プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

神島ゴミ調査&ビーチクリーンアップ活動の集計

2022-05-30 17:17:50 | エコロジー

 日本のエコロジー活動の父とも言われる博物学者・南方熊楠の尽力により天然記念物となった無人島、田辺湾神島。そこでのシーカヤック海ゴミ調査&ビーチクリーン活動は定点観測的に2009年より行っていますが、今年は先日5月19日に開催しました。
 シーカヤックで神島に渡り、世界統一のフォームに則ってゴミの種類を調査しながら浜の掃除をし、集めたゴミを再びカヤックに積み込んで帰ってくるという活動です。神島は通常、上陸禁止となっていますが、毎回このイベントの際には田辺市教育委員会の許可を頂き、上がられていただいています。
 さて、少々遅くなりましたが、当日のゴミの集計が出ましたので、ここにも載せておきます。参加者の方、おそくなってすいません。また参加されなかった方も海ゴミ問題の参考までによろしければご覧下さい。

 ●ゴミの総重量77.3キロ
 ●多かったゴミの種類ベスト10
 1位 プラスチックシートやゴミの破片 353ヶ
 2位 食品の包装・袋 171ヶ
 3位 硬質プラスチック破片 159ヶ
 4位 発泡スチロール破片 119ヶ
 5位 その他プラスチック袋 106ヶ
 6位 食品容器(プラスチック)90ヶ
 7位 ロープ ひも 73ヶ
 8位 ペットボトル 62ヶ
 9位 ガラスや陶器の破片 51ケ
 10位 食品容器(発泡スチロール) 49ヶ
 
 とこんな感じですが、田辺湾内の陸側(市内側)に向いた浜であるせいか、日常生活シーンからでてきたゴミが目立ちました。ここでは2009年から定点観測的に本活動を行っていますが、だいたいよく似た状況が続いています。
 なお、ご参加者の感想もここに記します。現場でさーっと書いてもらったのでごく手短になっていますが、こういう一人一人のご意見こそが最も貴重な資料となるかと思います。

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●天候に恵まれ、ゆったりと楽しく過ごせました。前回はもっとたくさんあったので、今回は少し気が楽でした。前回たくさんあった歯ブラシや合併浄化槽の栓が今回はなかったりしました。一番はコンビニなどで買えるおにぎりやお菓子のゴミが多いと感じました。マスクも。また農業の項目がなかったのですが、肥料の袋や苗ポット、黒マルチなどがあったので、その項目を作ってもらいたいです。神島に上陸という貴重な体験を,ありがとうございました。カメやフグの骨などに出会えたことも子供は喜んでいました。

●思っていたよりゴミは少なかった。天然記念物や、ハカマカズラなど、歴史を感じられて良かった。

●プラスチックゴミの多さ、特にペットボトル。ホッカイロも数点あり、ビックリしました。それとレジ袋も多い。普段からゴミを家に持ち帰る運動の必要性を感じる。

●このたびはありがとうございます。樹木の混合具合がなかなか見れない場所に行けたので、それはそれでよかったのですが、結構なゴミの量に「ビックリ」です。次回も参加し、変化を確認したいところです。

●今回初めての参加でしたが、小さなゴミが砂浜に多く落ちていて、拾い集めるのも一苦労という感じでした。今回のようにある程度人数がいて、まとまってゴミを集めると効率的でいいと思いました。カヤックで自然も体験でき、また次回も参加してみたいと思いました。

●海が凪で、気温も風もちょうど心地よくて、スイスイ進みました。神島のゴミはビニール袋の切れ端やプラスチック製品の破片が多かったです。マスクのゴミが何個かあったのが印象的でした。また次回があれば子供を連れて来てみたいです。貴重な体験をありがとうございました。

●今日は貴重な体験をありがとうございます。和歌山に住んでいますが、知らないことがたくさんあります。熊楠さんが大事にしていた神島がこれからも守られます様に。シーカヤックも、天気も良く、最幸でした。

●初めての参加でした。思っていたよりも多くのゴミがあった。コンビニやモスバーガーで買えるようなモノが流れ着いているのが多いかなと思う一方で、椅子であったり、ゴミの種類が多いことに驚いた。海上にもっとゴミがあると思っていたが、それは少なく感じた。

●今日は貴重な体験をありがとうございました。テレビで海の汚染の報道を見て心がとっても痛いのに何もできず、これをきっかけに近くの海、山、川でもゴミを拾っていこう、と心に決めました。それとカヌーの素晴らしさも知ることができました。

●ゴミを分別しながらの掃除作業も、色々分かるというか知ることができるものだなと。島に上陸するのはいいですね。

●大切な神島での活動も今回で三回目の参加になりましたが、もっともっとキレイに保てると思いますので、皆でミーティングを重ねて神島の保全をしていくのと、もう少しキビシイ市の条例を作成すべきだと思いました。

●2019年に初参加させてもらい、あまりのゴミの多さでしたが、全国どこの岸ももっと多かったように思います。今日は、海から見たとき「ゴミないやん!!」でしたが、上陸するとやはりそこそこありました。陸上のゴミが大雨等ですべて海に流れ、そこが最終処分場になっていることを実感させられます。日常のゴミに対する意識が大切だと実感させられる一日でした。

●いつも対岸から眺めていた憧れの神島に上陸できて幸せな時間でした。途中で珍しい化石や植物、地質など説明していただいて、驚きと初めて知ることがたくさんありました。神島を通して、環境問題にもっと真剣に取り組んで考えていこうと、より一層思いました。貴重な体験をありがとうございました。

●神島は樹木が豊かで美しい島という第一印象でした。初め、ざっと見わたした限り、そんなにゴミはないように思えましたが、よくよく見て歩いてみると生活ゴミの多さに驚かされました。プラスチック、ペットボトルなどは予想はしていましたが、釣り糸がたくさんあり(取れるところではなかったのが残念です)、鳥が引っ掛かっている姿は切ないものでした。南方熊楠さんに興味があり、友人に誘われての参加でしたが、日々の暮らしなどにも思いを寄せる時間となりました。海でのカヌーも楽しませていただきました。

●子供が「カヤックはディズニーランドより自分で漕いで好きなところに行けるから楽しいな!!」と言ってくれてよかったです。海も、神島も美しく、少し人が踏み入れることによって環境が変わってしまう、というのが印象的でした。きれいな海のためのできることはしていきたいと思いました。

●こぐの、たのしかった。ごみさがすの、むずかしかった。うみきれいやった。

●はじめて参加させていただきました。素晴らしい天気に恵まれ、とてもよい体験ができました。島の歴史を学べ、海のゴミ問題を考えさせられ、改めて自然の素晴らしさを体験できました。今後またこういった活動に参加していきたいです。本当にお世話になりました。

●ゴミの大半がプラスチックゴミでした。プラゴミの海への流出を完全になくすことはできないため、生活用品ほか、プラ製品をなくすことの必要性を再認識しました。

●気候がよく、風も少なかったので、船酔いもなく楽しめました。ゴミ拾いというより宝探しのような冒険をした気分です。美しい神島をあとに清々しい気持ちで帰って来れました。また参加したいと思います。

●神島上陸のチャンスを頂き、ありがとうございました。海洋ゴミがどこから来て、どこへ行くのかを考える良いチャンスでした、空と陸と海はつながっていて、すべてをトータルで対策をしていく必要があるのでしょう。SDGsというフレーズだけにとどまらずに、今後ゴミを減らす方法を生活レベルで実行していきたいと思います。

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カヤック&ゴミ調査

2022-05-25 10:41:00 | エコロジー
 












 先日開催した田辺湾神島・海ゴミ調査&ビーチクリーンアップ、おかげさまで天候、海況にも恵まれ、無事終えることができました。昭和初期、博物学者の南方熊楠の働きかけにより天然記念物に制定された無人島にカヤックで渡り、カヤックにゴミを積んで帰ってきました。
 
 2009年から行っているこのイベント、浜のゴミを拾うだけでなく、どんなゴミがどれくらいあるのかを拾いながら調査し、国際的なNGOに提出してデータ化することを目的としています。
 
 そのデータは以前からこのブログに載せていますが、ここのところ所用でいそがしく、まだ集計できていません。近日中にアップしたいと思います。

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水俣から水俣へ

2021-11-06 23:43:00 | エコロジー



















八代海を一周、水俣から出て水俣に戻ってきた。水俣周辺は山また山で、水際まで魚付き林が迫っていて、しかも海底からも湧き水が出てる。海水を舐めてみるとすごく甘い。山と海が分かちがたく繋がり、魚が育まれる子宮のような立地条件だとよくわかった。実際水俣沖でルアーを落とし込むとマゴチの5、60センチくらいのが入れ食いだった。

 八代海はちょっと盲点だったけど、面白い海だ。15人しか住んでないフェリーも通わん島もあったし。カヤックトリップ講座と環境学習を兼ねて5日くらいのカヤック旅スクールをやるのにも適してそう。キャンプできる浜が少ないのがネックだけど。

 ところで、このたびのCOP26でなんでブルーカーボンについて言わないのかな、と思う。海草類の二酸化炭素吸収量が地球上で最大であり、それをブルーカーボンというけど(グリーンカーボンの倍吸う)それの効果を考えるとき、水俣や八代海の海の豊かさの価値が再浮上してくる。水俣は近代化の過程で泣かされてきた地だけど、世の近代化も終わり、それが爛熟して退廃を迎えて久しい今、状況が一周して新しい意義を持ち始めているんじゃないだろうかと思う。

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浜そうじ

2021-05-02 12:44:00 | エコロジー


先日行った、ビーチクリーンの成果。
海ゴミは次から次へとやってくる。
こちらは黙々と掃除する。
いつか海ゴミがなくなる日をイメージして。

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天然記念物の島でエコ活動

2021-02-06 18:21:01 | エコロジー

 少し先の話になりますが、5月19日(水)に、南紀田辺湾の神島(かしま)にて、ゴミ調査&ビーチクリーンを行います。シーカヤックで無人島に渡り、そこでどんなゴミがどれくらいあるのか、リサーチしつつ掃除するという活動です。なお、神島は博物学者の南方熊楠の働きかけにより国の天然記念物に指定されていて、ふだんは上陸禁止となっています。このたび田辺市教育委員会より上陸許可が下りました。
 海ゴミ問題は気候変動と並んで、地球環境問題の重要なトピックですが、日本で最初に「エコロジー」という言葉を使って環境活動を始めた南方熊楠ゆかりの地で、海ゴミ問題の現実に触れながら、さまざまなことを考えてみよう、今後のライフに生かし、周囲の人たちにも語っていくことのできる、ひとつにきっかけにしてみよう、という活動です。

 もちろんコロナ状況も見ながらになりますが、催行予定の流れで参加者受付中です。 
 活動詳細は下記の通りです。
 http://islandstream.la.coocan.jp/kasimasoujitour.htm


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海水浴者のゴミ

2020-08-25 08:07:40 | エコロジー

昨日は朝のはよから浜掃除。とりあえず捨てられていったゴミをシートの上にぶちまけて分別。袋に入れてゴミ収集車待ち。浜にゴミ捨てていく海水浴者は海にこないでくださいね。二度と。本気で怒ってます。


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ゴミ捨てんな

2020-08-24 07:13:00 | エコロジー








昨日も浜に海水浴者が多かったなと思いきや、夜見たら浜からスロープを上がった所にゴミの山。あーあだが、8月の土日ってこんな感じ。ぼくらはこんな連中とも戦いながらカヤックやsupツアーをしなきゃならないわけ。速く夏が終わって本当の海好きが来る秋になって欲しいと心底願う。今後ゴミ捨てていく奴は録画してYouTubeにアップする。二度とくんなよ。

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串本キャンプツアー

2019-11-02 22:42:00 | エコロジー
 


















 先日開催した本州最南端、串本沿岸でのキャンプツアー。
 
 台風21号の影響で橋杭岩より外側はうねっていたが、
 逆に串本大島南岸まで行くとうねりの影響もましになり、
 なかなか楽しめるツーリングとなりました。
 
 キャンプ時にも雨は降らず、風も吹かず、暑くもなく寒くもなく快適でしたが、
 去年の台風の影響で浜の砂がごっそり流れ去っていて、ゴロタ石の浜になってしまっていました。
 それが悲しかったですね。
 
 日本の海岸線は軒並み砂がなくなっていってるという現状があります。それは護岸工事の影響で潮の流れが変わることによってこれまであった場所の砂が移動、拡散してしまうという原因。川の上流のダム建設によって川からの砂の供給が途絶えてしまうという原因(海岸線の砂って川からの供給であることが多い)。河口付近の工事によってさらに砂が流れてこなくなるという理由。などなどさまざまな因果が複合的に重なり合うことによって起こった結果なのですが、この浜にかかわらず本当に全国的に浜の砂が減っていることが心配されます。
  
 これも絶対なんとかしなきゃいけない問題でしょうね。
 砂浜がなくなれば台風や津波が来たときにクッションやショックアブソーバーの役割をするものがなくなって、より被害が大きくなることも考えられます。砂浜や干潟やマングローブや湿地帯や海岸段丘など自然そのものがエネルギーを減少させるという要因も、実は大きいものなのです。
 
 と、悲しくなってくるあまり、ついつい長々と意見を述べてしまうのですが、キャンプそのものはとても楽しいものとなりました。
 
 2日目も風がなく、ややうねりだけがまだ残っていましたが、総じてよいコンディションでした。大島の北側の滝を見に行き、その足で九龍島までこぎ、そこで昼食をとったあと再び戻りました。
 
 という流れでツアー終了。

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いつかコンクリートが

2019-11-02 21:42:00 | エコロジー





 先日プライベートで漕ぎに行った下津沖の地ノ島あたりからの風景。

 この石油備蓄タンクのあるエリアは昔からの埋め立て地。以前百年くらい前の郷土資料写真を見たら、この辺りはそれはそれは美しい入江と干潟が一面に広がっていた。

 一度壊した自然はなかなか元に戻らない。いずれここにあるタンクは時代の変化とともに無用の長物となる。かといって自然に戻るわけではない。

 よく思う。
 これからの公共事業とはそこらを無闇にコンクリート詰めにするのではなく、むしろコンクリートをひっぺがし、元の自然に戻す工事をすべきではないかと。後世のことまで考えるならば、きっとその方がいい。自然の美観こそが最高の経済価値となる時代が、いつか必ず来るだろうというのがこれまで方々の海を旅してきたぼくの予感である。

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