(前回の記事に引き続き)
南紀・田辺湾/神島(かしま)での海ゴミ調査&クリーンアップイベントに参加された方々の感想を記載しておきます。これを読むとなるほどと、ひとつの傾向が浮かび上がってきて面白いです。
Aさん:神島の小さな浜2つで集めたゴミが2t車に一杯になったことに驚いた。その中でビニール、ナイロン系ゴミが大半で、これらがもし自然に還る素材に変われば、それは素晴らしいことだろうと感じた。現在でも一部、そうした素材があるらしいですが。しかしながら、原点は個人のモラルの向上にかかっているのかな。
Bさん:今後もこのようなイベントには参加していこうと思います。少しでもゴミがなくなるきっかけになればよいなと思います。不要になったものをできるだけ再利用や再資源化する方向に、世界の人々が協力して向っていかなければ、永遠に解決しない問題だという事も、改めて感じました。
Cさん:本日、神島で集めたゴミは、朽ちたものが多く、長く海上を漂っていたことを物語っているようでした。ペットボトルや空き缶、発泡スチロールなど、普段の生活と身近なゴミが多いのも印象的でした。
ゴミの発生には必ず私たち人間が関わっているんだということに大きな責任を感じました。美しい海でカヤックツーリングができることに感謝すると同時に、私たちの何気ない行動が自然に大きな影響を与えているという自覚を持たなければならないと、今日改めて思いました。
今日集めたゴミは世界中に溢れるゴミたちのほんの一部でしかないけれど、少なくとも今日参加したメンバー全員に、ポイ捨てが悪いということ、自然を大切にしなければならないという気持ちが持てたということだけでも、とても意義ある一日になったと思いました。
Dさん:昨年に続いての秋のクリーンアップで、今年は天然記念物に指定されている神島での実施は意義あるものであった。砂浜の面積は昨年の場所(湯浅湾・鷹島)よりは狭いものの14人の作業で83キロものゴミが集められた。ゴミの種類を見ると、人の生活することから出ているものが大半を占めた。流れ着いてはまた海に引き戻され、漂い、また別の浜へ打ち上げられる。海ゴミは減ることはなく、どんどん蓄積されるだけである。人の近付けない浜にも、ゴミはどんどん打ち寄せられ、たまっていく。そんな状況を知るのはカヤッカーであり、その状況を一般の人たちに伝えるのもカヤッカーの役目であるように思う。ゴミを回収するのには限界がある。ゴミを減らすこと、ゴミを放置すれば風や雨水がゴミを海へと運ぶことを知らせていくことが大切だと思う。
Eさん:「チリも積もれば山となる」という諺がありますが、海も実際たくさんの漂着物としてのゴミが見受けられます。目に見えるだけよりも、フィールドに足を運んでゴミ拾いをした感想は、あまりにも個人としての問題だけで終わらせてはいけない、としみじみ感じました。
そこに住む人だけの事でなく、地球全体のスケールで小さい事からでも取り組む意味で、今日は価値がありました。ゴミは人の心を映しているのです。自分の内部の心に照らし出してきれいにすることを頑張っていきたいと思います。
Fさん:ゴミ調査のイベントに参加してみて、世界各地から流れ着いているゴミの多さと種類を間近に見て、改めて人間が起こしている問題を肌に感じました。砂と一緒に埋もれている無数の発砲スチロールの細かいもの、根に絡まっているペットボトル等など、よく見るときれいな島も、ゴミに覆われて苦しいんでいるようでした。約二時間の掃除後、浜は目立つゴミもすっかり減り、見違えるほど輝いていました。
今回も貴重な体験ができました。ありがとうございました。
Gさん:「あの島に本当にゴミがあるのだろうか?」朝、岸辺から神島を見た時の印象である。海にぽっかり浮かぶ小さな島にはゴミなどひとつもないように思えた。
