プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

水際ソムリエ

2009-11-25 16:01:42 | 紀伊半島カヤックツアー
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 写真はすべて、先日11月23日に催行しました名張・青蓮寺湖カヤックツアー当日早朝出艇前の湖面のものです。水温と外気温の差異により水面に招かれた霧が幻想的で、太陽光線に照らされるとプリズム状に光が乱反射し、ひときわ別次元感がありました。そして山肌に映える紅葉の色彩・・・。よろしければクリックして拡大してごらください。

 やはり、
 場所ごとの特徴×四季の変化×時間の変化によって、
 カヤックの魅力は無限大に広がっていくんだな、と
 改めて実感しました。

 紀伊半島、あるいは関西をひとつのホームグラウンドと捉えてみても、
 まだまだ開拓する場所、
 いろんな方にお見せするフィールド、
 魅せ方などが無限に広がっています。
 さらに日本、世界とスケールを広げてゆくと・・・、
 ヤバイですね。
 一生って短いですね。

 なんと言っても、ただ絵葉書のように傍観するだけでなく、
 カヤックを漕ぎいで、
 その一連の脈動のただ中に参入すること、
 そこに最大の意義があります。
 普段陸上ではまるで意識しない風や波や生き物の息吹が、
 水上では、
 極めてリアルなものとして心の深いところに刻印されてゆく。
 脈動する自然の本質、パルスに対する、
 コンセントが刺さっている状態とでも言えましょうか。
 
 そんな経験を貯金のように積み重ねてゆき、
 そこから繋がってくる豊かな感性の世界。

 ぼくはいわゆる「海岸線ソムリエ、水辺ソムリエ」として
 もっともっと素晴らしいフィールドやその魅せ方を
 開拓していこうと決意する一日でした。

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紅葉カヤック

2009-11-17 14:51:40 | 紀伊半島カヤックツアー
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 紅葉の時期にも入ってきましたが、カヤックの上から紅葉を眺めるってのもなかなかいいものです。徐々に深まりゆく晩秋の山々のただずまい、木々の息吹、鼓動は、楽器のように敏感な乗り物「カヤック」に乗ってこそ、より心深く沁みわたってくるものがあります。

 今度の11月23日(祝日)に三重県・名張にある青蓮寺湖にて、紅葉カヤックツアーを行います。
 詳しくはこちらをご覧ください。
 http://homepage3.nifty.com/creole/shourennji.htm

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ぽかぽか陽気

2009-11-17 14:38:17 | インポート
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 晩秋から初冬にかけては西高東低の気圧配置になって北西の季節風が吹く日も出てくるけれど、一方、中国大陸南東部あたりから数珠つなぎになってやってくる高気圧に覆われた場合、何日間にも渡って穏やかな晴天が続くことがあり、そんなときは至福のカヤッキング日和となりますね。

 先日の日高川ツアー(写真)はちょうどそんな感じでした。
 気持ちよかったです。

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哀愁とクレオール

2009-11-13 02:10:46 | 音楽
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 今回は音楽ネタです。
 アフリカのセネガル沖に「カーボ・ヴェルテ」っていうあまり知られていない島国がありますが、そこ出身の「セザリア・エヴォラ(cesaria evora)」っていう女性シンガーが結構好きで色々調べているうちに、この国の音楽ってすごく面白いなって気づきました、特に、マイラ・アンドラーヂ(Mayra Andrade)っていう若手美人シンガーの歌が素晴らしく、ここ最近はまりまくっています。

 ヨーロッパとアフリカを結ぶジブラルタル海峡の西に位置する島々のことを通称「マカロネシア」と言うらしいけれど、カーボ・ヴェルテはその中の、ひとつのまとまった島嶼国。元ポルトガル領で、音楽的にはポルトガルの「ファド」っていう情感深い音楽と、ブラジルのボサノヴァやサンバ、またスペインのフラメンコ、そしてアフリカ音楽の断片的リズムが絶妙に溶け合っていますが、全体的にしっとりとした哀愁と言いますか、深い影のようなものが底に流れています。

