プリミティヴクール

シーカヤック海洋冒険家で、アイランドストリーム代表である、平田 毅(ひらた つよし)のブログ。海、自然、旅の話満載。

直島諸島へキャンプトリップ

2018-11-01 07:54:58 | 旅行

 先日、直島諸島へキャンプトリップへ。
 10個以上の島々を巡った。

 太平洋沿岸のようにうねりがないかわりに、潮流が生き物のようにダイナミックに、かつ微細に動き回る、瀬戸内の海。その動きを読みながら、時間配分も考えながら、潮に逆らうのではなく味方に付けながら進んでゆくのは、ある種ゲーム性もあって面白い。
 あるいは自分の感覚と洞察力で進路をチョイスし、美しい軌跡を描いてゆく、体感アート。

 やはり海のツーリングは断然春と秋だな。
 ある程度の距離を漕いでも汗だくになることなく、澄んだ空気の中進んでゆけるのは、そして焚き火が心に染みるのは、夏ではなく今の時期でこそ。


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トレーラー

2018-04-24 11:31:21 | 旅行

 当店アイランドストリームでは、
 ベースのある和歌山・湯浅湾だけではなく、 
 このトレーラーでカヤックやSUPを運搬することによって、
 全国どこへでもツアー・スクールに出張することができます。

 穴場、秘境カヤックフィールドのストック、
 持ちネタの多さがなんといっても当店の自慢ですが、
 当店企画のツアーでも、
 呼ばれて行く出張リクエストでも、
 あらゆるスタイルに対応できます。

 カヤックは16艇積めますので、
 小規模な団体にも対応可能です。
 http://www.island-stream.com


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奄美リサーチ

2017-11-26 17:26:45 | 旅行

 

 先日一週間、リサーチとして奄美大島に。

 加計呂麻島まで下って海辺の安いゲストハウスに投宿し、フォールディングカヤックでライトツーリングしたり、カヤックフィッシングで釣った魚を料理しては宿の人たちとお酒を飲んだり、ドライブして島を散策したり、知人ファミリーにカヤック体験会を催したり、と、離島特有のゆるやなか時間の流れの中、充実した時間を過ごしました。

 関西地方とはだいたい1ヶ月半~2ヶ月くらいの季節的誤差があり、11月も半ばというのにまだセミは鳴いているし、日中はTシャツ一枚で過ごせるのも良かった。冬でもそれほど気温が冷え込まないので、植物の生育もよく、和歌山では冬枯れる熱帯~亜熱帯系の植物がのびのびと生えているところもいい。というかうらやましい。バナナとかソテツとかクワズイモとか何気なくそこらに自生していて、海辺の景観として何もせずともサマになっている。和歌山もこんなんだったらうちの店の敷地内ももっと雰囲気出るのになあ、とうらやましくなりました。

 緑溢れるちょっとした庭にテーブルと椅子を置いただけで、すっごく居心地のいいカフェ空間に変わる。そこでコーヒーを飲みながら潮風を肌に感じ、音楽を聴き、まったりしていると、それだけで何時間でも過ごせそう。

 関空からもバニラエアで片道4000円~8000円くらいで行けるので、日頃ストレスたまっている人はただのんびりしにいくだけでも訪れる価値があると思います。そこにフォールディングカヤックがあれば旅の友としてなおよし(宅急便で2000~3000円で送れます)。

 毎年、奄美・加計呂麻シーカヤックマラソンが開催され、ここではシーカヤックの認知度自体がかなり高いのも、居心地のよさのひとつ。カヤックトリップの価値がまだまだ理解されないことが多い世の中、どこに行っても「何しに来た?」「カヤック漕ぎに来ました」「は? なんやそれ」みたいな会話になり、変わり者扱いされることが当たり前になってますが、それが「あ、いいですね~。素晴らしい」とリアクションされることは、思いのほか気分よいものなのです。

 今回は時間がなかったけど、行ってみて「次回これをぜひやりたい」と思ったのは、加計呂麻島とその周辺にある請島、与路島、須子茂離などの諸島を7日~10日くらいの日程でぐるっと一巡りするというカヤックトリップですね(一番下の地図写真の、左下部分の島々です)。黒潮を全身でダイレクトに感じ、有人無人の島々に渡り、土地の人たちとの交流とそこにすむ生き物たちとの交信。もちろんカヤックにテント、調理用品、食料、釣り道具などを積み込んでキャンプしながら。
 それはきっと自分自身のカヤックトリップ史上に残る素晴らしいセッションになることと直感します。

