価値観がせめぎ合ってる時代で、
 前者が後者を犠牲にしつつ、
 何とか逃げ切りを図ろうとしている時代だともいえるかもしれません。

 日本は20世紀の亡霊にとり殺されようとしているのかもしれない。
 なんでそのことを言う霊能者がいないのだろうか?
 非常に非常に不思議に思う。

 福島原発事故もすでに日本の自然、環太平洋の海を
 相当ひどい状態にしてしまっているのですが、
 もし若狭の原発が事故ったらその比じゃないくらい、
 日本は終わります。
 
 それが分からん人は相当の自然音痴じゃないかな。

 しかし、そうなっても関電はのうのうとのさばるんだろうね。
 東電がのうのうとのさばっているように。

 山河破れて電力会社あり。
 山河破れて原子力ムラあり。
 山河破れて天下りあり。
 山河破れて先送り体質あり。
 山河破れて20世紀の亡霊あり。
 山河破れて20世紀の魑魅魍魎の跳梁跋扈あり。


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数万年後のことを考える

2012-07-20 22:44:45 | 震災や原発に関連する事
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 今のプルトニウムは数万年後も残る。

 では原発は?
 ただの湯沸かし装置であるそんな粗末なものは
 残っていないだろう。

 では無駄なモノを大量に作って大量に消費する、
 今の便利文明は?

 多分残っていないだろう。
 ていうか、もっと高度な社会になり、
 「20世紀から21世紀初頭って、
 ほんとにローテックで野蛮な、
 人類にとって恥ずかしい時代だった。
 あの時代の連中は、
 空前絶後に困ったちゃんだった」
 と言われているように思う。
 
 ではシーカヤックは数万年後残っているか?
 うむ、そう考えると、多分残っているだろうと思われる。
 考えれば考えるほど残ってるだろうと思う。

 なぜなら今のところ未熟なレベルの
 「自然との共生」という思想やそれを具現化する技術も、
 さすがに数万年も経てばかなりの水準になっているはずで、
 そうでなければもう人類は地球上で生きていけないからである。

 そんな中でシーカヤックってのは、
 人間の身体の構造が変わらない限り、
 「海や自然の鼓動に最も敏感なる乗り物」
 という面も変わらないだろうから、
 残っているどころか、もっともっと繁栄し、
 洗練された世界的カルチャーになっているだろうよ。

 海が干上がっていない限り、
 そう断言できるね。

 そう考えると、大飯原発再稼働後のこの閉塞状況下でも、
 「あほらしい、やーめた」とならず、
 踏みとどまれるようだ。

 ずーっと存在し続ける価値のあるものだから、
 今は今でベストのカヤッキングをしよう、
 という折り合いの付け方。


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日本の21世紀

2012-07-20 22:14:48 | 震災や原発に関連する事
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 以前のブログで、

 「原発を終わりにすることで新たな日本はようやく始まる。
 逆に、再稼働すると日本そのものが終わる。
 未来へのスピリットを殺すことによって、
 既得権益層だけがだらだらと逃げのびるスタイルを
 採用するわけだから。」

 と書きましたが、ああ、
 大飯原発が再稼働しました。
 またこれを皮切りに、
 ドミノがパタパタ倒れるように、
 あちこちで再稼働するのだろうか?

 原発にしろ、消費税増税にしろ、
 「まあ仕方ない」と思っている人の方が世の中多いけれど、
 確かに、
 「既得権益層だけがだらだらと逃げのびるスタイル」
 を維持するためには「仕方がない」のだけれど、
 そんなの勘弁だと思っている者にとっては
 「冗談じゃないぜ」の世界です。

 バブル以降、社会の舵取りを大きく変えなきゃいけなかったのに、
 なまじ裕福で「ただちに影響はない」状況だったので
 それをキープすべく、
 つぶれるはずの銀行とかゼネコンとかを公的資金投入で救い、
 問題先送り体質になりました。

 以来世の中は、
 新製品とか「モノ系」は目まぐるしく変化するけれど、
 価値観とか生き方とか考え方とかシステムは全然変化せず古いままで、
 ちょっとずつちょっとずつ老朽化し、
 一方世界の流れはどんどん新しく変わっていきました。

