冬至が終わった。
日の短さも底を打ち、
太陽光線はこれから少しづつ夏に向かう。
一方、気温の折り返し点は、
冬至から1ヶ月ほど遅れる。
1月の終わりから2月の半ばまでが底だ。
海水温がコツンと底を打つのはそこからさらに1ヶ月ほど遅れた3月初め~半ばくらいになる。今のところ海水温は20度を切ったくらいで、陸上にたとえると11月はじめ~半ばくらいの感じだ。ちょうど今くらいから、黒潮に乗って迷い込んできた死滅回遊魚のスズメダイ系熱帯魚の集団がほぼ、死に絶える。海水温と空気温の温度差が激しいため、水平線上でかげろうがゆらめき、しばし浮き島現象や蜃気楼現象が見えたりするのもこの時期だ(4月にも多い)。
太陽光線、陸上、海とそれぞれが三者三様の季節感をバラバラに奏でつつ、グルーヴするようにひとつに連動して推移する自然界。これからの時期は感覚を研ぎ澄ませることによって、寒い中にも微細な春の芽吹きの気配とかすかな秋の名残、その両方を味うことができる。そしてそれが最も顕著に感じられるのが、シーカヤックで漂う海上世界だ。
写真上は海に沈む太陽。
写真下は、これから死に絶えなさる死滅回遊魚系の熱帯魚。彼らは毎年毎年夏に南方から黒潮に乗ってやってきて冬に消滅する。それを何万年も、人間がこの列島に住み着く以前から繰り返している。かわいそうとかはかないとかそんなんではなく、ただただ自然の摂理ってやつ。