 なんせ、黒潮のエッセンスがそのまま花開いたような島々だから。

 またその旅を、アイランドストリームのオーダーメイド系ツアー「ドリームツアー」のラインナップに加えてみたいと考えます。


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みちのく潮風トレイルの旅、無事終了

2017-11-02 00:53:20 | 旅行

 みちのく潮風トレイル4日間の旅無事終了。
 三陸海岸の魅力再発見と同時に三陸はやっぱシーカヤックを外したら絶対ダメだなと改めて思った。最もフリーなスタイルでトレースのない所へ行ける唯一の手立てがシーカヤックなわけだから。陸路も面白いけどしばし思いの他、行き場所が制限される。一方陸路のよさは、人との交流の機会が多くなることだ。だから歩きと漕ぎ両方必要。

 3日目には釜石で地元シーカヤックガイドのMESAの草山さんと一緒に飲み、来年コラボでツアーやりましょうという話しになった。

 三陸海岸、シーカヤッキングとトレッキング、もっとみんな人力で旅するムーブメントが起こればいいと思う。

 それから、最後に立ち寄った遠野が思いのほかよかった。
 これまで、凄いと言われる「遠野物語」の良さにぼくはイマイチ関心がなかった。オシラサマ、カッパ、ザシキワラシとか、妖怪譚とかああいうたぐいのやつ。それが今回現地に身を置くことによって、あれは自然と濃密に付き合う中で生まれた美しいものだと、結構腑に落ちるものがあった。
 自然音痴の現代人が自然を無理やり人間の側に引き寄せて捉えようとする「オカルト」や「スピリチュアリズム」とは対極の、日々の現実から決して離れず、自然への畏敬の念と絶妙の距離感をもって、自然界と人間界の不可思議さと精妙さに「ストーリー」という命を吹き込こんだ美しい奇譚の数々、とでもいうか。

 日本は深いと思う。


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みちのく潮風トレイルへ

2017-10-26 17:20:00 | 旅行










現在、「みちのく潮風トレイル」を歩きに三陸海岸に来ています。

「みちのく潮風トレイル」とは、北は青森の八戸、南は福島の松川浦にいたるまでの海岸線エリアを、森林や里山、浜辺、港、磯、集落などを通って歩き繋ぐための道です。全区間あわせると500キロ以上に渡ります。それを全部いくのは今回時間がなくて無理ですが、このたび四日間で面白そうな区間を歩くつもりです。

昨日は八戸から種市海岸、今日は普代村から北山崎まで歩いてきました。種市〜普代間は電車で移動です。電車といっても超ローカルなやつですが、それがまた風情あっていいものです。

ほんとは今週、大峯奥駈道をトレーニングがてら縦走しようと考えていたのですが、先日の台風で山がえらいことになってそうなので急遽変更したわけです。

このトレイルはまだ始まったばかりですが、すごく可能性を感じます。三陸海岸の海岸美はハンパなく凄いのですが、それを人力で移動しながら楽しむという文化はこれまでにありませんでした。

たけどじっくり人力で、ゆっくりとした移動によって見えてくる、本当の魅力があるのです。

トレッキングに加えてさらにシーカヤッキングも入れるとますます素晴らしいものになるでしょう。両方での人力移動。それは多分いまの日本人より外国人の方がその価値がわかるだろうと思います。欧米の先進国にはロングトレイルの文化が根付いているからです。もしかしたら外国人旅行者から火がつくかもしれません。

これからの世の中、良質なロングトレイルの存在は、その地の価値、イメージともに大いに高める力を持っています。特に世界的な視野でみるとそうです。これからこのトレイルもじっくり育っていくと、東北の復興にも寄与するものになると思います。



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世界を巡る自転車の旅

2017-03-27 13:23:35 | 旅行

 先日ドイツ人の女性が自転車でふらっとうちに入ってきた。話を聞くとなかなかすごい。ドイツから自転車での旅の途上で、イラン、オマーン、トルコ、タジキスタン、カザフスタン、中国、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド等々を経て、現在2年半目になるという。
 当店ベースで一泊して翌日湯浅湾でカヤックを漕ぎ、その翌日うちでウーファー的に雑用を手伝ってもらい、ついさっき再び旅路へ。この後田辺、高野山、名古屋、仙台、北海道に向かうという。
 これまでの彼女の旅のブログがまた面白く、写真が素晴らしいので要チェック。
 http://worldbybike.blogsport.de/