 ぼくが毎年海外あちこち旅するのも、
 日本から離れて世界を見ることによって日本を冷静に捉えたい、
 という意識もあるのですが、
 そろそろほんとにヤバイよなあ、と思ってしまいますね。

 政・官・財・マスコミ、
 農林水産業、各種業界・・・、
 日本独特のムラ社会の既得権益層が、
 だらだらと逃げ切ったあとに残る、さまざまな負債。

 原発を終わりにすることはひとつの新しい流れへの
 大きな舵切りとなりえるものだったのに、
 この閉塞感、絶望感、怒りたるや・・・、
 ここ最近ブログをあまりアップしていなかったのも、
 何をどう述べていいのか分からんかったからですね。

 日本はいつになったら21世紀が来るのだろうか?


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チャレンジと新しい発見

2012-07-10 15:14:20 | インポート
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 シーカヤックで紀伊半島一周を目指す、
 Yさんという女性がいらっしゃるのですが、
 しばしそのサポート役として、
 同行させていただいています。

 「今日はここからここまで」
 「次はここからあそこまで」
 という感じで漕ぎ進み、
 最終的に紀伊半島の海岸線を全漕破するチャレンジの、
 そのお手伝いをさせていただいているわけです。

 一生の思い出となるチャレンジ、
 その心意気、着眼点、見識・・・、素晴らしいと思います。

 そしてYさんの漕ぐスタイルというのは、
 ただただダーっと漕ぎ進んで「達成した~」というノリではなく、
 隠されたような洞窟や入江の一個一個をくまなく探索し、
 また川の河口があればどんどん入っていくという、
 海岸線をとことん愛で、味わいつくすスタイルなので、
 毎回新しい発見がたくさんあり、
 ご一緒させていただくのが楽しみになっています。

 先日は白浜の円月島付近から、
 南白浜の富田川の河口付近までツーリングしました。
 なおこのあたりからしばらく、
 ワイルドな荒海のエリアが続くので
 細心の注意を払わなければいけないのですが、
 この日はかなり穏やかで、
 千畳敷や三段壁といった荒れたらとんでもないエリアも、
 かなり岸スレスレで進み、
 たくさんの新しい発見を楽しむことができました。

 白浜は古くからの観光・ビーチリゾートのエリアですが、
 シーカヤックを自分の腕で漕ぐことによって、
 黒潮のエッセンスやこの地の自然特有の「華」のようなものが、
 より鮮やかに、
 そして心深く感じることができたと思います。

 こういうフィーリングはきっと、
 一生忘れないでしょう。

 というわけでシーカヤッキングこそ、
 未来の観光スタイルだと改めて思いました。

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 梅雨の晴れ間、天気のよい日だった。

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 実は崩壊寸前の、有名な円月島を横目に漕ぎ進む。

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 白浜の温泉街を海から眺める。

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 洞窟のオンパレード。このあたりはちょっと波が出るときつい返し波が発生するので、こんな感じで岸沿いを漕ぎまわれるコンディションはなかなかない。黄色いカヤックはアシスタントのゆうた君。心の柔らかい若いうちに色んなフィールドをたくさん楽しんでおくれ。

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 南白浜の別荘地、よくこんな所に建てるなというような急斜面の脇に立っていたりする。

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 南白浜の浜に上がり、昼食後、秘境カフェ「権現平」さんでケーキセットをいただきながらのんびり。今日は店やってないかなと思いつつなにげにフラッと立ち寄ると営業していた。我々は海からの訪問者、珍客。

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 富田川河口の奇岩はどこか宇宙を思わせる。

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 富田川の海と河口とを結ぶエリア。海から川へ、川から海へと移行する時の「ワープ」感がいい。


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ダサいハコモノもぶっ飛ばせ

2012-07-06 23:48:58 | インポート
 製造業系と比べて観光業って日本では、
 取るに足りないサイドビジネス的な存在と見られているけれど、
 世界的にみれば観光業って、
 やがて自動車産業のGDPを上回り、
 21世紀最大の成長産業になるだろうと言われています。

