プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

SUPの魅力

2018-04-24 11:39:56 | マインドフルネス

 当店アイランドストリームでは、
 SUPスクールや、厳選した美しいフィールドでの
 SUPツアーも開催しています。

 SUPの場合、大して距離を漕がなくても、 
 よりのんびりリラックスしながら、
 海と、自然と一体化できるよさがあります。

 ボードの上であぐらをかいたり、寝そべったり、
 様々な体勢で過ごすことができるのも、
 大きな魅力のひとつです。

 ちょっと体勢を替えるだけで、目線が変わるだけで、
 自然の見え方、感じ方は大きく変わりますが、
 その点、SUPは多様な自然の見方を手助けしてくれる乗り物です。 
 特に立った状態で真下に見る、透明度の高い水中や海底は、
 まるで自分が空中に立って浮かんでいるように錯覚するくらい、
 不思議で味わい深いものです。

 水温が上がってくるGW明けくらいから特にお勧めです。
 ぜひお越し下さい。
 http://islandstream.la.coocan.jp/sup.html


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お金と時間

2017-11-26 22:50:12 | マインドフルネス

 先日、友人と話していたのですが、日本人ももっと休む文化にならないと。

 自分の時間、家族や友人と過ごす時間、旅したり人と会ったりして見聞を広める時間、じっくり本を読んだり音楽を聴いたりする時間、新たな物事を勉強する時間、そしてアウトドアアクティヴィティに興じる時間。いくらお金が儲かっても身体は一つだし、人間いずれ死ぬわけで時間は限られている。だからよりよい人生には、お金以上に時間が大切。
 闇雲にがむしゃらに働いていつまでも儲けがでる時代じゃないし、時には戦略的にまとまった時間仕事から離れて、柔軟な頭の使い方をしないと仕事もあまりいい仕事ができない気がする。今はよくても後年きっと行き詰まる。
 しかし社会は真逆で、さらにあくせく、ぎすぎすと余裕のない方向に向かっているように映る。
 だからますます社会は劣化してゆく。

 だけど、それとはまた別に、お金よりも時間を大切にする指向の人も、明らかに増えている。
 多分、あまり何も考えず流されるまま生きていると、知らぬ間にもっともっとあくせく、ぎすぎすを余儀なくされる状況になっていくだろう。それは間違いない。一方、頭を使うとやりようによっては、いくらでも時間とサムマネーは作り出せる時代でもある。起業、独立も一つの方法だ。これからは「金持ち」になるために起業するというより、「時間持ち」になりたいから起業するという人が増えるだろう。また起業、独立じゃなくても、きっといい方法はあるはずだ。 

 その友達は面白いことを言っていた。12人で回っている会社はあえてもう一人増やして13人にし、持ち周りで一年に一ヶ月ずつ休めるようにしたらいいのにと。そんな会社は世の中にないから、みんな入りたがるし辞めたがらなくなる。仕事のモチベーションも上がる。いい人材をじっくり選択し育てることができて、ますます会社は発展するだろうに、と。しかし実際は一人増やしたらその分、さらに儲けを出さなきゃ損だということで、もっともっと休まず働いて売上を伸ばせ、ということになりそうだ。また1ケ月も休んで何やったらいいのか分からない、ということになるのだろう。
 アウトドア派の人間ならば話は別だが。
 アウトドア派ならば休みが多ければ多いほどバンバンザイだ。
 時間がないと、アウトドア遊びなんて、成立しないわけだから。

 実際問題難しいけれどもし日本も欧米先進国のように夏一ヶ月、冬一ヶ月ほどのバカンスがあるならば、アウトドア文化はもっと中身のあるものになっていくだろう。しかし「夏休み5日が必死」というのが大半の日本では、アウトドア指向が広まっているように見えつつ「実際にアウトドアアクティヴィティに興じる」というよりも、「おしゃれなアウトドアグッズ、道具、ウェアを買う」というのがメインの文化になっている。雑誌なんかを見ても、いかにモノを売るか、買わせるかというテーマになってる。
 だけどそれはそれで、確かにアウトドア指向であることに間違いない。
 そういうところから実際の遊びの方に向かい、休日、余暇の大切さに目覚める層もでてくるのだろう。

 自然の中での、自分の時間、家族や友人と過ごす時間、旅したり人と会ったりして見聞を広める時間、じっくり本を読んだり音楽を聴いたりする時間、新たな物事を勉強する時間、そしてアクティヴィティに興じる時間。
 なんて豊かなのだろうか。

 本当は一ヶ月くらいのバカンスをとることは、基本的人権なんじゃないだろうか。
 少なくともそれが成熟社会なのでは・・・。
 結局そうじゃないということは、日本社会もまだまだ成熟していないということだ。
 だけどいつかそうなって欲しいというのがぼくの世の中に対する夢だ。
 だけど当分は無理っぽいから、まずは自分自身がそれを実践してみたい。

 さて、アイランドストリームでは現在、「ワンデイ」系のツアーをメインにしているけれど、これは万人が楽しめるよう敷居を下げたひとつの玄関口みたいなもので、玄関からさらに奥に入って行くともっともっと面白い部屋が展開されます。玄関口でもすごく楽しめるように作っているけれど、一回だけじゃなく継続し、さらに時折3日、5日、7日、10日くらいのトリップをすると、本質的な面白さにまで肉薄できる。そしてもっと長い期間トリップすればもっと深みを増すわけだけれど、まあそれ以上、例えば1ヶ月以上の旅となるとさすがに色んなものを犠牲にしなければならなくなる(逆に人生を変えたいとか、生活の舵を大きく切り替えたいときには、起爆剤になる)
 経験上、だいたい7日~10日くらいのアウトドア旅というのは、ひとつの本質的な何かを掴めるスパンだ。だから本当はそれくらいか、少なくとも5日~7日くらいのツアーも開催したいという考えが常にあります。