(カヤックを漕いで)神島に到着する。浜辺一面のゴミ。ビニール、プラスティック、カン、ペットボトル・・・、燃えないゴミがやたらと多い。洗剤の容器、おにぎりの外包、そういえば、日頃、私が買っているものばかりだ。発砲スチロールは崩れて粉々になっていた。これを魚たちが卵と間違って食べるらしい。その魚を今、私達が食べている。カヤックに一杯積んだゴミ。誰も責められない。私もまた(生活の中で)出しているゴミ。パドルを漕ぎながら、その重みを体で感じた。心で感じた。
いい一日でした。ありがとうございました。
Hさん:いつも近くの川を見て、ペットボトル、お弁当パックなどが捨ててあり、これが全部海へ行くんだなと思うと、悲しくなります。山から数キロほど流れてきただけの川なのに、ゴミをポイ捨てする、モラルのなさ、教育のなさに絶望します。今日のゴミも家庭のゴミや、(釣りなどの)レジャーのゴミがほとんどで、防ごうと思えばなくしてしまえるゴミがほとんどでした。
ゴミを出しながら生活しているという意識をしっかりと持っていかないと、先進国が出し続けているゴミにプラスして,ブリックス他の諸国が、経済発展とともに目に見えるゴミ、見えないゴミがどれだけ地球を汚していくのか、悲しくなります。小さい事でも、自分にできることはしていかないと、と本日思いました。皆様お疲れ様でした。ありがとうございました。
Iさん:今日、田辺市教育委員会の許可の下、天然記念物の特別な島で参加できるということで喜んで申し込みました。神々しい、まさに名前のとおりの神島でした。白浜にはよく来ましたが、田辺湾も美しく、なかなか見事です。今後こういう美しい海を子孫のためにも守っていきたい。
Jさん:昨年に引き続き、参加させていただきました。やはり浜のゴミの量の多さには驚かされました。普段生活していると、あまり意識することのない海のゴミについて考えることができて、とても有意義なイベントになりました。
昨年の鷹島に比べて、漁具系のゴミが少なく、生活用品のゴミが多かったように感じました。場所によって、ゴミの種類に違いがあるということを実感できました。これは実際に拾ってみないと気付くことのないことなので、大変勉強になりました。これからも、もちろんゴミはきちんと処分する、なるべくフィールドのゴミを持って帰る、海のゴミ問題を人に伝えて知ってもらう、など少しずつでも働きかけていければと思いました。今回は、普段は上陸できないフィールドでの調査という貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。
Kさん:黒潮に育まれた豊かな植生と、それに反比例するかのような様々な生活用品の残骸。相変わらずペットボトル、発泡スチロールが目立ちます。神島の2か所の浜での作業でしたけれど、それぞれの浜、海に面する向きで、流れ着いているモノも若干違うように感じた。
無人の海岸線にアプローチできるスポーツであり、遊びであるシーカヤック。これまで漕いだ場所はそう多くもないけれど、どこに行ってもなにがしかのゴミが漂着しているのが目に入ってくる。いつの日か、ゴミの皆無な海を楽しみたいものだ。今回のようなイベントで少しでもその手伝いになればいいなと思う。
Lさん:プラスティック系、石油製品系のゴミがあまりにも多かったですね。分解されない、という理由もあるのでしょうが、ビニール、プラスチック系のパッケージがあまりにも過剰になされた商品が巷に溢れているという原因が、一目瞭然です。風に舞ったり、ポイ捨てされたりと、何らかの理由できちんと処理されなかったものは大部分、大雨や台風などの影響でいつかそのうち海にたどり着きます。拾っても拾っても次から次へとゴミは川という動脈から供給され、最終出口なしの海に蓄積されていきます。そして分解しません。巷に溢れるパッケージ過剰な商品は購入後の後処理が非常に面倒で、何かを買いに行く時も、どうせなら多少傷ついててもいいからハダカで商品をくれ、という気分になったりする今日この頃ですが、こういう状況を目のあたりにすると、ますますビニールやプラスティック系パッケージはどうにかしなきゃいけない存在だなと思えてきました。