夏場に東北や北海道、サハリンやアリューシャン列島やロシア沿海州あたりで過ごしたウミネコたちが、今年も越冬のために紀伊半島沿岸付近にもやってきました。
一方夏場に日本列島付近で過ごしたサシバ、ハチクマ、ノスリ、ハヤブサなどイーグル系の鳥たちが、台湾、フイリピン、ボルネオ、インドネシアまで越冬に向かいます。で、ここらあたりの沿岸部がその中継地点となっています。
紀伊半島西部からまず四国にわたり、さらに琉球を経て東南アジアに向かうというわけです。
時折、海上で「アサギマダラ」というアゲハチョウに似たチョウチョも見かけますが、彼らも同じく、四国経由で南方へと向かいます。
飛ぶ生き物たちは、国境線など関係なくあちこち旅します。
列島付近の島々は、彼らの止まり木のようなものです。
島から島へとはしごするぼくらシーカヤッカーの視点と渡り鳥の視点、
水のプラネット感覚と空のプラネット感覚、
似ていると思う。
あるいは、ヤポネシア(※注)の感覚。
連中を見ていると、胸に来るものがあります。
※注:ヤポネシア(Japonesia)=ヤポネシアとは、日本を太平洋の島與群の中に置いてみる視線で、メラネシア、ミクロネシアと同様、作家島尾敏雄による「JAPONIA」(日本)と「NESIA」( 島々)を結びつけた造語である。
トンビとカラスがこんにちはしている写真。
カラスってかっこいいと思う。
全身ブラックなのが何よりクールだし、どこか「人間ってやつらはアホよのう」というムードをかもし出しているところも渋い。
トンビもかっこいいと思う。
「トンビがタカを産む」ということわざがあるようにどこか蔑まされている感のあるバードだが、実はトンビはワシ科、つまりイーグルの仲間であり、高貴さという意味においても一段上の存在なわけである。実際、高い高い断崖絶壁のきわを上昇気流を捉えながら滑空するさまは、アメリカインディアンの神話に出てくるイーグルのようなかっこよさがある。
そんな過小評価された両者があっち向いてホイとかしている写真。
1時間に1ヘクトパスカルずつ下がっていくような急激に発達する低気圧を俗に「爆弾低気圧」と呼ぶけれど、先の3連休の2日間はまさに爆弾低気圧が暴れまくった大荒れの日和だった。
最初、太平洋上の2つの台風と列島付近の秋雨前線とがせめぎあうような格好で変な気圧配置だなあと思っていると、いつのまにやら台風は消え、代わって秋雨前線上に新しく低気圧が発生した。で、そいつがグングン発達して北東に進んでいき、ちょうど真冬並みの西高東低の気圧配置になって、ビュンビュン風が吹き荒れたのだった。
爆弾低気圧・・・、すごいネーミングだねえ。
爆弾低気圧が去り、大陸のほうから乾いた高気圧がやってきた昨日は一変して穏やかな一日だった。
写真は昨日行った湯浅湾北端の宮崎の鼻灯台から見たシーカヤックフィールド。 夏場は暑くてとてもここまで来る気になれなかったが(栖原海岸から10キロほどだけど)、やっと少々漕いでも疲れないベストシーズンに入ってきた。真夏のシーカヤックは、水遊びという意味合いでは悪くないが、本格的なシーカヤッキングを堪能できる季節ではないんだよね。で、この宮崎の鼻付近の海域は、シーカヤッキングの醍醐味をたっぷり味わえる、ワイルドにかっこいいフィールドだ。
世の中には色んな遊びがあるけれど、地球規模の天候、気象の移り変わりをプラネットアースの息吹・呼吸・鼓動としてリアルに肉感することのできる遊び、いわゆるぼくの言う「プラネット感覚」と戯れることのできる最高級の遊びがシーカヤックというやつである、といつものように思う連休だった。