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メルギー諸島・ミャンマー

2016-02-15 22:31:54 | 旅行

現在、ミャンマーのメルギー諸島に来ています。
八百以上島がある多島海だけど長く続いた軍事政権ゆえにほとんど開発されず、ホテルはまだ一軒もない。外国人訪問者に門戸が開かれたのもここ1、2年の話。ぼくは10年くらい前からずっと、いつかここの島々をカヤック&キャンプしながら渡り歩きたいと思っていた。

結論から言うとまだ自由な旅は時期尚早。
スピードボートで島を巡りシュノーケリングするような「デイツアー」でのみ、訪れることができる。まだ軍事政権の色は残っていて、自由に漕ぎ回ったりキャンプなどして見つかったら即、捕まる。ここの国の軍人は、底知れぬ不気味さをもっている。

昨日おとといと、実はローカルのツアー会社主催で1泊2日で島々を巡ってシュノーケリングし、島に住んでいる「モーケン人」というシージプシーの集落で一泊できるというツアーがあり、即申し込んた。フォールディングカヤックを持ち込み、休憩時間にちょびっとだけカヤッキングしたりした。で、モーケン人の集落で宿泊する段になって急に、観光省の役人から連絡が入り、外国人は宿泊不可能という話になった。で、ぼくら外国人9人は出航した港に戻って村に泊まることになった。しかし村に戻ったら今度は、その村には外国人を泊めるライセンスがないので、さらに車で三時間程移動してコータウンという町のホテルで泊まれということになった。疲れていたぼくらはしだいに腹が立ってきて「やなこった、この村で寝る」と突っぱねた。ドイツ人、イギリス人、オーストリア人、デンマーク人に日本人のぼく。特に白人連中は言いだしたら聞かない。何時間か問答しているうちにやがてツアー会社のニイちゃんが泣き出して、土下座みたいなカッコして「頼むから町のホテルまで来てくれ」と懇願し始めた。

まあぼくらはしばらくしたら各自の国に帰りやがて過去のことになるけれど、ローカルのツアー会社の彼らはここの役人とずっとつき合って行かなきゃ商売を続けられない。すごく申し訳なく思えてきて彼らに従ったのだったが、この国の軍人とか役人とか、やはりまだまだ相当恐ろしいのだろうという臨場感が、このツアー会社のニイちゃんの泣き崩れ方から伝わってきた。そして、政府や軍の利権がらみの腐敗臭もぷんぷんした。

だけど少しずつ変わって行くだろう。数年後地元のツアー会社とコラボして船チャーターしてアイランドストリームとしてカヤック、シュノーケリング、釣り、キャンプを組み合わせたツアーを開催しようと思ったのだった。
やばいほど美しい島々が隠されている。


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関西圏のフィールド写真を編集中

2015-12-27 18:22:27 | 旅行

 ここのところ、アイランドストリームのツアーフィールド写真の整理作業に明け暮れ、引きこもり中。
 いやあ、これまでかなりあちこちでツアーをしてきました。
 それらをまとめて、 ひとつの案内を作っているわけですが、
 例えばこんな感じです。これ見てると、自分で言うのもなんだけど、
 結構すごいフィールドが関西にはいっぱいあるな、と改めて実感できます。
 みんな、カヤッカーになって、ぜひ行ってみましょう。 