 まあ、哀愁とか情感というと演歌などを連想しなにやらクサそうな感じがしますけれど、ぼくはこの哀愁具合、コブシ、影を想わせる情感に、非常に新しさを感じました。

 哀愁、憂いとかそういう感情っていわゆる「ポジティヴ志向」じゃなくどちらかといえば「負」の感情とされがちですが、実はそう単純なものではなく、もっと微妙なニュアンスがある。昨今の日本はとかくポジティヴシンキングうんぬんかんぬんが尊ばれ、そうじゃないものは効率性に寄与しないネガティヴ思考で、それが過ぎるとイカレた犯罪に繋がっていくというような単純図式がマスメディアなんかでも描かれたりする。だけどそんなものは安物の塗り絵みたいなもので、人間の感情の機微、サウダージ(哀愁、憂愁、切なさ)ってやつはもっと細やかで、豊かなもの。だけれど今の日本、ギャグではない細やかな「哀愁」ってやつがゴソっと抜け落ちている、そういうことだからすごく新鮮に感じられたのかもしれないと、思います。

 ブラジル音楽のクールな要素やアフリカンリズムの軽快さが情感のクサみを打ち消している、などと色々分析もできましょうがぼくはこの哀愁のコブシに新鮮さと、そして海の香りを感じました。
 実際、海に囲まれているというか大海の上に浮かんでいる島国なので海や船乗りに関する歌がかなり多いらしい。そこに同じく島国である日本人の琴線に触れるものがあるのかもしれない。
 そして哀愁と同様、この混血感にも海の香りを感じました。

 とにかくマイラ・アンドラーヂは素晴らしい。 
 you tubeで探すと、色々出てきますのでご参考までに。
 http://www.youtube.com/watch?v=t_70rNKAEUA&feature=related
これもいい曲。
http://www.youtube.com/watch?v=lIU0xRah6nA&feature=related 
 他まあ、いっぱいあります。ちゃんとした音で聴くと100倍いい。

 また、何本かにまたがっているけれど彼女のインタビューなどが挿入されたショートドキュメンタリーがあって連続してみると面白い。
No.1
http://www.youtube.com/watch?v=CJMWnH14MsU&feature=related
No.2
http://www.youtube.com/watch?v=p01L9ukroNk&feature=related
No.3
http://www.youtube.com/watch?v=KL_Hz1EttNs&feature=related

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白い岬

2009-11-11 10:16:29 | インポート
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 秋のスペシャルツアーのスケジュールも順調に進んでいますが、特にここのところ運よくコンディションに恵まれたツアーとなっています。
 写真は、先日の黒島&白崎海岸ツアー(シーカヤック&ミュージックツアー)のものです。

 湯浅湾南端に位置する白崎海岸。
 真っ白な巨大恐竜のような石灰岩の岬が紀伊水道を睥睨し、
 徳島から紀伊半島へとシーカヤックで渡る海上でも、
 かなり遠くから異彩を放って見えます。

 特に秋の、移動性高気圧にすっぽりと覆われた、
 空高い晴天の日には、
 青い空とマッチしてひときわ鮮やかです。

 やびつ海岸や宮崎の鼻周辺といい、この白崎といい、
 湯浅湾のフィールドは奥が深いなっていつも思います。

 場所ごとの特色×四季の変化×時間帯の変化=
 その組み合わせによって、美しさは無限です。

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田辺湾・神島での海ゴミ調査 2

2009-11-06 23:24:51 | インポート
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(前回の記事に引き続き)
 
 南紀・田辺湾/神島(かしま)での海ゴミ調査&クリーンアップイベントに参加された方々の感想を記載しておきます。これを読むとなるほどと、ひとつの傾向が浮かび上がってきて面白いです。

 Aさん:神島の小さな浜2つで集めたゴミが2t車に一杯になったことに驚いた。その中でビニール、ナイロン系ゴミが大半で、これらがもし自然に還る素材に変われば、それは素晴らしいことだろうと感じた。現在でも一部、そうした素材があるらしいですが。しかしながら、原点は個人のモラルの向上にかかっているのかな。