 海外では10年以上前から当たり前だったLCC(ローコストキャリア)が
 やっとこさ入ってきた日本。
 観光も、いまだにハコモノとかテーマパーク的なものが、
 メインとして雑誌等々に取り上げられたりしていますが、
 そんなものよりも遥かに魅力の上回る、
 自然場所が各地に隠されています。

 税金等を無駄遣いして誰かが作為的に作った貧乏くさいハコより、
 大いなる存在が作りたもうた、
 自然そのもののよさを全身で味わうことこそ、
 リッチな遊びだと思います。

 下の写真はすべて和歌山県のどこかの海岸です。
 無名だけど素晴らしいスポット、
 あなたはいくつ分かるでしょうか?

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ガイドブックをぶっ飛ばせ

2012-07-05 09:17:48 | インポート
 海岸線にはガイドブックにも載っていないような、
 人が入っていけない美しい場所がまだまだたくさん隠されている。

 和歌山のガイドブックなど見ると、
 いまだに白浜のとれとれ市場とか熊野古道のメジャーどころとか、
 広告タイアップに繋がりそうな場所ばかり紹介されているけれど、
 「古いな」と思う。

 ナマの自然そのもののよさを味わうというのが
 世界の新しい観光スタイルのひとつの大きな流れであり、
 紀伊半島とか四国とかはまさに、
 それにふさわしいスポットがふんだんに隠されている。

 湯浅湾だけでもそんな場所が目白押しだ。

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スパルタンアラシ進水式

2012-07-04 10:10:07 | インポート
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 先日、お客様からご注文いただいておりました、
 ウォーターフィールド社の「スパルタンアラシ」が届き、進水式を行いました。
 スピード、操作性ともにシャープな印象のある、
 ご覧の通り、かっこいい艇です。
 
 Nさん、ぜひ自分の身体の一部に感じられるくらいまで、
 乗りこなしてください。
 よきシーカヤックライフを!!
 またどこかへ一緒に漕ぎに行きましょう。

 さて、進水式の後、ぼくとNさんと、
 ゆうた君という、今年の夏期アシスタントに決まった若者との三人で、
 ちょいと湯浅湾をツーリングしました。

 ちなみにゆうたくんは18歳、
 きっとシーカヤックやアウトドアの未来を担っていくであろう若者です。
 何人かの応募者の中で最も若かったのですが、
 だからこそ選びました。

 未来は、
 「まあ世の中こんなもんや」という固定観念をまだ持っていない人が
 切り開いてゆくものだからね。
 実はシーカヤックガイドを育てていくのって、
 死ぬほど超ムズカシイのですが、
 上手く導いてあげられればと思います。

 さて下の黄色いポリ艇は、
 ぼくが10年ほど前に単独日本一周したときのフネです。
 ここ数年眠っていたのですが、
 ちょっと思うところがあって久しぶりに乗ってみました。
 かなりくたびれていますが、
 まだデイツーリングレベルでは現役としても乗れるレベルです。
 
 思えば、こういう使えるポリ艇というのは、
 現在なかなか出回っていないのですね。
 実はぼくは、ガンガン使えてラフに扱えるポリ艇の
 ほうが好きだったりするのですが、
 現在国内出回っているポリ艇の中で、
 しっかり海で使えるレベルの艇は、
 ウィルダネスシステムズのテンペスト170か、
 POINT65のシークルーザーくらい。
 そしてそこそこ使えるレベルの艇は、
 POINT65のfive-o-fiveくらいの現状。

 そういう意味でも、ちゃんとシーカヤックをやろうとすると、
 FRPやカーボン艇ということになりますが、
 その中でも国産でハイクオリティ、
 カラーも指定できてかっこよく、
 なんと言っても海上での信頼性の高い
 ウォーターフィールドの艇に視線が集中しますね。

 フィッシング艇や手軽なレクリエーション艇にシフトしてゆく
 カヤック界の現状の中でこそ、
 ツーリングや旅を大切に考える本物の艇を作り続けるビルダーに
 敬意を覚えます。

 シーカヤックツーリングには、まだまだ未開の
 素晴らしい可能性が隠されているわけですから。
 そしてそこに本当の未来があります。


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