 湯浅周辺フィールド
 http://homepage3.nifty.com/creole/aroundyuasa.html 

 南紀フィールド
 http://homepage3.nifty.com/creole/nanki.html

 伊勢・熊野フィールド
 http://homepage3.nifty.com/creole/kumano.html

 四国フィールド
 http://homepage3.nifty.com/creole/shikoku.html 

 瀬戸内フィールド
 http://homepage3.nifty.com/creole/setouchi.html  

 日本海フィールド
 http://homepage3.nifty.com/creole/nihonkai.html


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太平洋がだめなら瀬戸内へ

2015-10-28 22:38:03 | 旅行

 前回記事の続きですが、香川の島々を巡ったあと、再び徳島の太平洋岸へ。
 だけど案の定、台風うねりは続いていて、楽しめる雰囲気ではない。

 そのままドライブして室戸岬へ。
 そしてまた思い立って高知経由で瀬戸内へ。

 直島諸島付近を流しツーリング。

 このように四国は、太平洋がだめなら瀬戸内へ、

 というチョイスができるのがいい。
 逆に北風が強くなる時期には、瀬戸内側が風表になるけれど、
 太平洋岸は風裏のフラットなコンディションになる。

 四国は、5日とか1週間とか10日とか2週間とか、
 まとまった日数で旅してこそ、その良さがわかる。
 ま、それは紀伊半島も同じことだけどね。 

 ということで、ある程度長い期間でのツアーの開催も計画中。
 こっちも気合い入れて、
 一生に一度のスペシャル体験となるべく、そのプラン作りを考えています。

 室戸岬周辺の西日に照らされた海面。

 太平洋岸、うねりが海岸線を洗っている。


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瀬戸内、体感アート旅

2015-10-28 18:15:27 | 旅行

 先日の四国トリップの後半は、台風うねりにより太平洋側でのシーカヤック&キャンプが難しかったので、瀬戸内側に移動。香川県の屋島近辺から出て、無人の浜キャンプを挟みながら1泊2日でたくさんの島々を巡りました。

 太平洋の黒潮の海と、瀬戸内の海は、別宇宙と言ってもいいほど世界が違う。
 前日までいた高知南西岸との対比、そのギャップをとくと実感しましたね。
 太平洋側の海岸線は、ことのほか野性の気配が色濃い。波もうねりも風も全く質が違うし、断崖絶壁や洞窟も悠久のスケールを帯び、人間世界から超越したような圧倒感、凄み、迫力、アンタッチャブルさがある。あるいはきめこまかな繊細さがある。

 一方瀬戸内の海に漕ぎ出でてみると、どこか人間に近いというか、人間生活の延長上にある自然空間だなという印象を受ける。水平線の彼方は異世界である太平洋と、海の向こうはすぐ隣県である内海の違いからくるのか。実際にたくさんの島々にはそれぞれ、人々の生活と密接にかかわってきた歴史があるし、瀬戸内ならではの野性である「潮流」ってやつも、古くから水軍や船乗りに利用され、権力趨勢を動かすほどの影響すら与えてきた「人間臭い」存在なのである。今回も、稲毛島や兜島、鎧島といった無人島群と同時に、島自体が明治時代から今も続くハンセン病患者の療養所となっている大島、現在はアート作品鑑賞で結構多くの人が訪れる男木島、女木島など有人島もめぐりました。そこで強く思ったのは、一個一個の島に独特の文化や空気感、味わいがあって、シーカヤッキングでそれらひとつひとつに渡り、島を歩いていると、強烈なまでの旅情、「知らん世界を旅してるな~」というトリップ感があるなということでした。
 ウィルダネスの旅とはまた違う、人と海とのかかわりの歴史、島文化の多様さにクラっときたというか。

 太平洋と瀬戸内、どっちが好き? と聞かれたら、まあどっちどっちですね。
 比べる基準が違うので何とも言いようがない。
 どっちも面白い。

 ただ、純粋に「自然」という意味では、太平洋側の方が飽きないというか、自分の心の中にある野性感覚に訴えかけてくるものがある。だけど、瀬戸内にそういうものがないかといえば、そういうわけでもない。
 やはり、瀬戸内の潮流世界を自分の二本の腕で漕ぐと、色々インスピレーションが湧いてくる。その湧き出す源泉こそ、野性感覚そのものだなと思うんですね。とくに、べた凪で全く流れていないように見えてその実、海全体がダーッと大きく動いているというあの独特の世界、凄いと思いますね。
 この海を自在に行き来した船乗りの先人たちの息吹を感じると同時に、月の引力ってすげえよなと驚嘆する。
 意識の上で、時間軸が過去をさかのぼると同時に、空間軸は宇宙にいくわけだ。
 なかなかの境地である。
 いわゆるひとつのプラネット感覚。 

 やはりシーカヤッキングって、極めて優れた体感アートだなって思うね。
 瀬戸内の島々に展示されたアート作品の中にも 、ジェームス・タレルのような「体感アート」的作品も見受けられますが、もっと全身体的なもの。「漕ぐ」という切り口から、時間と空間をワープするような意識に至る旅、これ以上ないリアルなアートだと思います。
 たぶん、瀬戸内芸術祭は、シーカヤッキングで巡るのが最高でしょうね。


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ひとつ脱皮すると世界が変わる

2015-10-06 12:22:31 | 旅行

下津・沖ノ島の船着き場付近。

 

湯浅湾最北部・宮崎の鼻近辺の洞窟(この付近も洞窟多い)

 

下津・かるも島。湯浅湾だけではなく下津にもかるも島がある。キャンプするにもいい。

 

下津・沖ノ島の数少ない砂浜のひとつ。

 

下津・沖ノ島から臨む宮崎の鼻。その向こうは白崎海岸。木々がうっそうと茂る紀州にあって、
このさわやかな景観で異彩を放つ島。
 

下津・沖ノ島の灯台。この島には背高い木がほとんどなく、クマザサに覆われていて、
北方系、あるいは高山系、はたまたこの近所の生石高原にも似ている。 

 

和歌山マリーナシティ・ポルトヨーロッパの観覧車。

 

 ゴール地点・浜の宮近くのリゾートマンションの夕景。

 先日、湯浅湾アイランドストリームベースから和歌山・浜の宮ビーチまで漕ぎました。
 直線距離にして30キロ弱ですが、沖ノ島、地の島、下津・かもる島、マリーナシティなどを丹念に廻ったので、40キロほどの漕行距離になるだろうか。
 このルートはバラエティに富んでいて、トリップ感が深いコースです。
 ただ一個一個見どころが離れているため、ある程度の漕力が必要。

 シーカヤッキングって実は、景色をゆっくり愛でながら漕ぎたい派の人ほど、漕ぐ力があった方がいいんですね。単調な所はサーっと漕ぎ、美しい場所ではじっくりひとつひとつの洞窟や入り江の中に入り、進んでいけるから。漕ぐ力がないと、単調な場所も美しく入り組んだ場所も、ただただ闇雲に一生懸命漕ぐだけになってしまうんですね。地形に関係なく最短ルートで一直線に漕ごうとしてしまう。そうすると景色なんかに意識を持っていく余裕がなくなる。

 実はこういうことを忘れがちなんですが、
 一個一個の島、岩、洞窟、入り江などを丹念にめぐると、
 結果として累計で、結構な距離を漕ぐことになる。
 だから景色をゆっくり愛でる派の人ほど、
 余裕のある漕力キャパを持っておく必要があります。 
 むしろレース派や漕行距離にこだわる人以上に、キャパシティを持っておいた方がよい。  

 このコースは初級から中級者クラスに脱皮するための、
 ひとつのバロメーター的なルートともいえるでしょう。
 ここを漕げるくらいのレベルに脱皮すると、
 海岸線の隠されたたくさんの秘境を巡ることができ、
 世界が変わるくらい面白くなってくることでしょう。 

 ツアー、あるいはパドリング/ナヴィ講習実践編スクールとしての、
 リクエストも受け付けます。 


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ホルムズ海峡カヤッキング

2015-07-08 13:40:35 | 旅行

 集団的自衛権を行使しての機雷除去うんぬんかんぬんで
 昨今よく耳にするホルムズ海峡ですが、
 海峡に直で面したムサンダム半島をカヤックトリップしたことがあります。

 海峡を隔てて40キロ向こうはイラン。
 こちらはオマーン。
 ここが海況封鎖されると原油タンカーが通ることができなくなり、
 そうなると全世界で石油ショックが起こってえらいことになるということで、
 国際情勢の緊張感が如実に反映される場所として有名ですが、
 現地は一見すごく平和で、むしろ全然緊張感が感じられませんでした。

 まあだからといって平和ということでは決してないのですが、
 意外と緊張感が感じられないというのも、えてしてそういうもの。
 
 イメージとして、セキュリティがめちゃ厳格かと思うでしょう。
 ところが全然そうではなく、
 毎朝、対岸のイランから漁船で海峡を渡ってくる庶民がいて、 
 ドバイからの日用品、商品を積みこんで帰っていました。
 海上でその連中がよく近寄ってきて、
 「おーい、そんなにゆっくり進んでどこへ行くんだ?
 カヤックごと舟に乗ってけよ。イランまで連れてってやるぜ」
 と声をかけられたものです。 

 その気になれば楽勝で密入国できるくらいのレベル。
 それがホルムズ海峡。 

 沿岸は陸路がなく、海からしか行けない集落がたくさんあります。
 そういう場所をよく訪れました。
 そういう場所は今でこそ陸の孤島ですが、
 百年以上前までは海のシルクロードの「道の駅」みたいな存在として、
 大いに栄えた場所でもあります。
 そのDNAからか、人々は旅人に親切で、よくメシとかごちそうになりました。
 言葉も、アラビア語に、英語、ウルドゥー語、ヒンドゥー語、スワヒリ語などが
 ちゃんぽんされた、特殊な言語を話すようです。
 