Bさん:今後もこのようなイベントには参加していこうと思います。少しでもゴミがなくなるきっかけになればよいなと思います。不要になったものをできるだけ再利用や再資源化する方向に、世界の人々が協力して向っていかなければ、永遠に解決しない問題だという事も、改めて感じました。

Cさん:本日、神島で集めたゴミは、朽ちたものが多く、長く海上を漂っていたことを物語っているようでした。ペットボトルや空き缶、発泡スチロールなど、普段の生活と身近なゴミが多いのも印象的でした。
ゴミの発生には必ず私たち人間が関わっているんだということに大きな責任を感じました。美しい海でカヤックツーリングができることに感謝すると同時に、私たちの何気ない行動が自然に大きな影響を与えているという自覚を持たなければならないと、今日改めて思いました。
今日集めたゴミは世界中に溢れるゴミたちのほんの一部でしかないけれど、少なくとも今日参加したメンバー全員に、ポイ捨てが悪いということ、自然を大切にしなければならないという気持ちが持てたということだけでも、とても意義ある一日になったと思いました。

Dさん:昨年に続いての秋のクリーンアップで、今年は天然記念物に指定されている神島での実施は意義あるものであった。砂浜の面積は昨年の場所(湯浅湾・鷹島)よりは狭いものの14人の作業で83キロものゴミが集められた。ゴミの種類を見ると、人の生活することから出ているものが大半を占めた。流れ着いてはまた海に引き戻され、漂い、また別の浜へ打ち上げられる。海ゴミは減ることはなく、どんどん蓄積されるだけである。人の近付けない浜にも、ゴミはどんどん打ち寄せられ、たまっていく。そんな状況を知るのはカヤッカーであり、その状況を一般の人たちに伝えるのもカヤッカーの役目であるように思う。ゴミを回収するのには限界がある。ゴミを減らすこと、ゴミを放置すれば風や雨水がゴミを海へと運ぶことを知らせていくことが大切だと思う。

Eさん:「チリも積もれば山となる」という諺がありますが、海も実際たくさんの漂着物としてのゴミが見受けられます。目に見えるだけよりも、フィールドに足を運んでゴミ拾いをした感想は、あまりにも個人としての問題だけで終わらせてはいけない、としみじみ感じました。
そこに住む人だけの事でなく、地球全体のスケールで小さい事からでも取り組む意味で、今日は価値がありました。ゴミは人の心を映しているのです。自分の内部の心に照らし出してきれいにすることを頑張っていきたいと思います。

Fさん:ゴミ調査のイベントに参加してみて、世界各地から流れ着いているゴミの多さと種類を間近に見て、改めて人間が起こしている問題を肌に感じました。砂と一緒に埋もれている無数の発砲スチロールの細かいもの、根に絡まっているペットボトル等など、よく見るときれいな島も、ゴミに覆われて苦しいんでいるようでした。約二時間の掃除後、浜は目立つゴミもすっかり減り、見違えるほど輝いていました。
今回も貴重な体験ができました。ありがとうございました。

Gさん:「あの島に本当にゴミがあるのだろうか?」朝、岸辺から神島を見た時の印象である。海にぽっかり浮かぶ小さな島にはゴミなどひとつもないように思えた。
 (カヤックを漕いで)神島に到着する。浜辺一面のゴミ。ビニール、プラスティック、カン、ペットボトル・・・、燃えないゴミがやたらと多い。洗剤の容器、おにぎりの外包、そういえば、日頃、私が買っているものばかりだ。発砲スチロールは崩れて粉々になっていた。これを魚たちが卵と間違って食べるらしい。その魚を今、私達が食べている。カヤックに一杯積んだゴミ。誰も責められない。私もまた(生活の中で)出しているゴミ。パドルを漕ぎながら、その重みを体で感じた。心で感じた。
 いい一日でした。ありがとうございました。

