プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

ソングライン

2021-02-20 00:45:00 | アート・文化



第三作目の書き下ろし著書「ソングライン」(仮題)の第一稿を何とか書き上げた。と言っても完成を100点とするとまだ21点くらい。これからノミとカンナでじっくり仕上げていく。
 紀伊半島各地の自然場所や聖地を、「歌」「音楽」「和歌」でシンクロさせ、DJのように数珠つなぎでつないでつないでつなげてゆき、見えてくるその先は? という内容。前二作で探求したテーマをより深めてゆくお話。

 日本は明治から戦後にかけて今に至るまでことごとく自然を破壊してきた国だけど、もう別の道を行かないとヤバイだろう、という危機感から書いていますが、真正面から切り込むとスローガンみたいになってしまうので、それより音楽という「美」で整えていきつつ、あくまで作品として新たなる自然文化のあり方の道を探っています。
 まだここに書くのもあれだけど、マイペースでやってると終わらんので、己にプレッシャーをかけつつ、年末か来年頭には刊行できるようにと。

 なお、昨年末に出た新刊「黒潮ストリート」、こちらともつながっているので、よろしくお願いします。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

UFOの島

2021-02-17 17:38:00 | 紀伊半島




















 
 先日、南紀の枯木灘にあるすさみ町、江須崎を訪れた。

 ちょうど黒潮の流れに向かって突き出た地形になっていて、植生もなかなか凄い。まるで黒潮に乗って異次元からやってきたUFOのような島、江須崎。エスという語呂も不思議。

 と言っても植生も実のところ、シイ、イヌマキ、ホルトノキの原生林も人の手によって、だいぶ枯れてしまっているようだ。さしものUFOも人為にはかなわないのか。いっそのこと黒潮の源流までワープし、エネルギーチャージしてからまた再び帰ってきて欲しいものだ。

 なおここにはハカマカズラという亜熱帯植物がある。写真下から二番目の黒っぽいツル草がそう。沖縄から黒潮に乗ってやってきたやつだが、その実は数珠みたいな形で昔は実際に数珠用として京都の仏具屋に売られていたようだ。紀伊半島におけるハカマカズラの大きな群落がここと、あと南方熊楠で有名な田辺湾の神島になる。それからその最北限が湯浅湾の黒島だ。
 
 そんな植生と黒潮感覚の変化を最も敏感に感じることができるのがシーカヤックである。
 

 
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

西行庵にて

2021-02-17 17:05:00 | 紀伊半島









 先日、吉野にある西行庵を訪れた。西行が見ていた目線のその先に興味がある。
 まあそれはそれは渋い、老人趣味だと思われるかもしれんけど、ホコリをかぶったような古いものの中から、新たな現代的価値を見いだしていくことに面白みがある。

 余談だが、よくあるビジネス書や自己啓発本などに書かれている効率化や生産性などをいくら追求しても現実などまず変わらない。むしろこういう、一見どんくさいような文化的探求のほうがやがて現実を変えてゆく糧になりうる。

 下から二番目の写真は西行の時代(1000年前)からあった水場で、それについて和歌が歌われている。また江戸時代に松尾芭蕉がここを訪れ、俳句を詠んでいる。その辺の関係が一番下の写真のボードに記載されているわけだが、そういう時空を超えた文化の継承は面白い。 
  
 両者に共通する、歴史に貫かれるものはなんなのだろうか?


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天然記念物の島でエコ活動

2021-02-06 18:21:01 | エコロジー

 少し先の話になりますが、5月19日(水)に、南紀田辺湾の神島(かしま)にて、ゴミ調査&ビーチクリーンを行います。シーカヤックで無人島に渡り、そこでどんなゴミがどれくらいあるのか、リサーチしつつ掃除するという活動です。なお、神島は博物学者の南方熊楠の働きかけにより国の天然記念物に指定されていて、ふだんは上陸禁止となっています。このたび田辺市教育委員会より上陸許可が下りました。
 海ゴミ問題は気候変動と並んで、地球環境問題の重要なトピックですが、日本で最初に「エコロジー」という言葉を使って環境活動を始めた南方熊楠ゆかりの地で、海ゴミ問題の現実に触れながら、さまざまなことを考えてみよう、今後のライフに生かし、周囲の人たちにも語っていくことのできる、ひとつにきっかけにしてみよう、という活動です。

 もちろんコロナ状況も見ながらになりますが、催行予定の流れで参加者受付中です。 
 活動詳細は下記の通りです。
 http://islandstream.la.coocan.jp/kasimasoujitour.htm


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

未来への航海術

2021-02-03 19:29:39 | 海がたり 黒潮ストリート

 毎日新聞連載コラム「シーカヤックで地球再発見」、今回は先日発売した新刊「黒潮ストリート」について書いています。海旅のかたちをとりながらも、その航海術は現代社会や文明のあたらしい道をさぐってゆくことの比喩でもあり、実のところのテーマは「文明論」です。で、それでいながら紀行文学という作品。

 まあ、ぼくの書く本はふだん本をあまり読まない人や自然にあまり親しみのない人は一回読んでも読み取れないかもしれませんが、逆に何十回読んでも飽きずに新しい発見がある作品を目指して、編集者の方とともに作り上げています。今の時代の紙の本の役割って、そういうものだろうと。逆に30分くらいでささーっと読み切れるようなものは、電子書籍で出していきたいと思っています。

 本作品のアマゾン販売ページはこちら。
 https://www.amazon.co.jp/dp/4910154124/
 よろしくお願いします。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする