「21世紀の新しい価値観」というフレーズは何度も耳にするけれど、22世紀とか23世紀の価値観は・・、と述べる人はさすがに目にすることはほとんどない。
数年前、南インドのラーメッシュワラムでカヤックを漕いだ時、ふとそんなことについて考えた。カースト制のインドでは漁師とか海の民はアウトカーストとされててぼくがカヤックを漕いでたら凄く変な目で見られた。で、仲良くなったのはアウトカーストの漁師ばかりだった。インドは無茶苦茶な国だけどなぜか漁師は紳士的でどこか分かりあえるような所があった。そこで直感的に思ったのは、まあ21世紀には無理だろうけど22世紀とか25世紀とかになるとインド人12億人、中国人14億人の何割か、そして全世界の結構な割合の人数がカヤックとかサーフィンとかやるようになるんじゃないかな、ということだった。
ザイール人が湯浅湾を漕ぎ、インド人が熊野奥駆けトレッキングし、ジンバブエ人が瀬戸内をアイランドホッピングしたりする姿。
ま、200年とか500年とかの流れでみると世界は間違いなく国境がなくなっていく方向に進んでいくと思う。21世紀というのはもう10年もたってて、既にみんなが考えることは固形化しているというか、大きな夢がなくなっちゃっているように思う。で、そういう視点もどこかに隠し持ちながら、尖閣とか竹島の問題を捉えるようにした方がいいように思ったりもする。あ、そう考えると原発なんて22世紀には絶対ないよな。しかし処理できない今のプルトニウムは何万年も残る。
ちなみにこのラーメッシュワラムって所はスリランカとの国境に面していて、海峡の砂洲や小島を漕ぎ渡っていくと48キロでスリランカに着く。スリランカ北部には数年前まで「タミル・イーラム解放の虎」という反政府ゲリラがいたけれど現在はいなくなっている。この海峡を渡るくらいのことは21世紀のうちにできるだろう。