 Hさん:いつも近くの川を見て、ペットボトル、お弁当パックなどが捨ててあり、これが全部海へ行くんだなと思うと、悲しくなります。山から数キロほど流れてきただけの川なのに、ゴミをポイ捨てする、モラルのなさ、教育のなさに絶望します。今日のゴミも家庭のゴミや、(釣りなどの)レジャーのゴミがほとんどで、防ごうと思えばなくしてしまえるゴミがほとんどでした。
 ゴミを出しながら生活しているという意識をしっかりと持っていかないと、先進国が出し続けているゴミにプラスして,ブリックス他の諸国が、経済発展とともに目に見えるゴミ、見えないゴミがどれだけ地球を汚していくのか、悲しくなります。小さい事でも、自分にできることはしていかないと、と本日思いました。皆様お疲れ様でした。ありがとうございました。

 Iさん:今日、田辺市教育委員会の許可の下、天然記念物の特別な島で参加できるということで喜んで申し込みました。神々しい、まさに名前のとおりの神島でした。白浜にはよく来ましたが、田辺湾も美しく、なかなか見事です。今後こういう美しい海を子孫のためにも守っていきたい。

 Jさん:昨年に引き続き、参加させていただきました。やはり浜のゴミの量の多さには驚かされました。普段生活していると、あまり意識することのない海のゴミについて考えることができて、とても有意義なイベントになりました。
 昨年の鷹島に比べて、漁具系のゴミが少なく、生活用品のゴミが多かったように感じました。場所によって、ゴミの種類に違いがあるということを実感できました。これは実際に拾ってみないと気付くことのないことなので、大変勉強になりました。これからも、もちろんゴミはきちんと処分する、なるべくフィールドのゴミを持って帰る、海のゴミ問題を人に伝えて知ってもらう、など少しずつでも働きかけていければと思いました。今回は、普段は上陸できないフィールドでの調査という貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。

 Kさん:黒潮に育まれた豊かな植生と、それに反比例するかのような様々な生活用品の残骸。相変わらずペットボトル、発泡スチロールが目立ちます。神島の2か所の浜での作業でしたけれど、それぞれの浜、海に面する向きで、流れ着いているモノも若干違うように感じた。
 無人の海岸線にアプローチできるスポーツであり、遊びであるシーカヤック。これまで漕いだ場所はそう多くもないけれど、どこに行ってもなにがしかのゴミが漂着しているのが目に入ってくる。いつの日か、ゴミの皆無な海を楽しみたいものだ。今回のようなイベントで少しでもその手伝いになればいいなと思う。

 Lさん:プラスティック系、石油製品系のゴミがあまりにも多かったですね。分解されない、という理由もあるのでしょうが、ビニール、プラスチック系のパッケージがあまりにも過剰になされた商品が巷に溢れているという原因が、一目瞭然です。風に舞ったり、ポイ捨てされたりと、何らかの理由できちんと処理されなかったものは大部分、大雨や台風などの影響でいつかそのうち海にたどり着きます。拾っても拾っても次から次へとゴミは川という動脈から供給され、最終出口なしの海に蓄積されていきます。そして分解しません。巷に溢れるパッケージ過剰な商品は購入後の後処理が非常に面倒で、何かを買いに行く時も、どうせなら多少傷ついててもいいからハダカで商品をくれ、という気分になったりする今日この頃ですが、こういう状況を目のあたりにすると、ますますビニールやプラスティック系パッケージはどうにかしなきゃいけない存在だなと思えてきました。

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田辺湾・神島での海ゴミ調査

2009-11-06 22:52:22 | インポート
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 先日、田辺湾・神島(かしま)での海ゴミ調査&クリーンアップイベントを開催しました。(イベント内容については下記サイトをクリック)
 http://homepage3.nifty.com/creole/kasimasoujitour.htm 
 
 シーカヤックでは人の入って来れない海岸線や無人島などに容易にアプローチできるのですが、そこに新しい発見があると同時に、海ゴミの実態ってやつをまざまざと思い知ることにもなります。なんでこんなところに? って感じの無人の海岸線に死ぬほどゴミがたまっている状況に辟易とするわけですが、そういうことは普通に日常生活を送っている限り、なかなかわからないものです。しかし実際、ゴミだらけの海岸線がかなりたくさんあります。

 海ゴミは、直接海洋や海岸に投棄されたものよりも、陸から発生して行きついたものが大半を占めます。水は川を伝って低きに流れ、やがて海にたどり着くように、ポイ捨てや風に舞う、など何らかの形できちんと処理されなかったゴミも、雨水を介して大部分海にたどり着きます。特に台風や梅雨末期の集中豪雨などが毎年毎年必ず起こる日本では、ぼくらが思っている以上にゴミは川を流れ、海にたどり着く確率が高くなります。
 そして海は、出口なしのゴミ終着駅となります。
 そうして溜まったゴミが国境を越え、行き交い、
 あるゴミは海面をただよい、あるゴミは海底に沈み、
 はたまたあるゴミは海岸線に漂着し、著しく景観を損ねます。

 拾っても拾っても、次から次へと陸から供給されるゴミ。
 もちろん潮の流れによってほとんど目立たない場所もありますが、
 一方潮の流れによって、たとえば太平洋のある場所には、
 テキサス州の2倍もの面積を誇る
 「太平洋ゴミベルト」と呼ばれるエリアもあります。
 (ナショナルジオグラフィックに写真も載ってます、下記参照)
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009090903&expand
 
 ひどい話ですが、これらはみな、
 ぼくら普通の人間の日常生活シーンから発生したゴミが、
 流れに流れて海に行きつき、
 ちりも積もってテキサス州とかアメリカ大陸の大きさになったのです。

 海がある星は太陽系では地球だけで、
 海があるからこそ生命が存在し、
 宇宙からもひときわ青く美しく輝く宝石のように映るわけですが、
 このままいくと巨大なゴミ箱と化してしまいます。

 というわけである意味、拾っても拾っても全く意味をなさないといいますか、
 発生源を断たなければどうしようもないというわけですが、
 まずは、「いつ」「どこに」「どんなごみが」「どの程度」存在するのか、
 知る必要があります。
 
 アイランドストリームではNGO組織の「クリーンアップ全国事務局」の活動にリンクして海岸ゴミを拾いつつ、どんなゴミがどれくらいあるのか、を調査しています。全国各地さまざまな場所で春と秋に同様のイベントが開催され、その結果が事務局に集められ、さらに全世界で行われた結果がアメリカにある組織に提出されます。そうすることによって世界の中の日本、日本の中のこの海域、という具合にゴミの傾向がわかり、また発生起源を分析することも可能となってくるわけです。「そういう現状ならば、小さな無人島のゴミを調査しただけで何になるねん?」と思われるかもしれませんが、チリが積もってゴミベルトができたように、逆にチリのような努力も積もればパワーになると考えると、面白いでしょう。
 何事もシラケていると、できません。

 さて、田辺湾・神島(かしま)は、博物学者の南方熊楠が天然記念物に指定した、太古の植生がそのまま残る神々しい無人島ですが、通常は立ち入り禁止となっています。しかし今回、上記したような理由により田辺市教育委員会の特別許可を経て入島し、調査&クリーンアップを行いました。
 シーカヤックで島まで渡り、作業を終えて、再びカヤックにゴミ袋を積んで漕いで帰りました。
 
 黒潮の影響下にある海域の島ということで、遥か南方からやってきたゴミが多いのかと思いましたが、意外と日常生活シーンから出てくる、特に食品にまつわるゴミが多いということに気づきました(中でもプラスティック、製油製品系のゴミ)。
 理由の推測として
・湾の奥まった場所に位置すること
・浜は外洋側ではなく田辺市街の方角に面しており、沿岸から2キロほどしか離れていないこと
・今年7月の記録的集中豪雨で川を伝ってやってきた町のゴミがいつもに増して多い。
 などが考えられました。

 参加人数: 14人(うち2名は田辺市の職員の方)
 天候:くもり
 集めたゴミの量 33袋/83kg 

 多かったゴミベスト10
1:発泡スチロール破片 大 513
2:食品の包装・容器 372
3:発泡スチロール破片 小 259
4:飲料用プラボトル 218
5:プラスチックシートや袋の破片 203
6:ふた・キャップ 127
7:硬質プラスティック破片 97
8:飲料缶 86
9:苗木ポット 62
10:飲料用ガラスびん 61

 となりました。

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