 2日~3日目くらいで慣れて、5日~7日目くらいというのはちょうど脂が乗ってきた頃。そしてまだ飽きや膿むことがない時期。そのスパンのアウトドア旅って、ひとつのアート作品のようなものだと言えるのです

 というわけで、当店ではオーダーメイドのプライベートツアーとして2つ、
 「ディープ紀伊半島トリップ」というコースと、
 「ドリームツアー」というコースを現在用意しているけれど、
 特にこの2つはこれから大事に育てていきたいと思っています。
 よろしくお願いします。


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一瞬先のベストを探るという行為

2017-11-24 23:42:59 | マインドフルネス

Robert Glasper Trio - LIVE at The Village Vanguard - Double Black

 例えばシーカヤックで数日以上の旅に出ている最中、感覚がヴィヴィッドになって色んなものからインスピレーションを受けますが、どちらかというとアウトドア系の本とかメディアよりも、音楽の演奏に触発されることが多い。
 言語化できない心のひだに触れるものだからだろう。
 海上で感じている感覚も9割方、言語化できないものだ。

 シーカヤッカー目線、シーカヤッキング感覚で特に最近インスピレーションを受けるのは、現代のジャズ。と言っても俗に言う「モダン・ジャズ」ということではなく、まさに「今のジャズ」。
 今、ジャズは新しく、未来を感じさせる、面白いものがたくさん出ている。

 ロックもヒップホップも全く目新しいものがなくなった昨今だけど、そんな中、今の先鋭的なジャズマン達は過去のジャズはもちろん、ロックやヒップホップの歴史的流れも踏まえ、ワールドミュージックへの造詣も持ち、テクノ系の音も咀嚼しながら、即興で音を紡いでゆく。
 ジャズの本質を残しながら、音楽表現として全く新しい次元にシフトさせようという試み。
 上からなぞったような予定調和ではなく、次の瞬間の未知に賭けるチャレンジ精神と遊び心。賢くて、柔軟で、引き出しが多く、多様性主義であること、音楽への愛情に貫かれていること、革新的実験と同時にエンタテイメントであること。それらは指使いのタッチ一つで伝わってくる。

 特にこのロバート・グラスパーは衝撃的だと思う。
 今一番ビビーンとくる。
 音楽好きのシーカヤッカーならば、このよさ、よく分かると思う。

 シーカヤッキングも、旅に出たら、瞬間瞬間が即興で、誰も一切お膳立てしてくれる者助けてくれる者はいず、一瞬先は未知の世界だ。
 あらゆる可能性の中から一瞬先のベストの一音を探るという行為と、無限に広がる大海の中のベストな一筋を自らナヴィゲートして進んでゆく行為。そこに相通じる部分があるのだけれど、これはその最高峰のひとつ。

 ロバート・グラスパーを聴いていると、世界はまだまだ豊かで、未知に溢れているということを教えてくれる。


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感覚的情報の豊かさ

2017-09-22 10:52:34 | マインドフルネス

 先日、と言っても少したちますが、中紀の某所でツアー。
 湯浅湾とはまた違う、より緑濃く、また黒潮の影響も強くなるエリア。

 湯浅湾全般から日ノ岬あたりまでが俗にいう中紀エリアとなりますが、中紀一つとっても、場所ごとに海岸線は微妙に植生が違うし、海に入ると(シュノーケリングすると)魚種の生態も違うということがわかる。そして空気感、五感で捉えるフィーリングが違う。岬一つ、川の河口一つ、島一つ、港一つ越えるごとに少しずつ、あるいはガラッと変わる感覚を肌身で感じることができる。

 まるでソムリエがワインをテイスティングするように、その微細な違いを身体でキャッチすること。それはおそらく、カヤックが最も適していると思う。動力船ではだめだし(特に自然音がエンジン音でかき消されるから)、SUPでは移動距離が足りないし、ヨットでは身体と水面との距離がちょっと遠い。歩きでは磯場を移動できないし、車では論外(もちろんそれぞれに魅力と世界観があるわけで、優劣を言っているのではなく、肌感覚という側面を言っているので誤解ないよう)。

 ぼくはよく「自然の息吹、鼓動に対して最も敏感な、楽器のような乗り物」とカヤックについて形容しますが、紀伊半島のエリアはまさにそんな感覚を試すのに、自然に対してよくレスポンスする身体を磨き上げてゆくのに適したフィールドなのですね。

 自然と向き合いつつ、心と身体の声に耳を傾けること。
 自分自身もひとつの生物になったかのように生態系の中に溶け込みつつ、ゆっくりのスピードで、でもそこそこの距離(10~50キロ)を移動してゆくこと。そこで得られる感覚的情報の豊かさ、リッチさって、色んなアウトドア遊びと比べてみてもすごく純度が高いと思うんですね。特にこれからのAI・人工知能の時代、価値が高まってくると思います。

 もちろん、それを実感するにはある程度漕げるようになる必要があります。でもある程度でいいんですよ。今年シーカヤックを体験して面白かったなと思ったならばまずは10回、やってみてください。そうするとより余裕を持って、漕げる距離も少しずつ伸びてきます。そしてそこから見えてくるものがあります。さらに、ぼくの言っているようなこともだんだん分かってくることでしょう。ですが、1回2回やっただけでは、まず分からないものです。それでももちろん楽しいんですけどね。だけど色々分かってくるようになるとさらに、楽しい、プラス興味深い、面白いというように進化してゆくのです。


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