 イランから海峡越えて行き来するというのも、
 千年以上前からのごく普通の生活習慣だったのでしょう。
 オマーン海軍も事実上、黙認しています。
 ニュースには絶対出てこない、現地特有の空気感。
 そういうやつを嗅ぐのもカヤック旅の面白さですね。
 実際、千年以上前の海のシルクロード時代のヴィジョンのようなものが、
 あるいはアラビアンナイトのシンドバッドの冒険に出てくるような世界が、
 アラビアのお香の香りと共に、何度も脳裏を駆け巡りました。 

 カヤックとは、自然の懐深く入っていけると同時に、
 異国の日常生活の中にも深々と 入っていける道具でもあるのです。
 歴史時間をも越えて・・・。
 最強の旅ツールですね。


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青の蒼さに

2015-07-03 22:42:40 | 旅行

 これまで漕いできた中で、
 どの海が一番きれいだったかという問いに答えるのは不可能だけれど、
 どの海が一番青かったかと問われたならば即答できる。 
 あるいはどの青が一番美しかったか、と。 

 2010年2月に行った海。
 タスマニア北東部、ベイ・オブ・ファイアー。

 ここの海の青さはハンパじゃない。
 ただ青いだけでも、
 ただ透明なだけでもなく、
 ブルーという色の魅惑感そのものを抽出したかのような、
 心に来る色。なんというか、宇宙的な青さだった。

 宇宙から見た地球のブルーの魅惑感ってこんな感じかな、
 と思わせられる青さだった。

 フォールディングカヤックもってってこの海に浮かぶだけでも、
 地球の反対側に飛んで行く価値があるよ。

 というわけで、今宵は最も青い音を出す楽器、
 ヴィブラフォンの名演を聴きたいところだね。
 Milt Jackson: Round midnight (best version)


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スリランカ・シーカヤック一周旅の話

2015-06-30 22:09:15 | 旅行

先日のアジア図書館でのスリランカ・シーカヤック一周旅のスライド&トークショーは、
なかなか長くなりました。
ぼくのシンハラ語の先生だったNさんがこちらの話の合間に、
解説を挟んでくださるのはいいけれどそれが長くて話が進まず、
最初苦笑気味でしたが、やがて彼女の母国に対する愛国心と親日感情はすごいなと、
逆に感心、感動させられました。

日本はスリランカに恩義がある。
第二次大戦中、スリランカも日本軍に爆撃された国だったが、
1951年のサンフランシスコ講和条約の席で、
スリランカ代表のJRジャヤワルダナ氏がスピーチし、
「憎しみは憎しみによっては止まず、ただ愛によってのみ止む」
とブッダの言葉で締めくくって、賠償責任を問わず、
日本の国際社会への復帰を強く主張したのだった。

このスピーチが、諸外国代表の心を打ち、
当時日本の自由を制限し「分割統治」という厳しい制裁措置を加えようとしていた
ソ連の主張を押しきり、日本の国際復帰への道につながったといわれている。
本条約締結後、世界で一番早く正式に日本と外交関係を結んだのもスリランカだった。

まあそういう話しも思い出させてくれた。
やっぱり「自由と平和」をテーマに、
内戦の激戦地だったスリランカ北東部海岸400キロの海旅、
再トライせなあかんな


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スリランカ1000キロジャーニーのスライドショー&トーク

2015-05-22 01:33:49 | 旅行

 6月25日(木)大阪市東淀川区のアジア図書館にて、
 スリランカ・シ-カヤック1000キロジャーニーのスライドショー&講演を行います。
 詳細および参加お申し込みはアジアセンター21まで。

 ほんとは海旅に関するトークライブとかあちこちでやりたいんだけど、
 今はバタバタ忙しいので秋以降に本格化しようと思います。

 当方、プロジェクター&スクリーンを持参の上、
 どこへでも行けます。
 海や旅に関するスライドショーやトークライブ、
 あるいは執筆なども承ります。

 海旅から知りうる自然、環境、世界情勢について、
 自由について、平和について、冒険心を持つことについて、
 などなどいろいろ話すテーマはありますが、
 基本的に交通費さえいただければ、
 どこへでも出向きます (プラスアルファ、少々のお心付けを
 いただければなおありがたし)。
 sunnyrain@nifty.com 


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